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後藤 武士 氏 書籍『伝えたいことが正しく伝わる文章のルール』より

このページは、書籍『伝えたいことが正しく伝わる文章のルール』(後藤 武士 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・一般に「だ・である」調は書き手の強い意志を感じさせ、「です・ます」調は読者にやわらかいイメージを与えます。


・「である」調は非常に偉そうな、威張ったイメージを持たれる反面、筆者の自信が伝わりやすく、説得力が増すことも多くなります。一方、「だ」調は同じく断定的な強さはありますが、「である」よりは少し読者に譲ったイメージがあります。主張に関して相当な自信があって、読書を啓蒙しようくらいの心意気がある部分では「である」調を、そこまで強くない部分では「だ」調をと、使い分けるとよいでしょう。常体どうしである「である」調と「だ」調の混用は「文体の不統一」ではありませんが、不自然にならないよう注意する必要があります。


・「です・ます」調は読者に対してかなりやわらかいイメージで受け止められ、筆者が心を開いているイメージや、親近感を持ってもらうことができます。反面、力強さに欠けるのが欠点です。(中略)

大切なのは、目的の応じて文体を使い分け、その文体で統一することです。


・主語と述語の組み合わせのパターンには3種類あります。

(1)「誰が・なにが」 「なんだ(なんだった)」 型
(2)「誰が・なにが」 「どんなだ(どんなだった)」 型
(3)「誰が・なにが」 「どうする(どうした)」 型


・日本語の敬語は3種類もしくは5種類に分類されます。大きく分けて「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つ、細かく分ける場合は謙譲語が「謙譲語」と「丁寧語」の2つに分かれ、丁寧語が「丁寧語」と「美化語」の2つに分けられて5種類となります。


・文章上達の大原則------助詞は正しく用いるべし

助詞は大きく、主に名詞について文中でのその単語の格を示す「格助詞」、上の部分と下の部分をつなぐ「接続助詞」、いろいろな語について特定の意味を付け加える「副助詞」、主に文や文節の終わりについて話者や書き手の感情を付け加える「終助詞」の4つに分けられます。

このうち、とくに書き手が間違えやすのは格助詞の使い方です。そのなかでも「が」「は」と「を」「に」、さらには「と」「へ」などとの識別が間違えやすいものです。


・「指示語」って、おわかりになりますよね。いわゆる「こそあど」言葉です。うまく使えば、前に出てきた内容を何度も一から繰り返すことなく話を進めることができる、とても便利な言葉です。


・文章上達の大原則------指示語の使い分け3つの鍵

指示語の使い分けの鍵は3つあります。

1つ目の鍵は「距離」です。自分から見て近く、もしくは文章で直前を指すのが「これ」、遠くになると「あれ」です。また、相手から見て近く、あるいは相手が話題にしたものは「それ」、そして対象がはっきりしないときが「どれ」になります。

2つ目の鍵は「単数複数」です。指示語が指すものは1つならば「これ」「それ
」など。複数の場合は「これら」「あれら」などになります。

最後の鍵は「文の中での役割に応じた使い分け」。主語になるときは「これ」「それ」「あれ」「どれ」。名詞、つまり体言を修飾するときは「この」「その」「あの」「どの」。そして「~具合、ふう」などのような抽象的な名詞の前につけるときは「こんな」「あんな」「そんな」「どんな」を用います。

これら3つの鍵を意識して指示語を使い分けることが大切です。


・どのくらいの読点を打つのがいいのでしょうか。その目安は、文庫本新書本を参考にするとよいでしょう。それらはおおむね、1行が35文字から40文字程度で収められていますが、だいだい1行につき読点は1つから2つという例が多いようです。


・2通りの意味が生じる場合は、誤解を避けるためにも、きちんと読点を打ちたいものです。たとえば「ぼくは素早く逃げるねずみを追った」といった文章の場合です。この文章、「ぼくは素早く、逃げるねずみを追った」なら素早いのは「ぼく」ですが、「ぼくは、素早く逃げるねずみを追った」なら素早いのは「ねずみ」と、読点の位置で意味が異なります。


・「だけど」も「ですが」も逆接の意味を持っているはずです。しかし会話中で多く用いられる「だけど」や「ですが」には、きっとそれはありません。


・「だけど」文、「ですが」文は、文章の説得力を欠く文章です。こういう口癖のある人は、常に自分の書いた文章を再読して推敲するようにしましょう。


・表現の重複に気をつけよう(中略)

