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出版業界の豆知識

[ 書店について ]

全国の4分の1の市区町村が「本屋ゼロ」に。書店が生き残る街と消えゆく街を分ける「3つの共通点」

全国の「無書店自治体」が4分の1超に。本との接点はどう変わるか。私たちが住む街に、書店が1店もない自治体は今、どのくらいあるのでしょうか。


一般財団法人出版文化産業振興財団(JPIC)が2024年8月時点の最新調査を発表しました 。


それによると、全国1,747自治体のうち、書店が一つもない「無書店自治体」は、2017年当時の水準を大きく上回る深刻な状況となっています 。


【2024年最新データの概況】

今回の調査結果を俯瞰すると、全国の無書店率は平均で25%を超え、いまや「4つの自治体に1つ」は書店が存在しない計算になります 。


特に、無書店自治体の数が2桁以上にのぼる都道府県は以下の通りです 。

【2024年最新】無書店自治体数・ワースト10

順位|都道府県|無書店数(無書店率)

1位:北海道 77件(41.6%)
2位:長野県 42件(54.5%)
3位:福島県 28件(47.5%)
4位:沖縄県 23件(56.1%)
5位:熊本県 21件(46.7%)
6位:奈良県 20件(51.3%)
6位:福岡県 20件(33.3%)
8位:鹿児島県 17件(39.5%)
9位:青森県 16件(40.0%)
10位:高知県 15件(44.1%)

※2024年8月時点・一般財団法人出版文化産業振興財団調べ


全国的に「本とのリアルな接点」が急速に失われている現状が浮き彫りになりました 。一方、かつて「無書店ゼロ」だった香川県でも、現在は約3割の自治体が「1書店のみ」となるなど、予断を許さない状況が続いています 。
 
 

一方、書店が充実している県もある。中でも5つの都道府県

このデータを見ると、自治体の数に対して「本屋がない場所」がほとんどない、つまり書店網が維持されている都道府県もあります。それが以下の5つの都道府県です。

都道府県
書店の普及状況
愛知県
(無書店率 3.7%)
自治体数は多いが、無書店はわずか2ヶ所。非常に書店文化が強い地域。
兵庫県
(無書店率 4.9%)
無書店自治体は2ヶ所のみ。文教地区を抱える強み。
石川県
(無書店率 5.3%)
無書店自治体はわずか1ヶ所。北陸屈指のアクセス。
広島県・香川県
無書店率 0.0%
全ての自治体に書店がある、全国でも稀有な「無書店ゼロ」県



本屋が「生き残る街」には3つの共通点がある

これらの地域で書店が踏ん張れているのには、単なる人口の問題ではない「地域特性」が色濃く出ていると分析しています。大きな理由は3つ。



1. 「地場チェーン」の圧倒的な結束力

これらの県には、全国チェーン(全国規模でビジネスを展開し、誰もが名前を知っているような大企業 )に負けない、地域に根ざした強力な「地元本屋連合」が存在します。


愛知県(精文館書店、三洋堂書店): 車社会のロードサイド戦略をいち早く確立した地場大手が強く、生活動線の中に本屋をしっかり組み込んでいます 。


石川県(金沢文苑堂、うつのみや): 「文化の街・金沢」としての自負が強く、地元の本屋を大切にする風土があります 。


広島県(廣文館、啓文社、フタバ図書): 広島は古くから取次(卸)との繋がりも深く、地場書店が非常にタフな経営をしている地域です 。



2. 「車社会」と「大型複合店」の相性の良さ

都内では駅前店舗が中心ですが、これらの県は「広い駐車場を備えた大型店」が主流です。


滞在型店舗の成功: 「リライアブル(コーチャンフォー)」のような、本だけでなく文具やカフェを併設した超大型店が、家族で休日を過ごす目的地(レジャースポット)として機能しています。


