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村崎 和也 氏より (日本エディタースクール講師)

このページは、書籍「出版広告の話」から、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。


・一見してわかるように、他の業種とくらべて、出版広告は新聞媒体に大きく依存している。


・出版広告の場合、広告費をどのくらいにみるかは定説のようなものがあって、だいたい定価総額の一〇%であるといわれている。(中略)これくらいで考えることが安全圏内であるという数字に過ぎない。


・実際には、とってかわる媒体がおいそれとはないのである。本というものは一点一点が内容を異にし、対象もちがうから、一概にはいえないものの、それぞれ程度の差こそあれ、全国向けの大新聞よりも効率がいいといい切れる媒体はない。


・サンヤツというのは、出版社や広告代理店、新聞社などでは日常語であるが、もともとは略語である。三段八割もしくは三段八文の一の略語


・サンヤツというには、新聞の第一面の記事下にあるのが特徴である。出版広告、それも雑誌を除く単行本専用のスペースである。


・雑誌広告のもうひとつの特長は、媒体としての生命が長いことである。新聞は数時間あるいは半日、せいぜい一日をもって広告媒体とそての生命を失うことを思えば、雑誌は原則として生命が長く、掲載されている広告が反復して見られる機会をもっているということができる。


・交通広告、なかでも国電の車内中吊り広告では、かなり以前から出版広告が幅をきかせている。とくに、週刊誌


・取次店が作って発行している近刊情報誌がある。「東販週報」や「日販速報」などで、大手・中堅の取次店は、体裁や規模にちがいはあるけれど、各版元の情報を総合し編集している。


・これらを利用することは、それなりの効果が期待できるだろう。


・日本書籍出版協会から「これから出る本」という小冊子が発行され、かなり多くの書店に置かれている。


・読者が本を購入する動機となるものは(1)書店の店頭で見て、(2)人から聞いて(3)新聞広告を見て、という三つが過半数である。


・著者の西谷能雄氏は、「書物とは宣伝や広告によってではなく、本来それ自身、内容の力によってひとり歩きすべきものではないか」


・広告費の考え方

広告費は、過去の消費に対する資本的支出ではなくて、むしろ将来の効果を求めるために前払いせられる建設的もしくは収益的支出であり


・定価一五〇〇円、四〇〇〇部の本の定価総額は六〇〇万円、その一〇%は六十万円。これが元素気的には適正もくしは妥当な、あるいは危険のともわない常識的な広告費である


・ぜひ一冊お求め下さいというコピイを見たことがあるが、このなかでぜひという強調語は無用な気がする。


・出版広告というのは、新聞広告を中心的な手段として、企業イメージの定着をはかる一方でいわば一点一点の出版物についてのインフォーマティブな説得を行なおうとするものである。
      
     
             
●書籍「出版広告の話」より
村崎 和也 著
日本エディタースクール出版部 (1978年3月初版)
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