「白い白馬」(中略)
「初めてのファーストキス」とか「オレのマイブーム」(中略)
「とにかく前へ前と前進した」とか「馬から落ちて落馬した」(中略)

「恥ずかしげも恥じらいも羞恥心もなく」「大声で声を張り上げて」「蹴りを入れて蹴っ飛ばし」(中略)

「つい先頃、先日」「長い列が行列になって」「割り込んで横入り」(中略)

文章上達の大原則------同じ言葉・表現を重複させない(中略)

ひとつの直し方は、「同じ意味の、別の言い回しに差し替える」という手法です。「はい」「はい」「はい」となっていたなら、それを「はい」「ええ」「そうですね」というふうに変えるわけです。(中略)

読者にくどさを感じさせないようにし、どこまで読んだかわからなくなるような混乱も避けます。


・「つまり」のうしろには、一目でわかる「まとめ」が存在しているはずなのです。このように、「つまり」は言い換え・要約の言葉ですから、その前後は「本質的に同じ内容」でなければなりません。


・一般的に「AつまりB」とあったときには、「A」と「B」のあいだにはイコールもしくは、少なくとも同じ属性を持っている、という性質が存在します。(中略)

「つまり」の前のほうは「具体的ではあるが、まとまりのない性質」で、うしろは「抽象的ではあるが、まとまった性質」になっているのが普通です。なお、「すなわち」「言い換えると」「要するに」などがあります。


・引用のしたのが論文や雑誌中の1エッセイなどの場合は「 」(かぎ括弧)、単行本や新書本、文庫本のように独立した冊子になっている場合は『 』でくくるのがマナーです。


・引用元を明記する

出典を必ず明記してください。本の名前は『 』で、雑誌や論文などのタイトルは「 」でくくってください。もとろん著者筆者名も忘れずに。


・「主張」には「根拠」をつける、これが大鉄則ですよ。

文章上達の大原則------主張と根拠はセットで書く


・起承転結にこだわるな(中略)

起承転結というのは物語やストーリーの展開に用いられるべきものであって、主張のある評論文やノンフィクションの文章などでは必ずしも必要ではないのですね。それどころか、主張をわかりにくくしたり、説得力を弱めたり、ふざけた印象を与えてしまう可能性さえあります。


・数字の持つ説得力

数字というのは文章にとって、必要な客観性を増すのに非常に効果的です。また、数字があるとインパクトも強く、手っ取り早く人をひきつけるにはもってこいなのです。


・たとえば、ある人が「生物はすべて死ぬとはかぎらない」という主張をしようとしているとします。この主張は、きわめて特殊な主張ですよね。だって普通は「すべての生物は、いつかは死を迎えるものだ」と考えられているのですから。

「地球上にいるすべての生物を人間が観察することは不可能である」(中略)

「ならば、地球上の存在している生物のなかには生態がはっきりしないものも当然いるはずだ」(中略)

「そうした生物のなかには、生物的な死を迎えないものもいないとは言い切れない」


文章のテーマトしては「特殊」なものが目を引きやすく、まったく特殊な要素を含まないようでは注目されない。しかし、そのテーマが妥当であると認識してもらうには、できるだけ「普遍」に近い例を重ねる必要がある。(中略)


・逆接の使い方(中略)

「こっち」だと思っていたことが、そのひと言で「実は、あっち」と変えられてしまうわけですから、インパクトも大きく、読者にも強い印象を与えることができます。譲歩から本音へのつなぎでも使えますし、非常に重宝するものです。

しかしそれだけに、多用するとメリハリがなくなり、逆接の持つ力強さも消えてしまいます。さらには主張が二転三転しているようにも思われてしまい、説得力に欠ける文となってしまいます。


・依頼文(中略)

本題に入るまでの時間が長ければ長いほど、社交辞令の部分が多ければ多いほど、結局相手の時間を奪ってしまうことになってしまう(中略)

文章上達の大原則------礼儀と本題のバランスに気をつける

依頼文で重要なのは、礼儀と本題のバランスです。礼儀:本題=1:2~1:4くらいのバランスで収めるとよいでしょう。目的は相手をおだてることではなく、依頼を受けてもらうことなのですから。


●書籍『伝えたいことが正しく伝わる文章のルール』より
後藤 武士 著
こう書房 (2009年6月初版)
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