森下 真紀 氏 書籍『東京医科歯科大学を首席卒業した名医が教える 世界の一流はなぜ歯に気をつかうのか~科学的に正しい歯のケア方法』(ダイヤモンド社 刊)より
このウェブサイトにおけるページは、書籍『東京医科歯科大学を首席卒業した名医が教える 世界の一流はなぜ歯に気をつかうのか~科学的に正しい歯のケア方法』(森下 真紀 著、ダイヤモンド社 刊)を読んで良かったこと、共感したこと、気づいたこと、こんな視点もあるといった点などを取り上げ紹介しています。
・「日本人はなぜあんなに歯が汚いんだ?」
私がイギリスに留学していた時にさんざん聞かされた質問です。「汚い」には、歯並びが悪い、口がくさい、虫歯がある、銀歯が目立つ……といった全てが含まれています。欧米では歯はその人の育ちや教養を映すシンボル
・日本は未だ「歯科後進国」と言われます。(中略)
その原因の元を正せば、日本の保険制度にあります。日本の国民は3割の負担額で十分なレベルの歯科治療を受けることができます。しかし、一方で、予防的処置には保険はききません。そのため、予防しようという概念は生まれにくく、痛くなってから歯医者に行けばいいだろう、という発想にどうしても偏ってしまうのです。しかし、一度削ったは元には戻りません。抜かれてしまった歯は、二度と口には戻らないのです。
・欧米では、子どもに矯正をさせるのは、親の責務であると考えられているほどです。特にアメリカでは、その傾向は強く、仮に離婚となった場合、慰謝料には子どもの矯正費用も計上されます。それくらい矯正は生活の一部となっているのです。
・日本ではチャーミングポイントにもなる八重歯ですが、欧米においては、八重歯は"不吉なもの"の象徴なのです。
・歯並びの悪さは「貧しさ」の象徴とされ、ネガティブに捉えられています。
・欧米では、歯の汚い人がエリートになるかとはありえません。(本書での「歯が汚い」という表現は、歯並び、歯の黄ばみ、そして口臭といった、口腔全般の悪い状態を指します。)
・「歯をきれいに保つためにお金をかけても良い」と思うアメリカ人男性は86.5%にものぼり、実際、彼らの歯への年間投資金額は平均約3万6000円であることがわかりました。(中略)
なんとアメリカ人男性は日本人男性の約6倍も、歯に投資しているのです。
・「日本人は先進国で最低の歯並び」と76%の在日外国人が回答
・日本人の顎は歯並びが悪くなりやすい骨格をしている
・海外では忌み嫌われる八重歯も、日本では真逆の"チャーミングポイント"という評価でしたから、美意識の基準がガラパゴス。諸外国とは異なった評価基準が育まれたのです。
・日本で歯列矯正が十分に普及しない要因の一つとして、費用が高額であるという点は無視できません。
・歯並びの悪さや八重歯は口臭に直結
・特に注意してほしいのは八重歯です。唇をめくって八重歯を見ると、汚れがべったりと付着していることが少なくありません。さらに悪いことに、出っ歯や八重歯などの場合、唇を閉じようとしても閉じにくいため、口を開いた呼吸をする「口呼吸」をしがちです。
・この口呼吸が曲者です。口呼吸をすると、口の中が渇きやすくなります。そして口が乾くと口臭が一段と発生しやすくなるのです。
・親の所得や学歴が低いほど、子どもの虫歯が多い
・今や国民病ともいわれる歯周病ですが、歯周病予防には、デンタルフロスによるケア、もしくは歯間ブラシによるケアが欠かせません。
・歯の汚れであるプラーク(歯垢)は、歯ブラシ単独では約60%しか除去できない。
・きれいな歯になると、人前で大きく歯を見せて笑うことにも抵抗がなくなり、笑顔はより美しく輝いたものになり、さらに自信のみなぎったものへと変化します。
・子どもの歯並びは親の責任が100%
