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書籍「出版概論(原書第8版)」より (S・アンウィン 著)

このページは、書籍「出版概論(原書第8版)」から、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。


・出版業は、一般に認められている以上に骨の折れる仕事であり、より広い範囲に亙る技術的知識と、より高い水準の能率とを必要とするものである。


・出版業者というものは、大いに悪口をいわれる人たちである。その数に照らしてみると、社会の中の階層として、これほど多くの非難の的となり、その欠点を片っ端から言い立てられるものがほかにあるかどうかは疑問である。


・原稿の受領

第一に、また絶対に必要なこととして、----原稿には著者の姓名と住所とを明瞭に書きとめておかなければならない。それも、なるべくならば、原稿の初めと終わりの両方に。


・著者と出版社との間の契約には、四つの種類がある。そのほかにもあるが、それらはみなこれら四つの種類をとり合わせたものである。

1、著作権の一括譲渡
2、利益分配制の契約
3、印税制度
4、委託出版契約


・「刷」と「版」という語の使い方である。「刷」という語は、どんな種類の変更箇所もない重版の場合に限って使うべきであり、同様に「版」という語は、重版したものの中に、改訂とか増補とか、あるいは体裁の変更とかがない場合には使うべきでないことは、いくら強調してもしすぎることではない。


・著者の中には、本をつくることと本を売ることとは同じことだと考えている人がいるが、この二つの事柄は全然別個のものである。


・出版社の最もすぐれた販売担当者とは、提供しようとする本への得意先の関心をかきたてながら、その買い手が安心して買うことのできるぎりぎり最大限の部数を買い取るように勧誘はするが、それ以上は押しつけない、という人のことである。


・本を発売するときの最上策は、その本をしかるべき人びとの話題にしてもらうことであるといわれているが、これはもっともなことである。この目的をめざして、評論家その他の人びとに発行前の寄贈本を送ることがよくあるが、これにはまた、出版社が広告するのに引用できるような意見を表明してもらいたいという希望もあるのである。


・成功する広告主はみな、売り出した商品にはっきりと関心をもつ人びとに対する呼びかけが、関心をもつ「かもしれぬ」人びとと、あるいは「もつべきはずの」人びとに対する呼びかけを二倍なし三倍したものよりも効果的であることを知っている。


・出版社の売上げ高のうち何%が広告に充てられるかということを、よく尋ねられる。信頼できる数字は手にはいらないが、売上げ高の五%くらいが無理のないところではないかと思われる。


・その本の出版が成功するか失敗するかが、書名の正しい選択にかかっているともいえる。書名が簡潔であること、そしてそれが的確に本の内容を説明するものであること、これは両方とも望ましいことであるが、この二つの条件はしなしば両立しにくいもののように思われる。

このむずかしさは、時として副題(サブ・タイトル)を付けることによって解決できる。必要とあれば本題より長くなってもよく、書籍の内容をより的確に伝えることができる。したがってほとんどどんな種類の本につけてもさしつかえないような、気まぐれな書名は失敗するのが常である。
       
      
              
●書籍「出版概論(原書第8版)」より
S・アンウィン 著
日本エディタースクール出版部
1980年 初版
3,600円