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佐藤 啓二 氏 書籍『売れ続ける理由』(ダイヤモンド社 刊)より

このページは、書籍『売れ続ける理由』(佐藤 啓二 著、ダイヤモンド社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・お客様は季節の旬のものを一番食べたいのよね。旬の具材を入れた炊き込みご飯や、具材を組み合わせた商品を出すと、お客様の目を引くわよ

※専務 小平澄子氏談


・おはぎは「秋保おはぎ」の名称で、1日平均で5000個、土日祝日には1万個以上、お彼岸の中日には2万個が売れます。そのほとんどが店頭販売、手づくりなのでこの個数が上限です。


・大きな声では言えませんが、さいちのお惣菜の原価率は60%、普通のお店よりずっと高いのですが、ロスゼロを実現しているので、40%は利益になります。


・不思議なことに、さいちは周囲に大型スーパーやコンビニといった強力なライバル店ができるたびに、売上も利益も伸びていきました。スーパーやコンビニにいらしたお客様が、「せっかくここまできたから、さいちに寄っていこうか」と足を延ばしてくれるからです。業界の常識からすれば非常識かもしれません。


・2002年に「秋保おはぎ」の新聞広告を出したことがあります。新聞の全10段を使い、真ん中に実物大のおはぎがポツンと1個あって、すぐ下に<原寸>とのただし書き。他には右下に小さく「秋保おはぎ」のロゴと店名、住所、電話番号、営業時間などをほんの小さな文字で入れてあるだけです。(中略)


本当は「秋保おはぎ」の名前会社の名前も一切入れずに、「おはぎの原寸大写真だけで出してほしい」とお願いしました。「おはぎはこれだ!」ということを知ってもらえればいい、会社の名前を知ってもらう必要はない、素直にそう思ったからです。(中略)


広告代理店にも新聞社にも、「こんなことは前代未聞」と呆られたほどです。
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※画像は書籍『売れ続ける理由』の中から


・命の恩人と出合った(中略)「ダイユー」の大林勇社長


・現在は惣菜部門に30人いて、うち10人がおはぎを担当


・「家庭の味」だから添加物は一切使わない(中略)

よく「××産使用」とか「完全無農薬」を謳い文句にしている商品を見かけますが、結局それは「材料を売り物にしている」ことにつながりやすいのです。「この材料だから」という理由ではなく、「おいしいから」と言ってお客様にリピーターになっていただけてこそ、本物ということではないでしょうか。


・おはぎは無添加なので日持ちしません。「お土産用」として全国に持ち帰られ、もし古くなったものを食べられてしまったら困るのです。


・おはぎとお惣菜では役所の許認可が違い、おはぎは菓子関係、お惣菜は飲食関係となります。ですから、おはぎとお惣菜の調理場はドアで分離して、それぞれに許可を取っています。


・1回に店頭に並べるお惣菜は、同じ種類のものはだいたい10パックほど、少ないものは5パック、多くても20パックほどです。また、家族構成によってほしい量が違うので、それぞれ大中小の3種類用意するようにしています。


・お惣菜の中で特に人気なのは、「五目煮」です。


・時間が経っても、おいしい理由(中略)

煮物は大きな鍋で煮ていますが、「よく煮えて、つゆが染み込んだな」と思っても、鍋は傾ければつゆが多少見えてきます。ここで鍋から大根を引き上げて扇風機にかけて冷ますと、大根は冷めてきてシワシワになります。実はこの状態は大根が「水分がほしい」と言っているサインなのです。そこに鍋の底に残っている熱いつゆをかけてやると、スーッと喉の渇きを潤すようにつゆが大根に染み込んでいく。この繰り返しで大根に味を染み込ませていくのです。


・伸びる人とは、素直に人の話を聞く人、そしてきちんと質問できる人です。質問ができなければ、いつまで経っても仕事を覚えることはできません。


・人は反省がなければ成長しないのです。


・「正しい」という字は、五感の集約です。そのひとつが欠けても「正」という字にはならないのです。忙しいからと言って、少しでも手抜きがあったら、商売として正しくない。正しくない商売は絶対に長続きしません。


・さいちの企業理念、行動指針、誓いの言葉


朝礼に持参して下さい


企業理念 (朝礼出席者全員で唱和)

わたしたちは、株式会社佐市での仕事を通じて、地域の皆様に物心とものの豊かさを提供します。


行動指針 (日常の業務遂行指針)

①商品サービス:わたしたちは常に新鮮な食品と情報を提供します。

②固定客づくり:わたしたちはお客様の立場にたって考え、真心をもってサービスします。

③チームワーク:わたしたちは和と協調と思いやりの精神で仕事をします。

誓いの言葉 (朝礼出席者全員で唱和)

