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書籍『編集とは何か』(粕谷 一希 著、松居 直 著、鷲尾 賢也 著、寺田 博 著、藤原書店編集部 編集、藤原書店 刊)より

このページは、書籍『編集とは何か』(粕谷 一希 著、松居 直 著、鷲尾 賢也 著、寺田 博 著、藤原書店編集部 編集、藤原書店 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


●1 総合雑誌  粕谷 一希(中略)

日本の総合雑誌のはじまりを『明六雑誌』と考えるか、蘇峰の『国民之友』と考えるかは意見の分かれるところだろう。私はやはり『国民之友』がはじまりだと思う。


●1 総合雑誌  粕谷 一希(中略)

滝田樗陰は、『中央公論』の地位と盛名を確立した編集者である。蘇峰がはじめ、樗陰が完成したともいえる総合雑誌の型は、同時に、樗陰個人の教養の型を反映したものであった。


●1 総合雑誌  粕谷 一希(中略)

多くの雑誌のなかで、他を抜いて部数を伸ばした雑誌が三つあった。扇谷正造の『週刊朝日』、花森安治の『暮しの手帖』、池島信平の『文藝春秋』の三誌である。


●2 文藝雑誌  寺田 博(中略)

対談・座談会という形式は『文藝春秋』を創刊した菊池寛が考案したといわれる


●人文学芸書  鷲尾 賢也(中略)

タイトル(中略)ただ目さえ惹けばいいというわけでもない。奇抜なタイトルをつければ手にとってくれるわけでもない。読者はそんな愚かではないからだ。中身を体現していて、しかも何となく気になる。あるいは読んでみたくなる。魅力を秘めている。そういう書名を編集者は何十通りも考えるのである。


●流通システムの問題---再販制と委託性(中略)

今の制度は戦後のシステムをずっと守っているわけです、当時はそれが効率よかった。黙っていても本が来る。そして置いておけば誰かが買ってくれる。そういうスタイルで、努力して販売することはほとんどしなくても済んだ。

鷲尾 賢也 氏談


●岩波書店がどうしていい本を出せるのかを考えたのです。考えてみると読者の信頼感があるということが分かりました。岩波の本なら無条件に買う人がたくさんいたわけです。岩波書店には読者、しかもほとんど固定した読者がいる。

松居 直 氏談


●いま浦安には大型書店がいくつもあるそうです。図書館に行く習慣がついた人たちが、今度は自分の目で本を買いに行くことになる。

粕谷 一希 氏談


●講談社では、書籍だけでいうと、新刊(一年以内)と重版の比率は恐らく八対二に近いのではないでしょうか。おそらく岩波でも、似たようなものではないですか。新刊の比率が圧倒的に高くなってきています。

鷲尾 賢也 氏談


・編集者とは、「演出家」であり、プロデューサーと言えるだろう。原稿という材料を読者に向けていかに演出し、出版していくかだ。

藤原良雄 氏談


●書籍『編集とは何か』より
粕谷 一希 著
松居 直 著
鷲尾 賢也 著
寺田 博 著
藤原書店編集部 編集
藤原書店 (2004年11月初版)
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