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中野 信子 氏 書籍『人は、なぜさみしさに苦しむのか?』(アスコム 刊)より

このウェブサイトにおけるページは、書籍『人は、なぜさみしさに苦しむのか?』(中野 信子 著、アスコム 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。


・そこで、この感情に一度深く向き合い、より価値的に活かすための機会を提供することを企図して、筆を取ったのが本書です。


・さみしいという言葉を辞書で引くと、「あるべきものが欠けていて、もの足りない、もの悲しい気持ち」ということと、「人の気配はなく、心細いほどにひっそりしている」ということのふたつの意味が記されています。


・政府が行った全国調査によると、孤独を感じている人は、40.3%にのぼるそうです。(令和4年 内閣官房孤独・孤立対策担当室による「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」)。


・無理に抑え付けたり、なかったことにしたりするよりも、「そこにはどんな意味があるのか」を考え、理解していくほうが、この感情をスムーズに扱えるのではないでしょうか。


・さみしさは、誰にでも生じる感情であるものの、対処法を間違えると、怒りや憎しみといったほかのネガティブ感情を誘発して、攻撃性が強まってしまうことがあります。


・さみしさという感情を抑える際に起こりがちな、思い込みや刷り込み、偏見などを引きはがし、上手に取り扱う方法を身につけることが大切ではないかと思うのです。


・さみしさは他人と共有することが難しい感情である


・さみしい人というと、ついひとりでいる人を想像しがちですが、「ひとり=さみしい」とは限りません。(中略)

ひとりや孤独は状態を指す言葉であり、一方のさみしい=主観的な感情だからです。


・さみしいという感情は、人という社会的な生物にとって必要不可欠なものであり、ときに強い痛みを伴うほど強力に発動させることで、人という種を存続させ、進化を果たしてきたと示唆されます。


・赤ちゃんや幼い子どもは、母親の姿が見えなくなったとたんに泣き出し、抱きかかえられると泣き止むことがあります。

ひとりでは生きられないほど未熟な状態であるため、自分を守ってくれるはずの存在がそばにいないことは、いわば大きな生命の危機にさらされている状態です。その危機をさみしさというシグナルで敏感に感じ取り、誰かに守ってもらえるように大声で泣くことで、まわりに知らせていると見ることができるでしょう。


・人が種を残し生き延びるためには、食欲や性欲と同じように、さみしさも意志の力などで簡単にコントロールできないように仕組まれた「本能」であると考えることができるのです。


・さみしさの本質と向かい合っていく。そうすることで、あらためて自分の人生を捉え直したり、それまでにあいまいにしていた自分の本心や勝手な思い込みなどに気づいたりしながら、よりよい人生を歩んでいくことができるのではないでしょうか。


・さみしさはコントロールすることがとても難しい感情です。


・ネガティブな感情は、脳に必要な防御メカニズムであるという知識を持ち、それが発動するのは意味のあることで、発動することで冷静に対処しようとする気持ちのベースづくりができるということを理解することがポイントです。


・さみしさを感じるのは心が弱いからではなく、「孤独な状態は危険である」ことを、脳が不快な感情を生じさせることで知らせている


・さみしいという心の痛みを伴う感情をとおして危機を感じることができたから、人類は生き延びることができたともいえるでしょう。


・ 一説によると、日本では2040年に独身者が人口の5割となり、既婚者は3割に過ぎなくなるともいわれています。もはや、高齢者よりも独身者が多い“ソロ国家“になると想定されているのです。その理由には、自分が結婚したいと思う相手が見つからないことに加え、離婚の増加も挙げられますが、それだけでなく、「選択的な独身」も多く含まれるはずです。


・自分はひとりでいるのが好きで、自らの意思で、ひとりでいることを選んでいても、社会的に、ぼっちと規定されるのは、また別の話なのです。


・「他人に迷惑をかけるな」という教育の呪縛


・「他人に迷惑をかけない人になってほしい」と願う親が、他国と比べてとても多いのです。


・他人に迷惑をかけずに生きようと自分を厳しく律すると、他人に迷惑をかける人に対しても向ける視線は厳しいものになります。「自分は我慢をしているのに、この人はなんだ!」という気になるのです。