「ついで買い」の文化: スーパーやホームセンターの敷地内に書店が配置されているため、日常の買い物サイクルから本屋が外れていないのが強みです。



3. 「教育」と「実利」を重んじる県民性


これらの地域は教育熱心、あるいは「実用的な知識」を重んじる傾向があります。


香川県(無書店率0%): 面積が小さいこともありますが、学習塾や学校教育が盛んで、参考書や実用書の需要が非常に安定しています 。


兵庫県: 阪神間の文教地区を含め、読書を「教養」として重んじる層が厚く、街の書店が「知のインフラ」として支えられています 。

著者や出版社が注目すべき「リアルな接点」のヒント

無書店地域が広がる一方で、すべての自治体に書店が残っている広島県や香川県、そして無書店率が極めて低い愛知県や兵庫県といった「書店充実地域」も存在します 。


これらの地域を分析すると、SNS時代にこそ著者や出版社が注目すべき「リアルな接点」のヒントが3つ見えてきます。

1. 「地場チェーン」という強力なインフラの存在


愛知県(無書店率3.7%)や広島県(無書店率0%)が象徴的ですが、これらの地域には全国チェーンに負けない、地域密着型の強力な地場書店チェーンが根を張っています 。


彼らは地元の読者の好みを熟知しており、「この街の人は何を読みたがっているか」を正確に把握した棚作りをしています。



2. 「学び」を文化として支える県民性


書店が残っている地域は、総じて教育への関心が高いという特徴があります。


特に香川県のように「すべての自治体に書店がある」地域では、書店は単なる店ではなく、街の「知のインフラ(図書館に近い存在)」として機能しています 。


こうした地域では、実用書やビジネス書、学習参考書といった「人生を豊かにする本」の需要が安定しています。



3. 「大型複合店」への進化


上位シェアを占める企業(リライアブルなど)、つまり信頼できる本屋に見られるように、生き残っている書店は「本だけを売る場所」から脱却しています。


とりわけ、カフェや文具、雑貨だけでなく、コンビニやガソリンスタンド、コインランドリーまでも併設した『大型複合店』は、家族で数時間を過ごせる『目的地』となっています。こうした場所が、ネット書店にはない『偶然の本との出会い』を演出し続けているのです。


本屋ゼロの自治体数(2024年8月最新版)

都道府県名
書店数ゼロ
の自治体数
1書店以下
の自治体率
北海道
77(42)
70%
青森県
16(40)
58%
岩手県
7(21)
52%
宮城県
10(29)
54%
秋田県
8(32)
48%
山形県
11(31)
57%
福島県
28(48)
68%
茨城県
6(14)
32%
栃木県
3(12)
36%
群馬県
11(31)
51%
埼玉県
6(10)
30%
千葉県
13(24)
33%
東京都
7(11)
23%
神奈川県
7(21)
39%
新潟県
7(23)
37%
富山県
2(13)
13%
石川県
1(5)
11%
福井県
2(12)
41%
山梨県
9(33)
48%
長野県
42(55)
71%
岐阜県
8(19)
41%
静岡県
4(11)
31%
愛知県
2(4)
11%
三重県
6(21)
41%
滋賀県
2(11)
37%
京都府
5(19)
35%
大阪府
5(12)
28%
兵庫県
2(5)
17%
奈良県
20(51)
64%
和歌山県
8(27)
67%
鳥取県
7(37)
74%
島根県
5(26)
42%
岡山県
5(19)
44%
広島県
0(0)
26%
山口県
5(26)
32%
徳島県
9(38)
54%
香川県
0(0)
29%
愛媛県
3(15)
35%
高知県
15(44)
77%
福岡県
20(33)
50%
佐賀県
4(20)
55%
長崎県
5(24)
38%
熊本県
21(47)
67%
大分県
2(11)
33%
宮崎県
10(39)
65%
鹿児島県
17(40)
56%
沖縄県
23(56)
66%
合計
443

※出典:一般財団法人出版文化産業振興財団(JPIC)調べ。2024年8月現在
※丸カッコ内は自治体数に占める割合(%)、小数点以下四捨五入
※「1書店以下率」は、無書店と1書店のみの自治体を合わせた割合

 
  

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