・ お子さんの歯並びが心配な場合には、小学校に入ったくらいの頃に、矯正の専門医に相談されることをお勧めします。(中略)
実際に一期治療を開始するタイミングとしては、場合にもよりますが、上下の前歯の計4本が永久歯に生え変わった頃が目安となります。年齢としては、7〜8歳くらいです。
・実は、矯正に年齢制限はありません。
・矯正を始める上で守られるべき重要事項として、「歯周病の管理ができている」ということがあります。歯周病のまま矯正治療を開始してしまうと、歯周病を悪化させ、最悪、歯を失いかねません。
・マウスピース矯正です。最も有名なものが、米国アライン・テクノロジー社が提供する「インビザライン・システム」です。これまでに世界各国の800万人を超える患者さんが、このインビザラインを用いて治療を行っており、今後ますます広がっていくものと予想されます。
・一般的なマウスピース矯正のメリットを上げてみますと、大きく3つあります。
1つ目は、見た目や気づかれにくいこと。(中略)
2つ目は、矯正治療を開始する前に、コンピューター上で矯正後の歯並びをシミュレーションすることができるという点です。
つまり、どのように歯が並ぶのかを事前にモニター上で確認し、それに納得した上で治療を受けられると言う点です。
そして3つ目は、矯正治療中でも歯磨きがしやすいこと。(中略)
マウスピース矯正には弱点があります。
矯正治療では歯並びのガタガタ度合いに応じて抜歯を必要とする場合があることは既に述べた通りですが、その場合、抜いた歯のスペースを詰めるだけの大きな歯の移動が必要になります。
しかし、現段階のマウスピース矯正では、そこまでダイナミックに歯を動かす治療には向いているとは言い難く、治療できる患者さんが限定されてしまうのです。
・マウスピース矯正(中略)
「どこでも均一」は嘘、技量不足の歯科医師は避けよう(中略)
マウスピース矯正は歯科医師免許さえあれば、誰でも治療が可能なため、「儲かりそうだ」と矯正治療の経験や技能が乏しいのに、手掛ける歯科医師もいるのです。
・歯科医師は医師とは別の存在とみなす制度に問題があると思いますよ。「他の診療科との協力」は日本の歯科医療の課題です。
出井伸之
クオンタムグループ代表
(元ソニー会長)
・「おくすり手帳」で、こんな古いシステムに依存しているのは日本ぐらいです。
出井伸之
クオンタムグループ代表
(元ソニー会長)
・欧米エリートが歯を大切にしている理由は、以下の3点に集約できます。
●美しい歯は、富、育ちの良さ、ステータスの象徴である
●美しい歯は、自己管理能力を反映する
●美しい歯は、自信溢れる笑顔の発信源である
・「歯が不健康であれば、全身もまた不健康になる」と。言い換えれば、歯が健康であれば、全身の健康につながるということです。
つまり、健康な歯は、全身の健康の基盤である
・ 2012年、プレジデント社が行った、定年退職した55〜74歳の男女1060人を対象とした「『リタイヤ前にやるべきだった…』後悔トップ20」というアンケート調査において、大変興味深い結果が出ていましたので、ご紹介します。(中略)
第1位におどり出たのが、「歯の定期検診を受ければよかった」でした。リタイヤした多くの方々が、歯のメンテナンスをしておけばよかったと、後悔している姿が浮かび上がってきたのです。
・年齢を重ね、次第に歯がゆれ始め、ついに抜け落ち、食べることに不自由さを感じるようになって初めて、歯の大切さに気付きます。しかし、残念なことに、気づいたときには、もう手遅れなのが「歯」なのです。
・震災関連者の中でも、最多数を占めたのが「肺炎」でした。さらに、そのほとんどが「誤嚥性肺炎」だったのです。
残念ながら、当時、非常時においては口の衛生管理の優先順位は高くはありませんでした。
・歯周病は「万病の元」だった!
