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布川 角左衛門 氏より(書籍「本の周辺」より)

このページは、書籍「本の周辺(布川 角左衛門 著)」から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・こんにち、たいがいの書籍の奥付に、「落丁・乱丁本はお取替えします」と書いてあるが、その「丁」である。いうまでもなく、表裏二ページから成る一枚のことであるが、これは和本からの転用である。つまり、和本は、片面しか刷れない和紙を使うために、袋綴(ふくろとじ)である。その袋になる一枚を「一丁」と呼び、折目の部分に、いわゆる「丁づけ」をつけるのが普通であった。ページという概念や数え方は、文明開花の明治時代になり、両面の印刷のできる洋紙が使われるようになってからのこと。丁には、もともと偶数の意味がある。結局、二ページ分のa leafと同じになるところから、洋装本でも、和本の「丁」がそのまま定着したものと解されるであろう。


・その女婿・松岡譲さんが夏目家にあった各発行所の印税覚帖を主材にして、はじめて披露した『漱石の印税帖』がある。(昭和三十年八月、朝日新聞社発行)。


・個人によるものであっても、すべて国立国会図書館に納本することになっている。これは、昭和二十三年二月に制定された国立国会図書館法による、いわゆる国民的な義務の施行である。


・戦後の末期には強制的な企業整備が断行された。そして、一時は三四三社までに減少した。しかし、出版が自由になった戦後を迎え、復活開業の出版社に加え、多数の新興出版社が続々と創業した。そして、飢餓状態であった読書人の需要にこたえ、業界には「出せば売れる」といった一種のブームが現出した。


・「編集に類するもの」つまり私が「編集料理論」、「編集演劇論」、「編集建築論」、「編集造園論」と呼んでいるものを紹介することにしよう


・編集は一種の演出である。

             
●書籍「本の周辺」より
布川 角左衛門 著
日本エディタースクール出版部 (1979年1月初版)
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