・「さみしさにひとりで耐えることが美徳」と考えるのは、わたしは違うと思います。


・わたたちの脳や心は石器時代から変わっていない


・人類は、いまなお、石器と狩猟で生きていた時代と脳も心もほとんど変わっておらず、生活環境だけが先に激変してしまったのです。


・さみしいという感情は、生後3カ月頃から生じると考えられています。(中略)

人間の赤ちゃんは、立ち上がることすらできません。24時間、大人からしっかりと世話を受けなければ生存することは不可能です。

そのため赤ちゃんは、自分を安全に守ってくれる大人がそばにいないと察すると、大きな声で泣いて助けを求めるのです。


・赤ちゃんにとってさみしさを感じる状態は、「誰も助けてくれない状態」、つまり「死」に直結するので、その意味でもさみしいという感情は、生存にとって必要だと考えられます。


・人見知りというのは、自分を守ってくれる人と、守ってくれない人を感じわけている行為なのです。


・赤ちゃんの頃からずっとお気に入りのタオルを手放せないという子どもがいます。いつも同じタオルや人形を握っていないと、不安になってしまうというような子どもです。(中略)

タオルやふわふわしたぬいぐるみなど、肌触りがいいものを触っていると、オキシトシンを生成され、ストレス軽減につながる可能性があることがわかっています。肌触りがいいものは、単に心地いいだけでなく、実際に安心感や癒やしを提供しているというわけです。


・前頭前皮質がしっかりできあがるのは30歳前後といわれるので、10代はもちろんのこと、20代になっても、脳はまだまだ発展途上の状態です。


・さみしさは人間としての成長を促す


・若者がさみしさを強く感じ、自己嫌悪に陥るのは、成長するためには意味があることで、これは人間とって大事な仕組みでもあるのです。

「こんな自分が嫌だ」「憧れのあの人のようになりたい、いつかを追い越したい」という気持ちが高まることで、新しいスキルを身につけようとする動機が強くなり、学習速度も上がります。


・いま現在は幸せだとしても、このままなにも変わらない生活を続けていたら、行動に移さなかったことで失われる未来があるかもしれない。また、自分の人生は、なにごともなくこのまま平々凡々と終わってしまうかもしれない。そういった失われる予感によって、本能的に感じさせられてしまうさみしさがあるのではないでしょうか。


・新奇探索性の強い人は、リスクを冒してでもなにかにチャレンジしようとし、現状に満足せず、あえて厳しい環境へ、刺激を求めるかのように飛び込んでいかずにはいられないという特徴を持ちます。


・「大人だってさみしい」のではなく、「大人だからさみしい」ということが起こってくるのです。


・そう簡単に口に出して「さみしい」とはいいにくい社会にわたしたちは生きています。


・「失われていくもの」に抗う50代


・50代(中略)

筋力も50代から急激に低下しはじめ、五十肩、腰痛など、筋力低下に伴う症状が顕著になってきます。


・50代(中略)

若者ほど元気で未来があるわけではなく、高齢者ほど丸くなってもおらず、諦観しきっているというわけでもない。「最後にもうひと頑張りできるかもしれない!」、そんなこと思って、焦りを感じる人も少なくないだろうと思います。


・ 60代は体力や能力の衰えよりも、むしろ役割を終えるさみしさが強くなっていく時期でもあります。

部長ではなくなり、上司ではなくなり、会社員でもなくなる。こうして少しずつ役割を失っていくことに、孤独を感じてしまうのです。


・「老いのさみしさ」に潜む危険(中略)

老いの悲しみ、失われるさみしさの反動で、自分の能力や経験をひけらかし、説教したり、叱ったり、文句をいったりしがちになるということにも気をつけなければならないフェーズに入っていきます。

