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森岡 寛 氏 書籍『社長のための 黒字の教科書』(ダイヤモンド社 刊)より

このページは、書籍『社長のための 黒字の教科書』(森岡 寛 著、ダイヤモンド社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・「財務体質の改善に成功し、黒字会社になる」ためには、以下の三つが重要であることを確信しています。

まず大事なのだは、経営者の心構えです。(中略)
二つ目は、損益管理です。(中略)
三つ目は、資金管理です。


・あなたの会社が儲からない17の理由

儲からない理由01 経費や交際費の使い方がルーズ
儲からない理由02 経営者が絶対黒字にするという覚悟がない
儲からない理由03 自社の経営理念や存在意義が明確でない
儲からない理由04 費用対効果を考えずに欲しいと思ったものを買ってしまう
儲からない理由05 公私混同する
儲からない理由06 売上の数字ばかり見て、利益やキャッシュを見ない
儲からない理由07 困ったら銀行から借りればよいと思っている
儲からない理由08 自社商品の選別ができていない
儲からない理由09 月次残高試算表の完成が遅い
儲からない理由10 毎月の経費を均一化できていない
儲からない理由11 帳端管理ができていない
儲からない理由12 在庫は決算の時しか把握していない
儲からない理由13 どの勘定科目で、どの経費が処理されているかがわからない
儲からない理由14 勘定科目の内訳が把握でてきていない
儲からない理由15 経理業務がブラックボックス化している
儲からない理由16 資金管理の目的が不明瞭
儲からない理由17 銀行口座を必要以上に作りすぎている


・社長力判定テスト(中略)

『私の会社の社員は、私(社長)から見て□点です』(中略)

この点数、この質問が指し示す答え、実は外でもない「あなた自身の点数」なのです。いわゆる「鏡の法則」ですね。


・経費や交際費の使い方がルーズ(中略)

例えば、中小企業では年間800万円以下の交際費については全額、損金への算入が認められています。しかし、これは税務上の制度であって、その枠を自社の財務体質を無視して、フル活用してもよいというわけではありません。


・公私混同する(中略)

「会社の利益につながる経費以外の領収書は、経営者が自分で破り捨てる」ということです。


・売上の数字ばかり見て、利益やキャッシュを見ない(中略)

会社にとっては売上も当然大切ですが、事業を継続するいう点で考えると、より重要になってくるのは、利益であり手元資金(キャッシュ)です。


例えば、収益性(どれだけ効率的に儲けているか)の面で判断する場合、次の2社では、どちらがより儲かっているでしょうか?


●年商100億円で経常利益が1億円のA社
●年商10億円で経常利益が5000万円のB社


経常利益の額だけ評価すると、A社がより多くの利益を稼いでいます。でも、売上高経常利益率(=経常利益÷売上高×100)という収益性の指標で評価してみると、A社が1%なのに対して、B社は5%の利益率で稼いでいることがわかります。(中略)


大切なのは、いかに効率的に利益を稼いでいるかです。


・クロッシングとは、「攻める」「守る」「育てる」「捨てる」の4分類で自社商品のポジションを決定する方法です(中略)


このクロッシングにより、自社はどの商品に力を入れていくべきか、逆に、どの商品の取り扱いを縮小する、もしくはやめるべきかが明確になります。


・月次残高試算表の完成が遅い(中略)

「あと1件、請求書が来ないから試算表が完成しない」ということでした。それで、その取引先の毎月の請求額をみると、ほぼ定額で請求が来ていることがわかりました。しかも月商1億円ほどの会社ですが、その請求額は1万円程度です。


そこで、以下のように対応することにしました。

①取引先には、当社の経理処理に協力してもらうため、毎月○日までに請求書を送ってもらう

②取引量が少なければ、納品書ベースでの数字を概算値で計上する

③仮に修正が必要になれば、翌月以降に差額を修正する


・月次残高試算表の完成が遅い(中略)

「体重計に乗って、結果がわかるのが2か月後とかだと、乗る意味ないですよね? それよりもほぼ正確な数字であれば、体重計に乗った直後にわかったほうがいいでしょ」


・売上至上主義の会社が行き詰まる理由(中略)

営業社員の業績を評価するに当たっては、売上だけを軸にした評価には限界があります。(中略)


売上だけを判断基準とした場合、本来会社の利益や資金繰りに貢献している社員が冷遇され、逆に、本来は会社に貢献していない社員が貢献社員という間違った評価が行われてしまうことになります。


