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田辺園子 氏より (元河出書房の編集者)

このページは、書籍「伝説の編集者 坂本一亀とその時代」から、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。


・編集者としての坂本一亀は、フィナティックであり、ロマンティストであり、そしてきわめてシャイな人であった。彼は私心のない純朴は人柄であり、野放図であったが、繊細であり、几帳面であり、潔癖であった。


・櫻井秀勲は坂本一亀を「出版界の鬼才」と言い、「もっとも尊敬する文芸編集者」と記している。


・「編集者はサラリーマンであってはならない」というのが坂本一亀の持論であった


・坂本一亀が河出書房へ入社した年の、一九四七年


・息子の龍一が幼いころのことを、その著書のなかで語っている。


家に来ていた作家でよく覚えているのは、小田実と高橋和巳。小学校のときからよく来ていた。朝まで飲んでいるわけ、ワーワー言って。あと、電話なんかでカッコいいなと思っていたのは、埴谷雄高と椎名麟三と大岡昇平。


父は酒飲んでいない時は非常に丁寧な言葉を使うんだけど、酔っぱらってくるとメチャクチャになってくるのね。なんだ貴様!とかいっちゃうわけ。作家に(笑)。酔っぱらっちゃってて。


水上勉さんに、水上!なんだ、お前のあの作品は!とか言って、小説書きなおせ!とか怒鳴ったりしてね(笑)。


すごいよね、今から考えたら。三島由紀夫の『仮面の告白』を担当した編集者なんだから、すごいっていえばすごいんだろうけど、子供心には、とにかくこわいっていうだけの印象だったなあ。


“こわい”父親、“すごい”父親、時に“カッコ”よくて、時に“メチャクチャ”であった父親の坂本一亀が、三島由紀夫の『仮面の告白』を世に送りだした一九四九年、坂本一亀は二十七歳で、坂本龍一はまだこの世に生まれていなかった。


・本校の成立は、丁度十年前に、坂本一亀の子息坂本龍一から、父が生きているうちに父のことを書いて本にしてほしい、との依頼があったことが発端である。
   
   
             
●書籍「伝説の編集者 坂本一亀とその時代」より
田辺 園子 著
\1,680(税込)
作品社 (2003年6月初版)
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