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秋山 哲 氏 書籍『本と新聞の情報革命~文字メディアの限界と未来』(ミネルヴァ書房 刊)より

このページは、書籍『本と新聞の情報革命~文字メディアの限界と未来』(秋山 哲 著、ミネルヴァ書房 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・「情報」という言葉は、もともと中国にも日本にもなかった言葉である。最初にこの言葉を印刷物に使ったのは、森鴎外であるというのがこれまで有力な説であった。森鴎外が、クラウゼビッツの『戦争論』を翻訳して『大戦学理』として出版(1903年)したとき、第6章を「戦争と情報」としたのが最初という説である。


・人類がどのようにして文字を使うようになったか(中略)

その起源は「絵文字」にさかのぼる。世界を眺めてみると、絵文字から始まった文字には、大きく5つの流れがある。エジプト聖刻文字、シュメル楔形文字、漢字につながる甲骨文字、そして、クレタ文字、インダス印章文字である。しかし、クレタ、インダスの2つは早く死滅している。


・現代の新聞社も木版印刷でスタートしていることだ。現在存在する新聞社で一番歴史が長いのは毎日新聞社だが、その歴史は、大阪毎日新聞社が統合した東京日日新聞から起算している。その東京日日の第1号(1872年2月21日)は木版印刷であった。


・書物の出版も盛んであった、「仮名草子」「浮世草子」といった大衆読み物が流行していた。1750年代の後半には出版点数は年間600点に近かった。重要なのは「貸本屋」で、江戸の町には656軒もの貸本屋があったという。この貸本屋が、木版印刷の量的限界をカバーし、また、情報流通コストを低くする役割を果たしたのである。


・産業化した日本の出版業は現在、国際的にどのような位置にあるか、まとめてみる。(中略)


国際的に書籍出版点数を比較すると、1996年のユネスコ統計では、中国が11万283点で第1位である。イギリスが10万7263点、ドイツが7万1515点、アメリカが6万8175点と並ぶ。この時点で日本は5万6221点と報告されている。日本は世界で5位、というところにある。


人口比率でみると、イギリス、ドイツの出版点数が大きい。国際的に流通する欧米書籍とは異なり、日本語の出版物はマーケットが限られるからだ。それを割引して考えると、日本の出版界もかなり健闘しているといってもよいだろう。


・「文字離れ」とか「活字離れ」という言葉は、もともと、「若者がマンガばかり読んで書物を読まない」といった状況を表現するものとして生まれたのである。ところが、いまや「マンガ離れ」である。マンガが売れなくなった


・決して「文字離れ」は起こっていない。(中略)新聞、書籍・雑誌という在来型の文字メディアも、図書館を含めて考えると、着実に情報量を伸ばしている。そこに文書コピー、パソコン文書、コンピュータ文書、あるいは、パソコン通信、インターネットといった、私が新参者と表現した新しいメディアが登場している。急成長するこれら新参メディアを通して、文字情報は大量に流れるようになっているのである。


・日本の新聞社のコンピュータ制作の開発物語は杉山隆男のノンフィクション『メディアの興亡』が詳しい。


・出版社と新聞社の違い(中略)

後藤将之は『マス・メディア論』でこのように述べている。「出版業界の第一の特徴は、新聞業と比較した場合明らかになるが、きわめて多くの分業過程から成り立っているという点に求められる。大手の新聞社が、いわば『1社丸抱え』で保有している設備や機構の多くは、出版においては、おのおのが独立した中小規模の経営体であることが多く、こうした多数の中小企業の連合形態として、出版業界が成立している」


・毎日新聞社には2つの源流がある。1つは、1876年に創刊された『大阪日報』である。(中略)もう1つは、1872年創刊の『東京日日新聞』である。


・出版業界にまず登場したニューメディアは、カセットブックである。1985年に2点発行された。文芸講演ものである。新聞社がキャプテンに乗りだしていたころである。カセットブックが本格化してくるのは1987年からである。


・「新聞社の使命は紙の新聞を発行することではない、紙媒体によるか、電子媒体で伝えるかは単に選択の問題」と言い切る社もある。しかし、これが多数派とはいえない。


・「近未来の新聞像に関するアンケート」(中略)このアンケートは、新聞協会加盟の新聞・通信社の経営責任者、各部門の局長、部次長、キャップ・クラス合計1166人(アンケート送付は2574人)が対象


・新聞販売店は全国に2万1864店ある。従業員数は、新聞少年なども含めると、46万4827人である。紙の新聞を廃止するということは、販売店を全廃することもである。営業補償や失業問題を考えると、新聞社の決断は難しくなる。


・日本中に100を超える新聞社があるが、そのほとんどが明治時代に淵源をもっている。産業史的にみると、異例な業種ではないだろうか。歴史が長いだけではなく、紙面デザインもきわめて保守的である。大部分の新聞社は、一面の右肩に古めかしい書体の題字、というパターンを何十年も維持している。


●書籍『本と新聞の情報革命~文字メディアの限界と未来』より
秋山 哲 著
ミネルヴァ書房 (2003年9月初版)
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