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山田 洋次 氏 書籍『映画をつくる』(大月書店 刊)より

このページは、書籍『映画をつくる』(山田 洋次 著、大月書店 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・同じ映画を見ていても、観客の全員がまったく同じイメージをいだくということはあるはずがありません。(中略)大事なことは、そうした違いをふくみながら、全体としてある大きな方向に向かって想像力がゆたかにふくらむことだと思う。


・私の子どもが小学校二年のとき、「きょうレントゲンうつしてきた」という。「どうだった」って聞くと、「ハイ、うつしますっていうからニコッと笑ってやった。そうしたら先生がレントゲンのときは笑わなくていいよっていった」。こんな話を聞いて笑いながら、これは寅さんに使えるな、と思うわけです。


・ビバリー・ヒルズのチャップリン邸の書斎は、小さな図書館のようであった、というのは有名な話であり、かつてチャップリンのもとで助監督として働いたことのある牛原虚彦氏は、その書斎にこっそり忍びこんで書棚を見たところ、マルクス、エンゲルスの著書までがズラズラッと並んでいた、という話を私は牛原虚彦氏から直接うかがったことがあります。(中略)この人がどれほど勉強ををしたか、ということがよくわかります。


・作品をつくるうえでもっとも大切なことは、一言でいえば、どうしてもそれをつくりたいという気持のようなものだと思います。それはモチーフとも、あるいは衝動どもいわれるものですが、しかしそれは、言葉ではとても説明しにくい内容のものです。


・脚本を書くにあたっても、たとえ三分の二まで書いたとしても、待てよ、この本はやり方が違ったのではないかと思ったら、即座に最初から書き直すぐらいの精進をもたなくてはいけないと思います。


・私が大事にしたいことは、自分の書く脚本、自分の演出についてつねに疑問を投げかけていく、ほんとうにこれでいいのか、間違っていないかと疑いをもちつづける精神です。大天才でもないかぎり、これが最高の表現で、これ以上のものはない、というものはけっしてつくりえないのです。


・批評家は自分の物差しをもって作品をはかるな、つくり手の物差しを取出して、その物差しで作品をはかれ------ということは、批評家はひとついい批評をして読者をおどろかさそう、などというつまらぬ私心があってはならない、相手の作家の立場にたって、その作家の成長のためにだけ発言すべきだ、ということです。

・私たちは自分の尺度でものを見るのではなく、観客の尺度でものごとを判断し、観客の言葉で表現することに徹しなければならない。己れを語ろうだの、素人をおどろかそうだのという私心からものをつくるぐらい恥ずかしいことはないのであって、ただひたすら観客の幸福を念じながらつくりあげるべきである。


●書籍『映画をつくる』より
山田 洋次 著
大月書店 (1978年1月初版)
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