こういった傾向が現れてくるのには理由があり、人の精神面に大きな影響与える神経伝達物質であるセロトニンの合成量が加齢により減少してくることで、怒りの感情を抑制することが困難になるのです。

セロトニンは、食事や日光浴でも補うことができるので、バランスのとれた食事や散歩などを心がけるのもひとつの手です。


・さみしさがもたらす危険性(中略)

さみしさを紛らわすために、タバコやお酒の摂取量が増えたり、過度の飲食で太ったりと、生活習慣が乱れることで健康に悪影響を及ぼすのです。

一方で、「孤独でない人」「社会的つながりのある人」が健康寿命を延ばすことが立証されています。

ボランティア、趣味、習いごとなどのグループ活動に参加している人は、そうでない人に比べ、自立した生活を長く維持できるという研究結果が出ています。


・心の弱みに付け込む悪意ある人たち(中略)

心の隙間に付け込んでくるのは、例えば悪徳商法、詐欺、カルト宗教・怪しい新興宗教といったものです。

さみしいとき、無理に誰かとつながろうとすることには危険があることを十分に知っておくべきでしょう。


・騙されてしまいやすい人は、真面目で誠実、努力家で、忍耐強いのが特徴です。


・「脳を使って自分で考える」という行為は、大量のエネルギーを要します。そのため、多くの人は「偏見」「思い込み」「レッテル貼り」「先入観」「ステレオタイプ(多くの人に浸透している固定概念やイメージのこと)思考」などに頼り、手間ひまをかけて思考することを停止し、どこかで聞きかじった意見を、さも自分で考えて決断を下したかのように錯覚しています。


・さみしさを抱えている人は、脳にストレスをかけ続けている状態なので、思考停止に陥り、騙されやすく、支配されやすい面があることを認識しておくべきでしょう。


・さみしさからの避難は依存症を招く


・さみしさを埋めるために、過食、お酒、薬物、ギャンブル、ゲーム、買い物、セックスなどに依存してしまうこともあります。


・さみしさは、誰にでもある感情です。(中略)

それを一時期的に忘れようとして、目先の快楽に溺れる生活を選ぶのか、さみしさと向き合って、それさえも人生の豊かさの一側面であると考え自身の糧としていくのか、最初はほんの少しの違いなのですが、長い年月を経る間には大きな格差となって表れていきます。


・人間は、ひとりでいると、ネガティブフィードバックをしはじめてしまうものです。自身の行動を自分で振り返って、褒めたたえるよりもむしろ、厳しくチェックし、ダメ出しをしていくほうが、「安全」だということを学習させられてきたからです。


・「他人に依存して生きることを恥ずかしい」「人生最後はひとりなのだから孤独から逃げてはいけない」などといわれると、本当に誰かに頼らなければならないときに、声を上げられなくなってしまう。


・「ローンウルフ」と呼ばれる存在がいます。組織に属さず過激化してテロを起こす個人のことを指す言葉です。こうした個人の感情を支配しているものの、一端に、「社会から拒絶されているかのようなさみしさ」「理解してもらえないさみしさ」があると考えるのは不自然とはいえないのではないでしょうか。


・「ローンウルフ」と呼ばれる存在がいます。組織に属さず過激化してテロを起こす個人のことを指す言葉です。(中略)

こうした過激な行動も、「誰かに自分の存在を認めてほしい」「振り向いて欲しい」という感情の発露といえるのではないでしょうか。


・さみしいという感情は、「弱いもの」「繊細なもの」という印象を持つかもしれませんが、ときに非常に強い攻撃性をもって現れるという現実を、改めて考えてみる必要があります。


・さみしいときの居場所として機能してきたもの(中略)

職場には「やらなくてはいけないこと」「明確な役割」「肩書」があり、それさえ守っていれば認められ、居場所を与えられ、孤独になることもなかったといえます。


・「こんな自分はダメな人間だ」などと自分を否定し、さらに傷つけてしまうことがしばしばあるかもしれませんが、そんな気持ちさえも、自分の心に起こったこととして受け止めていくのです。


