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下村 昭夫 氏 書籍『本づくりこれだけは』(出版メディアパル 刊)より

このページは、書籍『本づくりこれだけは』(下村 昭夫 著、出版メディアパル 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・本の原価と定価の考え方

(1)本の原価構成の要素

本のコストを分析すると、直接費と間接費に分けられる。(中略)

---直接費---

固定費:組版費、製版費、図版費、装幀費、編集経費など。(部数に関係なく掛かる費用)


変動費:印刷費、製本費、材料費など。(部数にほぼ比例して増減する費用)


印税 (原稿料)


---間接費---

販売費、宣伝費、倉庫料、運送料など。

間接経費:人件費、福利厚生費、事務用品費、交通旅費、通信費、減価償却費、損害保険料、家賃、地代、金利など。


(2)定価計算の手順

本の定価(本体価格)の決定要素にもさまざまな要素があるが、一般的には、発生費用を積算するコストプラス方式が主流で、直接製造原価の2.5倍~3倍程度を目安に決定されるケースが多い。いい換えれば、初版の原価率は45%程度、重版の原価率を35%程度とするケースが多い。


次に考慮されるのが、購買意欲や類書の市場価格から、逆算して定価を考えるプライスライン方式で、この二つの要素の兼ねあわせで、本の定価(本体価格)が決定されることが多い。


・製本―上製本(本製本)

   ―並製本(仮製本)


上製本(本製本)―丸背―厚表紙―みぞつき
              ―つきつけ

          ―薄表紙

       ―角背(角山)―厚表紙―みぞつき
                 ―つきつけ

          ―薄表紙


並製本(仮製本)―切りつけ―小口折り


・雑誌の特徴

出版ニュース社の『出版辞典』によると、雑誌(MAGAZINE)とは「一定の編集方針の下に、種々の原稿を集め、定期的に刊行される冊子」と定義されている。英語のMAGAZINEには、「弾薬庫、火薬庫、倉庫」などの意があり、転じて「知識の倉」から、マガジンという概念が生まれた。


またMOOKとは、「MAGAZINE+BOOK」から派生した造語で、「書籍風の雑誌」を意味し、多くのビジュアルなMOOKが発行されている。


・印刷の三大組版と5要素

出版物を印刷するには「原稿、版、印刷機、紙、インキ」の五つの要素が必要である。印刷物には、目的に合った適切な「組版方式」と「印刷方式」を選定する必要がある。(中略)

(1)活版(凸版)印刷 (中略)
(2)グラビア(凹版)印刷 (中略)
(3)オフセット(平版)印刷


・文字組版(中略)

日本で使用されている活字の大きさの単位は、ポイントであり、1ポイントは0.3514ミリからできている。1ポイントは、1インチの約72分の1に相当し、1インチの約6分の1は、1パイカと呼ばれ、12ポイントに相当する。


●書籍『本づくりこれだけは~失敗しないための編集術と実務』より
下村 昭夫 著
出版メディアパル (2009年5月初版)
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