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三宅 秀道 氏 書籍『新しい市場のつくりかた』(東洋経済新報社 刊)より

このページは、書籍『新しい市場のつくりかた』(三宅 秀道 著、東洋経済新報社刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・三菱重工業の名古屋の航空・宇宙部門の方と会う機会がありました。(中略)その部門で、人口衛星姿勢防御用の超高性能のジャイロを開発したものの、あまりにも高性能だったのでなかなか他の使い道が見つからなかったといいます。


困っていたところへ、イタリアのフェレッティ社から引き合いが来て、同社製造の超豪華クルーザーの横揺れ防止に、そのジャイロが使われたそうです。


しかも、そのジャイロが使われるのは、クルーザーの航行中ではなく、港で停泊中に船上パーティをする、そのパーティでワイングラスに注いだワインがこぼれないようにするためでした。


・近い過去においても、インターネットやGPSがもともとは軍事技術として開発された事例があります。


・冷戦が終わって、インターネットの通信技術が民需に転用され、民間でも気楽に使えるようになりました。しかし、それを利用してどのように価値を生み出すか、その用途がうまく開発されなければ、ただその高容量の電話線とあまり変わらず、事業化しても採算が取れないので、インターネットはここまで普及できなかったかもしれません。


・市場創造までの四つのハードルについて説明します。まず一言でいうと、新しい市場をつくるのは、新しい暮らし方、つまり文化であって新しい技術ではありません。(中略)


「トイレでお尻を洗いたい」と思っていた方は、どれほどいらっしゃっるでしょう? 昔はお尻をトイレで洗わないことが当たり前で、ウォッシュレットが当たり前だとは思わなかったですよね。


・市場創造の4フェーズ

①問題開発  トイレでお尻を洗いたい!
②技術開発  温水器とポンプをつくろう!
③環境開発  トイレに電源をつなごう!
④認知開発  社会に良さを広めよう!


・ライフネット生命が提唱するしあわせ(中略)

確かに生命保険商品を買おうとする人は、家族を大事にしようとする人に違いない。家族が大事であればこそ、自分の身に万一のことがあたっときに備えて、遺される家族の生活に配慮して、生命保険に入ろうとするわけです。


・二人の靴のセールスマン

二人の靴のセールスマンがいた。セールスマンたちは同じある南の島に派遣された。二人がそれぞれ本社に連絡をした。一人のセールスマンは連絡した。「この島は靴の市場は非常に有望だ。なぜなら住民は誰も靴をはいていない」


もう一人のセールマンは連絡した。「この島の靴のマーケットは絶望的にありえない。なぜなら住民は誰も靴をはいていない」(中略)


ライフスタイルというのは変えようと思えば、もしかしたら変えられるんじゃないかという見方と、そんなものは変えられっこない、という見方の違いと考えるべきです。


・何かの物体が価値を持っているか否かは、それを見る人の認識に依存するのです。煎じ詰めると、価値とは、認識上の現象なのです。


・現在のところ、プールに入るときに、男女とも水泳帽をかぶるのが一般的という風習は、実は世界でまだ日本にしかありません。外国ではほとんど存在していない風習なのです。しかし。これは実は一九七〇年頃から少しずつ日本に広まり出した、若い風習でしかありません。それ以前は、プールで水泳帽をかぶるのは、髪の長い女性か、水球の選手くらいのものだったのです。


では、どのようにして、いつの間にか私たちはプールで水泳帽をかぶることを当たり前と思うようになったのでしょうか。それは、ある企業(中略)当時はまだ従業員が数人だった、磯部商店という小規模家族企業によってなされました。

※参考:現在は、フットマーク株式会社と社名を変えています。
http://www.footmark.co.jp


・「小さな組織=ステータスが低い組織」という先入観になって、その小さな組織から学ぶことがある、ということ自体が屈辱だと感じられるような対応をする人は、実は多くいます。


たとえば、ビジネスマンとして経営学を学ぼうとする人たちでも、つき合っている知り合いの職場を規模でランクづけして、交流範囲を選ぶような人たちというのは少なくないのではないでしょうか。


・フードコートをカイゼンする(中略)

ショッピングセンターのフードコートにあるような、バッチ生産でたい焼きを焼く設備では、一度に六つセットで焼けるので、労働生産性は高くなります。それに対して、柳家の職人さんは1個ずつつくっていますが、一見したら、いかにも面倒です。なんでこんな面倒なことをやるのでしょうか? それは手間がかかっても、食べると美味しいからです。皮がサクッとしていて中の粒餡がしっとりしています。


・商品の価値は、置かれている環境との相性によって高くも低くもなり、ついてはゼロにもなることがあります。極端な比喩を使うならば、私たちがもしタイムスリップして江戸時代に行ってしまったとしたら、たちどころに家電製品は使用できなくなります。(中略)商品の価値を支えているのは社会であり、社会を支えているのは商品です。これらは壮大な相互依存の中にあります。


・小林一三のしあわせ構想(中略)

小林は阪神間住民たちの余暇も開発しました。都心のデパートとは反対側、郊外のターミナルには、温泉を開発し、遊園地と動物園をつくり、家族連れが楽しめるようにしました。


・ハーレー販売店を訪れてインタビューをすると、(中略)バイクの姿かたちを鑑賞するうえで、それが最も美しく見える角度というのはどこか。お店の方の経験則からいうと、左後方からハーレーに近づくときに、艶めかしいフレームとシートが描く曲面が見える、その「寝姿」が一番美しいんだそうです。ちょうどライダーがバイクにまたがろうと近づくときの風景になります。


・「あんたが遊びで乗るバイクがうるさいから、あたしが近所の奥さんに会ったときに気まずいじゃないの」(中略)


そこで当時HDJ(※ハーレーダビットソンジャパン)の社長だった奥井さんは、アメリカの本社と交渉して、日本向けのハーレーは日本の厳しい騒音基準に対応した設計にさせました。そして販売店に対しても、純正のマフラーをつけたバイク以外は整備しないという方針を徹底させました。


・「外圧」を使いこなす(中略)

奥井さん(※当時ハーレーダビットソンジャパンの社長だった方)は、ハーレーという大型バイクが、顧客にとってより魅力的になるために障害となっている規制を緩和させるために、在日アメリカ大使館を訪れました。そして、大型バイクの免許を教習所で取得できるようにすること、高速道路でのバイクと乗用車の制限速度を統一すること、高速道路でのバイクの二人乗りができるようにすること、この三つの規制を緩和するように、アメリカ国務省から日本政府への働きかけを要請しました。


・アマゾンで本を買うときに、私たちは大変重宝していますが、あのサイトのリコメンド機能で推薦してくるのは、「この本を買った人は、こちらの本も買っています」という、「社会のみんながすでに関連性を認めた関連図書」のみです。


ここでは、他の誰もがそう思わないけれど、自分だけは関連していると思う、新しい関連性の発見ができません。


・どのようにしたら良い商品開発ができるのか、その方法を知りたがる人が少なくありません。(中略)問題はそこにはなく、取り組もうとする問題の設定そのものにあるのだ、と気づくべきでだという点にあるのです。


●書籍『新しい市場のつくりかた』より
三宅 秀道 著
東洋経済新報社 (2012年10月初版)
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