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岡田 尊司 氏 書籍『愛着障害~子ども時代を引きずる人々』(光文社 刊)より

このページは、書籍『愛着障害~子ども時代を引きずる人々』(岡田 尊司 著、光文社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・親を求めるがゆえに(中略)

どんな理不尽な仕打ちをされようと、子どもは親を愛し、求めようとする。そのため、深く傷つきながらも、親を責めるのではなく、むしろ自分を責める方向に向かう。自分がダメな子だから親は愛してくれないのだ‐‐‐‐‐‐そう考えて納得しようとする。


・子どもの四つの愛着パターン(中略)

エインスワースは、「安定型」「回避型」「抵抗/両価型」の三つに分類したが、その後メインとソロモンによって「混乱型」が加えられ、合計四つのパターンに分類されることが多い。安定型以外の三つのタイプは不安定型と呼ばれる。


・大人の愛着スタイルは、診断法により多少違いがあるが、大ざっぱに言って、安定型(自立型)、不安型(とらわれ型)、回避型(愛着軽視型)の三つに分けられる。


・出産前後、うつを経験する女性の割合は三割程度とされ、そのうち半数は「うつ病」と診断されるレベルである。また、子どもが〇才から十二才までの間に、母親の四割がうつを経験するとも言われる。


・愛着障害の人は、些細なストレスに対しても、ネガティブな反応を起こしやすい。このネガティブな反応には、大きく二つのパターンがある。一つは、ストレスを自分に対する攻撃と受け止め、すぐさま反撃行動に出るというものである。(中略)


もう一つの反応パターンにつながっている。その典型的なものは、うつや不安である。自分を責めて落ち込んだり、悪い結果を予想して不安になったりするものである。


・愛着障害の人にみられやすい犯罪行為の代表は万引きや盗みである。ルソーに盗癖があったということは、子どもにみられる盗みが、単に叱ったり罰したりして済む問題ではないことを示している。(中略)


盗みは、愛情を得る代表行為になっていたり、愛情を与えてもらえないことを仕返しとして行われることもある。さらに、拒否されたというひがみが強くなると、次のケースのように、恵まれない境遇にある自分の当然の権利として、あるいは、反抗の証として、確信犯罪的に人の物を盗るようになる。


・独創的な創造性との関係(中略)

作家や文学者に、愛着障害を抱えた人は、異様なほどに多いということである。夏目漱石、谷崎潤一郎、川端康成、太宰治、三島由紀夫という日本文学を代表する面々が、一様に愛着の問題を抱えていたというのは、驚くべきである。ある意味、日本の近代文学は、見捨てられた子どもたちの悲しみを原動力にして生み出されたとも言えるほどである。


・愛着障害の人には、自己への徹底的なこだわりをもつ場合と、自己を超越しようとする場合がある。実はその二つは、表裏一体ともいえるダイナミズムをもっている


・漱石の苦悩の正体(中略)

漱石は、自分ことを表現するのは、とても不器用だった。それゆえ、文学作品という体裁をとって、間接的に自分の傷ついた心を表そうとしたとも言える。漱石の作品は、いかに自分の正体を見破られないように隠蔽しつつ、かつ自分を表現するかという二つの相反する要求の微妙なバランスの上に成り立っていた。


●書籍『愛着障害~子ども時代を引きずる人々[Kindle版]』より
岡田 尊司 著
光文社 (2011年10月初版)
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