ーーー歯周病が関連する怖い病気の例
認知症
脳梗塞
誤嚥性肺炎
心筋梗塞
心内膜炎
低体重児出産
動脈硬化
がん
糖尿病
早産
関節リウマチ
ED
・歯ぐきが腫れて出血するといった歯周病の症状は、簡単にいえば、外から入ってきた細菌に対する自己防衛としての「炎症反応」の結果なのです。
・歯周病と全身疾患との関係において、最も注目を浴び、またエビデンスの高さからも重要視されているのが、歯周病と糖尿病との関係です。(中略)
なぜ、歯周病が糖尿病の原因となるのでしょうか。
歯周病は「炎症性物質」を作って全身に悪影響を及ぼすとお伝えしました。実は、その炎症性物質が、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きを邪魔して、細胞へのブドウ糖の取り込みを阻害するのです。
その結果、血糖値が上昇して糖尿病が悪化してしまいます。
つまり、歯周病を治療することで、糖尿病が好転する可能性があるのです。
・歯周病と糖尿病はお互い手をつなぎ、双方の病態を助長しあっているのです。
・「万病の元」といわれる「肥満」にも、歯周病が関与していることがわかってきています。肥満と判定された人は、歯周病にかかっている割合が高い
・ある疫学研究によると「歯周病にかかっている人は、4年後にメタボにかかっている可能性が高い」とのこと。
肥満予防に、歯周病のない健康な口腔内環境が大事である
・歯周病ケアが認知症予防にもつながる可能性が出てきました。
歯周病に由来する慢性的な炎症反応が、「アルツハイマー型認知症の原因である脳の炎症を増強する可能性があるのです。
・残っている歯が多いと認知症になりにくく、一方で歯がほとんど残っておらず、入れ歯も使用していない人は、認知症の発症リスクが高いことがわかっています。
つまり、歯を失い物が噛めなくなると、脳への刺激が減少して、脳の働きに影響が生じ、その結果として認知症のリスクが増加するのです。
・自分の歯を使って、美味しくものが食べられることは、何物にも代えられない幸せであり、それは結果として、健康寿命を延ばすことにもつながります。
・口腔がんの主な原因は喫煙と飲酒です。
・初期の口腔がんと口内炎は全く判断できないものなのでしょうか。そんなことはありません。両者には決定的な違いがあります。それは、「自然治癒するか否か」です。(中略)
また、口内炎は必ずといい程、ひどい痛みを伴うことが多いのですが、初期の口腔がんの特徴として、「痛みを伴わ伴わないことが多い」ということも着眼すべき点です。
・もし、口の中になかなか治らない異変があったら、大きな病院での専門医による精査を受けましょう。
・ 50代から歯周病が原因で抜け始める人が多いです。抜けた1本の周りの歯も歯周病で弱っていて次々と抜けるわけです。
・世界で最も患者数の多い病気=歯周病
・大人になってからの虫歯とは、子どもの頃に治療した虫歯が再発したものである場合がほとんどなのです。裏を返せば、幼い頃に虫歯を作らなければ、年をとってから新しい虫歯で悩むことはない、ということです。
・つまり、一度でも削ったことのある歯は、その後、細菌が侵入するリスクを負い続ける運命にあります。(中略)
よって、「歯を削らない」ことが、歯を守る上で最も大切です。
・一度、治療した歯は、虫歯の再発するリスクが高い
・歯が失われた場合、対策として考えられる選択肢は、①ブリッジ、②入れ歯、③インプラント、そして④何もしない、の4つです。
まず、④の何もしない、これだけはやめていただきたいものです。
・安いインプラントは、所詮その程度のレベルのものなのです。
・歯周病とは、歯の病気ではなく、歯を支えている周りの骨(歯槽骨)や歯肉などの、歯周組織が、細菌による感染を受けて破壊されていく疾患です。
・歯周病(中略)
病態としては「歯肉炎」から始まり、「歯周病」へと段階を踏みながら進行していきます。
・歯周病(中略)
第1段階 歯周病の初期段階である「歯肉炎」(中略)
第2段階 軽度の歯周炎(中略)
第3段階 中等度の歯周炎
第4段階 重度の歯周炎
・喫煙者のほぼ全員が歯周病であると言っても過言ではありません。
・実は、1日に3回歯を磨くのは欧米では珍しく、1日2回磨くのが一般的と言われています。
それだけ日本人は熱心に歯磨きをしているわけです。
それにもかかわらず、日本人の成人の約80%が歯周病と言われています。(中略)
一体どういうことでしょうか?(中略)
磨いているのに「磨けていない」という実態です。
・正しい歯磨きの目的は、「プラークを除去すること」です。なお、多くの人が誤解していますが、プラークは食べ物のカスではありません。繰り返しますが、プラークとは細菌の塊です。
・プラークが厄介なのは、食べ物の残りカスとは異なり、うがいでは簡単に取り除くことができないという点です。
・何のために磨くのかを知らず、「歯みがきをする」が目的化(中略)
日本人は「歯みがきをすること」自体が目的となってしまっている人が多いからです。
・すなわち、「歯と歯ぐきの境目」や、「歯と歯の間」を好んで集まり、そこを感染ポイントとします。ですから、こうした部位のプラークを取り除かなくては、歯みがきをしている意味がないのです。
・多くの人が磨けていると思っていても、磨けずにプラークが残っている二大分位
歯と歯の間
歯と歯茎の境目
歯周病の原因に!