・さみしさに蓋をするのではなく、その感情をどのように見据え、付き合っていくか工夫していくのです。


・さみしさを感じたときに大事なのは、自分が本当に必要としているのは、どんなつながりなのかを認識することです。


・強いストレスを抱えていると、精神的にはとても疲れているのに、眠れない状態になってしまうことがあります。

そのような人は、考えることに疲れて脳は疲弊しているのに、運動不足によって十分に睡眠の準備ができていないために眠れないという場合があります。そんなときは、運動で体を動かすことが睡眠の質の向上に寄与します。


・大事なのは、ひとりでいることは、まったく不幸でも、同情されるようなことでもないということを理解することです。


・「ひとりでできる趣味」が心の安定をもたらす


・人付き合いのコツは期待も要求も批判もしないこと


・ほどよい距離感で人と付き合ううえで大事なポイントには、次のようなものがあると思います。

●期待したい。
●要求しない。
●批判しない。


・「あなたはどうしてわたしのさみしさを理解しようとしてくれないの?」といった相手を責めるような言い方では、ほとんど相手に伝わりません。相手を責めているその姿だけが印象に残ってしまうでしょう。そうではなく、「わたしはあなたにさみしいという気持ちをわかってもらえず、悲しかった」と、主語を「わたし=I」にして伝えるのです。

相手を非難するのではなく、ただ自分の気持ちを素直に伝えるだけなので、いわれたほうも怒ったり不快になったりしづらく、落ち着いて話を受け止めることがしやすいでしょう。


・多くの人が人間関係で悩むその根底にあるものは、「自分の気持ちが伝わらない、伝えられない」という満たされない欲求でしょう。


・名前を呼ぶだけで一気に親近感が湧いてきたのでしょう。


・元来、心配性で慎重な人ほど、自分ができなくなった、失ったということに敏感で、「できない」「失われる」といったことに強い喪失感を持ってしまうのでしょう。


・メタ認知とは、自分の認知、つまり思考や情動を客観的に見つめることです。わかりやすくいえば、「わたしがさみしがりやであることを、わたしは知っている」ということです。


・客観的なのか悲観的なのか、大袈裟な性格なのか控えめな性格なのかーーー。それらを知っておくことで、必要以上に感情に振る回されることが避けられるようになるでしょう。


・ひとりの人間のキャパシティーとリソースという視点から見れば、自分のなかに持っておけるものには限界がありますから、失うからこそ、新しいなにかを得ることができるという見方もできます。


・「何かを失った」と思うタイミングは、「代わりに何かを得ているかもしれない」というタイミングでもあります。


・「頼られないさみしさ」というのは、子どもとの関係だけではありません。友だち、同僚、上司、部下……。人に頼られないというのは、身軽でいられるということでもありますが、頼ってもらえないということは、考えようによっては人に頼れないことよりもつらいことかもしれません。


・さみしくなってしまうという季節があるのも知っておきたいことです。季節の変わり目になりやすいことが多いですが、特に梅雨の季節や、冬に向かって日照時間が減少する秋頃がそれに該当します。


・特に意識したいのが、「トリプトファン」の摂取です。トリプトファンは必須アミノ酸の一種で、セロトニンの原料となるものです。(中略)

トリプトファンが豊富な食品には、次のようなものがあります。

●大豆製品(豆腐、納豆、みそ、しょうゆ など)
●乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ など)
●ごま
●ピーナツ
●卵


・さみしさを感じたら、その感情を否定せず、「このさみしさにも役割があるのだな」と認めてみましょう。さみしいことはみじめだとか、悪いことだという先入観を捨て、さみしさを受け入れていく。さみしさを感じやすいのも、感じにくいのも自分らしさです。


●書籍『人は、なぜさみしさに苦しむのか?』より
中野 信子 (著)
出版社 ‏ : ‎ アスコム
発売日 ‏ : ‎ 2023/8/31
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