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塩沢 実信 氏より (書籍「ベストセラー感覚」より)

このページは、書籍「ベストセラー感覚」から、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ転載しています。


・NHK教養セミナー「出版界最前線-----ベストセラーをねらえ」(昭和57年)に、岩瀬(KKベストセラー社長・岩瀬順三)はベストセラーづくりの名手として出演したことがあった。


・逆説的に言えば、ベストセラーとは、本を読まない人をめがけてつくるものといえた。


・青春出版社----ベストセラー作りの匠 小澤和一

ベストセラーは、生み出そうとして生み出せるものではない。しかし、必ず売れるというパターンはあると小澤は言う。


「一つは感受性です。私たちは学校や社会からいろいろなことを学び、知識を積んできています。が、それらが一つの観念となって、無になって考えるということを阻害しています。


編集者にとって、これはもっとも避けなければならないことです。つまり、自分の頭の中から観念というものを引きずりださないかぎり、本当の感受性は働かない。


頭をいつも白紙にしておかなければ、いいものをつくり出していくことはできないという意味です。」
       
                  

・編集者の心得十カ条(青春出版社 小澤和一氏)

1、著者に依頼する前に“結論”をつけるな。理由は、著者自信の持っている創造性を、引き出す前に殺してしまうからだ。


2、純粋性を失った編集者は問題をつかむ気力はない。つまり既成概念にとらわれない純粋な見方をつねに持つことだ。


3、読者(消費者)の立場でものを見ること。これは、いつも白紙の状態でものを見、聞く“謙虚”な姿勢から生まれる。


4、本をつくるとき、最初に読者の顔が見えているか。その顔も、本を書店で手に取るときの読者の顔、財布からお金を出して買うときの顔である。


5、編集者として、自分の存在、自分の座を把握していること。これは、会社の中で、さらに出版界全体の編集者の中で、どういう存在なのか考えよということである。


6、知識の裏づけのある知恵を身につけよ。


7、前項につながるが、裏づけのない観念ほど危険なものはない。


8、目の前のすべてが素材である。これは読者のニーズをつかむ姿勢のことであり、例えば、人物はもちろん、茶わん、テーブル、名刺とそこに刷られた文字でも素材になるという考えである。非常にどん欲な考えだが、これがないことには感受性は育たない。


9、マスコミの評価より、読者の評価を優先させよ。


10、編集者は“時価”であり、その価格は時とともに変化するということ。


・出版経営者の心得三カ条(青春出版社 小澤和一氏)

1、これからは資本の強さではなく、体質の強さが生死を決める。

2、いいタイミングをつかみ、いい相乗効果を生み出していく“循環論”を育てる。

これは、本を作って書店へ出す、そこで売れると「あそこの本は売れる」ということで、目立つ場所に置いてくれる、いい場所へおけば広告宣伝をすると、すぐ消費者の目について手にとってもらえる。

つまり、つねにいい本、売れる本を出してこの循環に乗せていくことである。

3、個々の職務分担を明確にして、その評価を怠らない合理性をもつ。そして、社内に公平な競争社会をつくり出し、やりがい、生きがいにまで高めてゆくことである。


・本というものは一点一点は新商品であり、一ヶ月前にミリオンセラーを出したとしても、次に出す本でそれは望むべくもないのである。


・神吉は、それまでの出版セオリーをガラリと変えた“創作出版”なるものを宣言した。(光文社 神吉晴夫氏)


・神吉体制下の光文社時代、伊賀弘三良(現祥伝社)、長瀬博昭(光文社)、藤岡俊夫(祥伝社)、篠岡昭雄(ユニオン企画主宰)らと共に、三十代の若さで役員に取り立てられ、“五奉行”と囃立てられた(はやしたてられた)逸材


・集英社

祥宏(小学館創設者 相賀祥宏氏)は、社名をつけるときに、高山樗牛の名言“文は人なり”にあやかって、“事業も人なり”と考え、「英才を集める社----集英社」と命名したものだという。
      

・集英社を他社と比較したとき、編集と営業のバランスがよさ、労使関係のよさもあった。


・「江本の書いた本を読むのではなく、江本の本を読むと考えていただければいい」(KKベストセラー社長 岩瀬順三氏)


・海竜社の下村のぶ子社長は、編集、経理、営業、小説、織もの、生花、料理・・・・・と、あらゆるものをこなした怪物社長原田(講談社出身の原田常治氏)に育てられた編集者である。

     
             
●書籍「ベストセラー感覚」より
塩沢 実信 著
¥980(税込)
論創社 (1986年7月初版)