・歯周病予防に向けた正しい「歯磨き」の要点
①プラークを取り除くことが目的
②重要なのは「歯と歯ぐきの境目」「歯と歯の間」
③歯ブラシに加え歯科清掃器具の併用が必須
・歯ブラシを選ぶ際の重要なポイントは主に3つです。
1、使用する「目的」
2、自分に合った「ヘッドの大きさ」
3、歯ぐきの状態に合わせた「毛のかたさ」
・どのような歯ブラシを選べばいいのか(中略)
大切なポイントが、ヘッドが小さいものを選ぶということです。(中略)
また、歯と歯ぐきの境目を意識して細かく磨くためには、細めのヘッドが適しています。なかでもお薦めは毛束3列のものです。(中略)
素材は必ずナイロン製を選んでください。。動物の毛を使用した歯ブラシとしては、ブタやウマなど天然毛のものがあります。しかし、水はけがよく衛生的で、また素材の安定性、清掃効果にすぐれている点から、一般的なナイロン製がお薦めです。
・歯ブラシの交換頻度です。1日に数回磨く場合は、約1カ月に1回交換することを目安にしてください。歯ブラシを裏から見て、毛先が飛び出して見えたら交換時期です。
・実は歯ブラシは歯周病が進行していて「歯肉が下がってしまった人向け」なのです。子どもや歯肉が下がっていない健康な人は、歯間ブラシを使うと歯肉を下げてしまうので、デンタルフロスが適しています。もちろん、「糸ようじ」のタイプでも構いません。
・すき間の汚れ落としに効果的な「タフトブラシ」
・口臭予防ならミントやハーブより効果的な2つの成分(中略)
それが、亜鉛素酸ナトリウム(イキレイ、シーエルオーツーフレッシュ)や塩化亜鉛(ハイザック)です。
特に、亜塩素酸ナトリウムは日本では食品添加物として指定されている成分であり、口の中で二酸化塩素となり、口臭の直接の原因物質である揮発性硫黄化合物(中略)に作用して分解するため、口臭に強力な消臭効果を示します。
・口臭の最大の敵は歯周病です。洗口液に頼ることなかれ、日々のブラッシングこそが爽やかな息への近道なのです。
・喫煙者は非喫煙者と比較して、2〜8倍も歯周病にかかりやすいことが明らかになっています。その原因には、紙巻きタバコに含まれるタールとニコチンが関与しています。
具体的には、喫煙によってタールが口の中の粘膜に吸収されると、だ液の分泌量が減少し、歯周病の原因であるプラークや歯石が歯に付着しやすい環境が形成されます。
そこに血管を収縮させる作用を持つニコチンが加わることによって血液循環が悪化し、歯ぐきに酸素や栄養が十分に供給されなくなり、歯周病が進行、悪化しやすい状況となります。
・親知らずの抜歯技術は歯科医師によって雲泥の差があります。
・歯周病と糖尿病は「痛くないから手遅れなる」
・歯周病って怖い病気で、歯が抜けると認知症になる確率が大幅に上がるんですよ。合併症としては糖尿病にかかる可能性もある。
堀江貴文
実業家・予防、医療普及協会委員会理事
・おとなの虫歯は、多くの場合が、子どもの頃につくった虫歯の再発です。(中略)
つまり、子どもの時に虫歯をつくらなければ、おとなになって虫歯で悩むリスクは低く、年をとってから虫歯が原因で歯を失うことはほとんどないと言えます。
・子どもの虫歯は親の責任
・虫歯が最も発症しやすいのは、6歳頃に生えてくる「第一大臼歯の歯が噛み合う面の溝」です。
その予防には、「シーラント」と呼ばれるプラシックをその溝に埋め込んでコーティングをする予防方法が、大変有効です。
・フッ素塗布、およびそれに準ずるフッ化物応用に危険性はありません。
・フッ素は、単体ですとガラスやプラスチックを溶かしてしまうほどの強い酸化作用があり、摂取すると猛毒になります。(中略)
