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岡部 一郎 氏より (書籍「出版営業ハンドブック・実践篇」より)

このページは、書籍「出版人のための出版営業ハンドブック・実践篇」から、良かったこと、教え学んだこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・編集者にはどのような能力が必要なのでしょうか。今回、出版企画研究所ではこの点について、ほぼ50社に取材、アンケートをお願いしました。(中略)回答を内容別に集約すると、概ね次のような結果になります。


(1)様々なことに興味・関心を持つ姿勢
(2)課題意識と物事を批判的に見る目
(3)執筆者と同じ気持ちになれるか
(4)幅広い情報収集力
(5)情報源と人脈を持つこと
(6)企画を発想する能力
(7)企画を実現遂行する能力・実行力
(8)マーケティング分析能力
(9)その分野の専門知識を持つ

----順位は意見の多かった順ではありません
   
   

・出版社はもっと既刊本の販売努力をすべきなのです。この方が出版社にとって、はるかに有利なのです。


・なぜ、オビの文言を変えたり手書きのPOPで昔の「本」がまた売れ出すのでしょうか。それは“読者は常に入れ替わっている”ということなのです。


・1947年(昭和22年)創業のポプラ社は、長い間児童書分野で活躍をしてきた出版社であることは、皆さんご存知の通りです。企画力、営業力、宣伝力を兼ね備えた三拍子揃った出版社です。(中略)


この出版社の真骨頂は営業力にあると私は感じています。時代に敏感なものもこの出版社の大きな特徴といえます。


・最近の出版業界では、毎年およそ5億冊もの返品が発生しており、多くの出版物が廃棄処分されているといわれています。


・ジャンル別では、ビジネス書、児童書、実用書の出版社が熱心に書店訪問をしているという結果が出ました。(出版企画研究所でのアンケート調査 約50社より)


・一般的には、出版物の広告では新聞がかなり有効であるのは事実です。問題になるのは「費用対効果」の点です。


・“初版の刷り部数を決める基準は何か”について、アンケートを頂いておりますので紹介します。(回答は一社で複数項目の場合もあります)


1 類書の実売実績
2 想定される読者数(想定販売部数)
3 書店人の直感
4 予想配本数
5 事前注文の状況
6 原価比率と本体価格の関係


以上はアンケート結果のベスト6ですが、一般書系の出版社と専門書系出版社では傾向がはっきり分かれました。一般書系では1 2 3 は、専門書系は4 5 6は主流でした。


・最近は多くのPOSデータが利用されています。中でも「トリプルWIN」が最も多く使われているようです。このシステムでは、搬入部数、市場在庫、実売部数の推移をグラフで表示することが可能です。


・現在、売調に多く利用されているシステムは、紀伊國屋書店のパブラインです。そのほかには、文教堂ビックネット、丸善CST、ジュンク堂“単品売れたかな”、P-ネット、アマゾンの順位、と続きます。


・例えば紀伊國屋書店のパブラインでオール紀伊國屋書店の売上げを確認し、その実績が全書店の何パーセントに当たるかが分かれば、全書店の売上がほぼ正確に予想できます。


あるPC系出版社の場合、この数値は5%~7%になるといいます。また、大手文芸書系出版社の場合、ベストセラーの場合は3%、そうでない場合のそれは5%前後とのこと。


・今のところセブンイレブンでは、PHPやKKベストセラーズ、スターツ出版の書籍が目につきます。


・売り場スペースで書店を判断するな
----わずか15坪で売上日本一の書店----


かなり前の話ですが、パソコン系出版社では“上前津詣”という現象がおきていました。それは、名古屋市の上前津というところにあるS書店・上前津店がパソコン系書籍の売上日本一を誇る書店だったからなのです。(中略)


“15坪の書店が日本一の売上”でも、なぜこんなことが起きるのでしょうか。それにはいくつかの理由がありました。


その第一は、上前津というところは東京でいえば秋葉原のようなところで、パソコンショップやPC関連のメーカーが集まっているところだったのです。


次に、当時の店長の判断で、PC関連図書の専門店にしてしまったこと、そして、さらに大きな理由は、この店の“ベスト100”の情報誌の発行です。


この情報誌によって、ここで売れている書籍が全国最先端というイメージがいつの間にか出来てしまったのです。(中略)


実はこのような体験を私はその後にもう一度体験しています。それはある「カー雑誌」を創刊し、その販売を担当したときの話です。(中略)


これまでに全く聞いたことのない書店が、この雑誌を最も多く販売していたという事実です。(中略)


その書店は三重県の山の中にありました。(現在は存在していません)家族三人で経営しているわずか15坪の書店でした。


そして、この書店の目の前には、「鈴鹿サーキット」があったのです。
   
           

・出版界には何人か“名物営業マン”といわれる方がおり、この人たちの多くは書店からこの“棚の管理”を任されています。(中略)これにはいくつかの条件があります。

1 商品知識のある人
2 必ず定期的に訪問してくれる人(週一度が条件・・・月一度では欠本期間が長すぎる)
3 信頼できる人(当然です)、困ったときに力になってくれる人


・購入のための情報収集はインターネットが主流

 インターネット 1.32
 テレビ 0.53
 ラジオ -0.50
 新聞 0.04
 雑誌 0.49

 出典『インターネット白書』


・顧客とのコミュニケーション

効果の高かった順に、

1 POPやポスターを使用した書店対策
2 ネットでの告知(アマゾン)
3 自社HP
4 読者対策(本に入っていたチラシ)
5 新聞広告
*ラジオ・TVは全く効果なし


・(POPやポスターについては)書店の作成したものを使用したほうが(より読者に近い立場)効果的。


・顧客にとっての利便性

雑誌の場合は、弘済会・即売・CVSルートが主流で、全取引量の50%を越えている。


・自社の都合よりも、社会の変化にどこまで対応できるか、それが今出版販売に求められているのです。


・私は仕事柄自費出版作品をかなり読んでいますが“面白くてためになる作品”も多いと実感しています。


・大手出版社である講談社や小学館、三省堂などもかなり以前から自費出版を事業に取り入れています。


・(自費出版)一番多いのは自分史、二番目は戦争体験、三番目は旅


・「本」は売れないのに新刊点数が増えている、実はこれが「本」を短命化させているのです。


・出版社は書店を知らなくても「本」が売れる時代は終わったのです。従来の常識を疑うことでしか活路は開けません。


      
●書籍「出版人のための出版営業ハンドブック・実践篇」より
著者:岡部一郎 氏
発行・発売:出版企画研究所
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