・よく、売上不振が原因で倒産したいう話を聞きますが、それは間違いです。正しくは、①利益を出せずに赤字になってしまったことと、②手元資金が底を突いたことで倒産したというのが正確な答えです。


会社は売上でなく利益、そして手元にキャッシュがあることで事業を継続していけるのです。


・資本回転率を高める
お金を早く回収する


・無税の範囲で稼げる金額には上限がある

パートタイマーで働く人の中には、年収103万円を超えたくないという方がいらっしゃいます。なぜなら、年収103万円を超えて所得控除がない場合、所得税を支払う必要が出てくるからです。(中略)


ところが、(中略)税金や社会保険料等を支払った後の手取り額が年間200万円の人と、無税で年間103万円の人を比べると、どうなるでしょうか。


200万円の場合は、5年で1000万円に到達しますが、103万円の場合は、実際に1000万円に到達するためには、約10年の歳月が必要になります。


・3種類の節税対策(中略)

②お金の支出が1回限りの節税(中略)

例えば、会社の業績が良い場合に限り、従業員を対象に行う決算賞与の支給などもこれに該当します。


なお、決算賞与については、決算日までに賞与を受給する従業員全員に賞与金額を伝達、決算日以降1か月以内に賞与を支払う、賞与支給を通知したその期に経費計上を行う、といった条件があります


・利益とキャッシュの双方を増やしていくことが「会社が儲かる」ということであり、同時に安定した財務体質に近づくための大原則です。


・中小企業の場合は大手上場企業と異なり、あまり増資という選択はしません。その理由は、主に以下の5つが挙げられます。

①他から資本を入れることが少ない(入れたくない)
②オーナー自らが投資をして毎期継続的に安定した配当をもらうという習慣が少ない
③増資をすると、増資後の資本金や従業員数で税額が決まる均等割額(利益に関係なくかかる法人住民税)が上がってしまう
④登記費用が発生する
⑤増資ではなく、必要な時に役員が個人として会社に貸付を行う


・赤字事業に対する線引きを明確にする(中略)

事業を行うということは常に赤字のリスクを抱えることでもあります。しかしながら、実際にどこまで赤字を出したらその事業から撤退、縮小、売却、といった行動を取るべきか? その判断基準が決まっていないケースが大半です。


・会社として事業撤退ル-ルを定めることです。これには主に以下の2点が挙げられます。

①累計損失額をあらかじめ決めておく方法(中略)

②初期投資額を限度額とする方法
これはカンパニー制と呼ばれる手法


・赤字は経営者の責任、黒字は社員と取引先、お客様のおかげと思わない限り、業績は向上しません。


・経営者が経営判断を行うには、予算実績対比に加えて、以下の二つの資料が必要になります。


①昨年度対比(中略)
②前月度対比(中略)


・三つの比較資料で自社の現状分析を行う

この2点に加えて、予算実績対比資料の三つの比較資料で、自社の現状分析を行ってください。

※補足:この2点とは、①昨年度対比と前月度対比のこと。


・キャッシュフローを語るうえで大切なのが「先にもらって、後に支払う」スタイルを確立させることです。


・在庫の削減、回転速度を高める(中略)

経営者の中には「確かに在庫ですけど、これは売れたら利幅が大きいんですよ」と言う人もいます。この言葉は、言い換えれば「売れない限り、在庫保管コストを抱え続けています」とも読み取れます。


・キャッシュフローを意識している会社の共通点は、以下の通りです。

①社員が立て替えた経費は、締め日で集計して翌月の給与振込時に一緒に清算
②商品・材料を取引先から仕入れる場合は、掛け取引に集約
③インターネットでの商品・材料購入はクレジットカードで決済(中略)

言い換えると、支払いが合理的に後に回されている


・取引先件数をまとめる

1円でも安い商品を追い求めて、数多くの取引先とお付き合いしている会社を見かけることがありますが、

①自社の仕入金合計が把握しづらい
②請求書、納品書、支払いの管理が煩雑になる
③自社の仕入債務残額の合計額を即座に把握しづらい

という点から、基本的にあまり奨励していません。


・世界トップのHDD用の精密小型モータメーカーである日本電産。


●書籍『社長のための 黒字の教科書~小さな会社の財務改善70のテクニック』より
森岡 寛 著
ダイヤモンド社 (2014年1月初版)
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