歯科医院で行われているフッ素塗布で使用されているのはフッ化ナトリウムと呼ばれる安全性の高いフッ化物です。(フッ化ナトリウム=フッ素とナトリウムが結合したもの。毒性の塩素がナトリウムと結合すると塩化ナトリウム=食塩になるのと同じようなもの)。
・フッ素(フッ化物)が配合されている歯みがき粉が、虫歯の減少や予防に効果があることは、明らかで、またそれは臨床疫学的にも実証されています。
・フッ素の効果を活かすために、歯みがき粉はたっぷりと、そしてすすぎの水は少なめにしましょう。
・「歯は極力削らない」ーーーこれが現在の歯科における基本的な考え方であり鉄則です。削れば削るほど、歯は弱くなります。そもそも、初期の虫歯であれば、削ることなく再石灰化を促すことで、自然治癒することも十分ありえます。
・虫歯があればすぐに削ろうとする歯医者は疑ったほうがいいかもしれません。
・神経を取らなければならないほどの大きさまで、虫歯が進行してしまった場合には、恐ろしいほどに歯の寿命が縮まります。神経を抜いた歯は、例えるならば枯れ木のようなもの。
・スメルハラスメント(通称:スメハラ)とは、その名の通り、"におい"によるハラスメントのこと。その人が持つにおい、すなわち体臭を原因とした、周囲に不快な思いをさせる行為を指します(香水や衣類の柔軟仕上げ剤のにおいなどのスメハラもあります)。
・なぜ自分のにおいは気づかない? (中略)
口から不快なにおいを強く発していたとしても、そのにおいが持続的であればあるほど順応してしまい、自分自身では気が付かない状況を生んでしまうからです。
・近年では、自分のにおいをチェックするために「体臭測定器」なるものが発売されています。有名なものでは、コニカミノルタの「Kunkun body(クンクンボディー)」や、タニタの「においチェッカー」などです。
特に、Kunkun bodyは、口のにおいや加齢臭、汗臭などの各体臭を、AIにより他人にとって気になるにおいかどうかを数値化することを可能にした、最新の簡易持ち運び方の大衆測定器です。
✳︎参考情報:2022年9月30日をもって、サービス終了。
・口臭がするときは、原因が一つという場合は少なく、いくつかの原因が重なり合っている場合がほとんどです。(中略)
起床時の口臭は1日の中で最もにおいが強く、またそれ以外でも、空腹時や緊張時などに、口臭がきつくなります。
・「口臭の原因は胃腸だ」ーーーと思っていらっしゃる方はいませんか? 実は、これは誤った認識です。
胃の入り口は噴門(ふんもん)と呼ばれ、筋肉で強く閉じられているため、においが胃から口へと上がってくることはほとんどありません。胃や肝臓などの内臓の病気や口臭の原因である場合も多少ありますが、実際は、「口臭の原因の90%以上は口の中にあります。
・卵の腐敗臭と同じ猛毒ガスが口の中で発生
口臭の原因は、口の中から発生する「硫黄化合物」と呼ばれる揮発性のガスです。中でも、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドという物質が、その代表格といわれています。
・卵の腐敗臭と同じ猛毒ガスが口の中で発生(中略)
つまり、口臭の原因は「歯周病」というわけです。
・固形色を摂ると、食べ物と舌が接触し、まただ液の分泌が増えることも相まって舌苔が剥がれていきます。
つまり、口臭を減らすためには、水を飲むのではなく、食事を摂らなければいけないのです。
ですから、時間がないからといって朝食を摂らずに、ジュースだけを飲んで出勤するような場合は、口臭リスクはとても高くなっていますから、要注意というわけです。
・舌専用の清掃器具には、大きく分けて舌ブラシと舌ベラがあります。舌ブラシは、毛が植毛されているタイプ、舌ベラはへらで舌苔をかき出すタイプのものです。好みもありますので、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
