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トニ・ナダル 氏 書籍『ナダル・ノート すべては訓練次第』(タカ大丸 翻訳、東邦出版 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『ナダル・ノート すべては訓練次第』(タカ大丸 翻訳、東邦出版 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・私は物事を深く考えることができる人物との対話が好きであり、単純な結論に安住しない。内省を重ねて自らの考えをさらに突き止めることができる人物を尊敬している。


・テニスの指導者としても、自分の子供たちや甥に楽しい時間を過ごしてほしいと願ってきた。だが、一時的な楽しみだけが全体を占めるようなことであってはならない。一時的な快楽ではなく、何事かを達成した喜びを子供たちに楽しんでもらいたいと心を配ってきたのだ。


・他人ばかり厳しくして、自分には甘くなるのは誰にでもできることだよ


・「ラファエルよ、顔は心の鏡なんだ。夢がある人は決して憂鬱な表情は見せないものだぞ」


・練習とは、試合という現実に直面するフィクションを重ねていくことだ。大げさな理論だの、スローガンだの、決まりきった練習だのは、そこで満足することはあっても試合では大した役に立たない。試合に向けて必要なのは解決策であり、自問自答であり、やるべくことをやることである。


・修正は、知恵ある者のすることだ


・単純明確さこそが私たちに通底しているもので、大上段に構えたモットーやスローガンでなく、この原則にも届くことで余計な作業を減らすことができるようになった。単純明確とは、私の見方によると、理解しやすいということだ。


・高い目標に到達するには、自分の限界といったものを守ろうとする傾向を排除することが大前提にある。弱みを認識して受け入れること、そして少しずつ乗り越えていくことが肝要だ。上達はつねに続けられる------それが私の信念だ。


・目標を設定する際に、私はつねにふたつの必須事項を加えるようにしていて、これがなければせっかくの道筋も不毛なものになってしまう。


まずひとつ目の必要条件は、目標を高くすることである。(中略)だが、逆もまた注意すべきだ。もし目標が高すぎて到達不能だと感じれば、結局、努力そのものを放棄してしまうだろう。それゆえ、教え子の力量や強さを正確に把握することが非常に重要である。(中略)


もうひとつの必要条件は、目標をつねに改新し続けることだ、これができたからこそラファエルは数多くのタイトルを獲得し続け、最初に成功に安住することがなかったのだ。


・誰か特別な相手の攻略のために研究を重ね、試合のビデオを見続けたと言わせたいのだろう。(中略)


ここで私が強調したいのは、私たちの究極の目標とはラファエルの試合の質を最高に高めることことであり、彼自身の力を伸ばした先に成功がある(中略)いつも戦いの相手は特定のひとりだけだった。戦いはつねに、対ラファエル・ナダルだった。


・コート上で不利な場面でも逆転できるのはなぜか、どうして最小限の可能性に賭けることができるのか。そんなとき、私の答えはいつも同じだ。「それはあいつが慣れているからだよ。いつもやっていることだからね。毎日、困難を克服する練習を重ねているんだよ。もしそうしていなけければ、最大の緊迫感が伴う場面を切り抜けられるはずがない。ずっと続けているから対処できるんだよ」


・甥の人間性についていうと(中略)コートでの激しい戦いぶりから“グラディエーター”というニックネームをつけられたほどだ。その一方で、コート外では攻撃的とは程遠い------そばにいる者は皆知っている。非常に物静かな子供で、節度があった。趣味も釣りやゴルフなどに非常におとなしいものである


・もし困難を乗り越えることに慣れれば、さらに深刻な問題に直面した時でも対処できるようになる。そして問題とは、結局のところ誰にでもつきまとうもので、それはどんな職業であっても人生であっても変わらない。きちんと正しい訓練を積めば、そんな問題にも対処してより効果的に解決できるようになる。


・私は教育者、そして指導者として最も大切にしたいのは言葉であった。あわゆる力量向上、前進、克服、それらはすべて内省を繰り返すことによってまずは形作られるのである。


●書籍『ナダル・ノート すべては訓練次第』より
トニ・ナダル 著
タカ大丸 翻訳
東邦出版 (2017年6月初版)
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