わたしたちは、お客様に笑顔で、心をこめて『いらっしゃいませ』『ありがとうございました』のあいさつをすることを誓います。


あいさつは歓迎の気持ちを伝え、元気なあいさつは気持ちの良いものです。あいさつが気持ちの良いお店は、お客様も気持ち良くお買い物ができます。お客様をファンにしましょう。


伝達・報告

  ・社長指示  ・各部門伝達、報告  ・その他  など


今日も『笑顔』でで『さわやか』にお客様をお迎えしましょう


・経営者や上司が従業員をほめるときは、「よく売れたね」ではなく、「よくできたね」「よくがんばった」という言葉を使うほうがいい


・なぜ、ライバルにもタダで企業秘密を教えるのか?

むしろ勉強させていただいているのは、私たちのほう


これまで「さいち」には、スーパやデパート、食品関係会社など、全国各地から600社以上のそうそうたる企業の方々が研修や視察に来られました。(中略)


そもそも人に教えるためには、こちらがしっかり勉強しておけなければいけません。それが私たちの力を伸ばしてくれているのです。


・自分で考えて一生懸命いいものをつくろうという姿勢でいらっしゃる会社もあれば、「何かいいものがあったらうちでも作ろう」と、売ることしか考えていない会社もあります。自分で考えてつくろうという姿勢のない会社ほど、相手を潰しにかかる姿勢が強いような気がします。


・1979年にスーパーを開店してから、毎日欠かさずにつけている「対照表」と呼んでいるノートがあります。書いてあるのは、日付と曜日、天気、最高気温と最低気温、客数、その月の客数の累計、売上、その月の売上の累計、そして特記事項です。(中略)過去からの継続は、現在をきちんと把握し、未来を予測することに役立つのです。


・お惣菜の売値は専務に任せていますが、私はいつも「あまり利益を取るな」と言っています。粗利益は40%に抑え、その分安くお客様に提供しているのです。


他のスーパーでは原価率を45%程度に抑え、粗利を55%くらい取るのが普通ですから、さいちの粗利率は低すぎるくらいでしょう。でも、結論から言うと、それでも十分利益が上がっていますし、他の店よりも利益率はずっと高いのです。


・誰も見向きもしない「規格外」も、全部使い切る精神で(中略)

さつまいもも規格外の大きなものは、農家の方が「出荷できないから」と言って、収穫せずに枯らして肥やしにしていました。「それではもったない」と思い、私は市場の問屋さんにお願いして、「全量買い上げるから」と言って、普通のさつまいもの3分の1の値段ですべて買い取るようにしました。農家さんにとっても、もともと捨てていたものがお金になるのですから大喜びです。


・「添加物は使わない」という意味での「安全」が原則です。添加物については、安全の範囲ならいい、法律違反にならなければいいという考えは取りません。なぜなら、昔ながらの食べ物には添加物は使われていなかったからです。(中略)手間の部分を補完してくれたのが化学調味料や添加物でした。


・問屋さんも小売屋さんも「共存共栄」。こちらの姿勢がそのまま相手に映し出され、それが結局は自分に返ってくるのです。(中略)利益を先に考えなくても、利益はあとから必ずついてくる。


・経営者みずからが背中を見せる(中略)

朝5時頃に起き、自身の健康にために、1時間ほどかけて高箒(たかぼうき)で店の周辺の道路を掃除します。


・(※息子が)28歳のときに「雇ってもらえますか」と電話を寄こしてきました。「継ぎたい」ではなく「雇ってもらえますか」という言葉に長男の覚悟というか、思いを感じたものです。しかし、私はすぐにウンとは言いませんでした。(中略)ある程度年齢が行ってしまうと、それまでの経験から来る先入観が邪魔してしまい、その仕事に同化しにくくなる場合があるからです。


・「共存共栄」こそが、みんなが幸せになれる唯一の哲学(中略)

結果的に見れば、ライバルを潰そうとした側が撤退して、ライバルになるはずのスーパーやコンビニが出店するために売上が伸びてきました。問屋さんや農家さんとも共存共栄で、まず相手を信頼し、相手もきちんと商売をやっていけるようにすることで、結果的にうちにとって最適なものを工夫して納めてくれるとうになり、何も言わなくても値段を下げてくれる。


・ダイユーさんとの出会いがなければ、いまのさいちは絶対にありません。本当にどれだけ感謝しても感謝しきれないのです。

※参考:「ダイユーさん」とはおそらくここ


●書籍『売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法』より
佐藤 啓二 著
ダイヤモンド社 (2010年9月初版)
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