・「舌ケア」を行うタイミングは、1日1回、最も舌苔の量が多い起床時に行うことを推奨します。ただし、舌苔がついてない場合は、ケアを行う必要ありません。(中略)
また、ブラシを動かす方向は、舌の奥から手前と必ず一定方向にします。前後に往復させてしまうと、舌苔中に含まれる細菌などの感染物質を、喉の奥へと送り込んでしまう可能性があるからです。
ケアする部位は、舌の前方部だけではなく、舌苔が付着しやすい舌の後方部までです。
・だ液が減ると口が臭くなる(中略)
だ液の分泌量が減少する要因として、薬の副作用、食事を摂らない不規則な生活、ストレスや疲れなどの様々な因子が挙げられます。
・実は、ダイエットは口臭の原因になります。(中略)食事を抜くと舌苔が付きやすくなる
・喫煙者のほぼ全員は歯周病、禁煙するだけで歯周病のリスクをかなり低減させられるといわれるほど、タバコは歯周病の高リスク因子です。
・食を楽しむために健康な歯は欠かせません
斉藤茂
トーセ会長兼CEO
・朝の歯磨きは「起きてすぐ」か「朝食後」どっちがいい? (中略)
朝の忙しい時にそんな時間はありません。それならズバリ、朝食後の歯みがきが正解です。口の中に残った食べカスがプラークの元になりますから、食後に歯磨きを行い、プラークと食べカスをしっかり取り除くようにしましょう。(中略)
起床後は、朝食を摂る前に必ずうがいをし、口の中を清潔にしましょう。
・ガムを噛むと、虫歯予防や歯みがきの代わりになる? (中略)
なにより、物を噛むことこそがだ液の分泌を促す最も簡単で効果的な方法です。そこで出番となるのが、「ガム」というわけです。(中略)
しかし、その割合は10〜20%程度であり、ガムを噛むことがブラッシングの代替になるものでは決してありません。(中略)
重要なのが、砂糖の入っているガムは避けなければならない、ということです。砂糖の入ったガムは、虫歯菌のエサを持続的に供給することに他ならず、特に食間には控えなければいけません。そこで、そんな心配がいらないガムが登場します。それが「キシリトール配合ガム」です。
・キシリトールとは、天然の甘味料であり、特にイチゴやカリフラワーに多く含まれる成分です。
・キシリトールは甘味料ではありますが、正式にはと糖アルコールと呼ばれる成分であり、ミュータンス菌に取り込まれても代謝されないため、酸が全く発生しません。ですから、虫歯の原因にならないのです。
・虫歯予防効果を期待するのであれば、キシリトールが最低でも50%以上含有されているものを選びましょう。ちなみに、50%以下ではキシリトールの効果は期待できません。
・歯科医師が推奨しているのは100%キシリトールガムです。取り扱っているのは歯科医院のみなので、入手したい場合は、かかりつけの歯科医院で聞いてみるといいでしょう。
・勘違いしないで頂きたいのは、「キシリトールガムを噛めば、虫歯にならない」というわけではないということ。
キシリトールは「虫歯になりにくい口内環境を作る」効果があることは確かです。しかし、虫歯を防ぐには不十分。ホームケアとプロフェッショナルケアが不可欠です。(中略)
あくまで補助的なものである
・保険診療だと銀歯のみで、目立たない白い被せものは自費診療? (中略)
すなわち、CAD/CAM冠が保険適用になったことで、従来の保険治療では銀歯以外に選択肢がなかったところが、なんと保険治療で白い歯を手に入れることができるようになったのです。(中略)
保険適用として認められているのはCAD/CAM 「冠」、すなわちクラウンのみです。
また、CAD/CAM冠の保険適用は、現状「上下顎の小臼歯(中央の前歯から数えて4番、5番目の歯)と第一大臼歯(中央の前歯から数えて6番目の歯)」のみに限られており、前歯は保険の適用とはなりません。
・金額としては、従来の銀歯が4500円程度であるのに対し、CAD/CAM冠は3割負担で9000円前後
・肩こり、頭痛といった痛みや不快感に悩まされている方々は、整形外科や神経内科、耳鼻科に行かれて解決しないことも多いようですが、「その痛みの原因は歯にあるのでは、と疑ってみる」ことを頭に入れておいてください。
・レーザーで歯を削って治療する虫歯は、あくまで「小さな初期の虫歯」がメイン。つまり、深くまで削ることがないため痛くないのです。これは、レーザー治療で歯を削るには、従来の治療よりも非常に長い時間がかかるという欠点によるものです。
・レーザーの真の価値は単に不快感を軽減するだけではありません。歯周病治療においてレーザーが注目されている理由は、レーザーのもつ殺菌消毒効果が、歯周病に対しても有効であることがわかってきたからです。レーザー照射によって歯周病が非常に改善するケースも少なくありません。
・長期間にわたって喫煙習慣があると、粘膜にメラニン色素が沈着し黒ずむことがあります。ちなみにこの色素沈着は、受動喫煙でも同様に起こるため、親が喫煙者である場合には子どもにも起こりうるので注意が必要です。
・現行の歯科保険制度では、レーザーによる治療の多くは保険適用外となります。
・歯周病や歯ぐきの黒ずみの治療にレーザーは効果的。用途別に機器が分かれているので、導入済みか問い合わせること。
・実はこのワインのだらだら飲みが、最も酸蝕症リスクの高い悪い飲み方なのです。
・酔った勢いで歯を磨かないどころか口をすすぐこともなく寝てしまうなんてことは言語道断、歯にとって最悪の状況です。
・歯科医師が教える良い歯科医院を見つける方法とは?(中略)
歯科医師の立場から言わせていただければ、見極めるポイントのひとつは、その医院に「いい歯科衛生士がいるかどうか」です。(中略)
求人に対して人材供給が圧倒的に足らず、歯科衛生士を雇いたくても雇えないという歯科医院が多くあります。
そんなことから、歯科衛生士も強気で、ちょっとでも気に入らないことが出てくると、すぐに辞めていきます。言い換えれば、いい歯科衛生士ほど勤務する歯科医院を選ぶことができるわけです。(中略)
優秀な歯科衛生士ほど、院長先生の治療に対する考え方や行動を厳しく見ており、それに共感した上で勤め続けているわけです。
・歯科医師が教える良い歯科医院を見つける方法とは?(中略)
その医院に「いい歯科衛生士がいるかどうか」です。(中略)
いい歯科衛生士が働く医院は、感染防止、衛生管理もしっかりしていることが多いものです。
きちんとした歯科衛生士ほど、清潔・不潔の区別がいかに重要であるかがわかっており、それができていないことを嫌がるからです。
・歯科医師が教える良い歯科医院を見つける方法とは?(中略)
治療計画の説明の丁寧さを基準に歯科医を選ぶ
その上で何を重視してほしい点があります。それは、治療計画をしっかりと説明してくれるか、またその際インプラントや入れ歯といった治療の選択肢がいくつかある場合に、メリット・デメリットをきちんと納得いくまで説明してくれる先生かどうかということです。
・歯は生きていく上で極めて重要な器官です。
●書籍『東京医科歯科大学を首席卒業した名医が教える 世界の一流はなぜ歯に気をつかうのか~科学的に正しい歯のケア方法』より
森下 真紀 (著)
出版社 : ダイヤモンド社
発売日 : 2020/7/30
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