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高橋 一清 氏より (書籍「あなたも作家になれる」より)

このページは、書籍「あなたも作家になれる(高橋 一清 著)」から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。
          

本の帯には、「芥川賞、直木賞作家を最も多く育てた編集者がプロの作家になるための成功の秘訣初公開!」とあります。


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・候補作が決まるまで
芥川賞、直木賞の選考には両賞とも九名の現役作家があたっている。


・芥川賞選考委員と直木賞選考委員は少し違っていて、直木賞選考委員には、売れている作家、つまりベストセラー作家が多い。

いい作品であると同時に、華やかなベストセラーともなる作品選び出して欲しい賞であるため、選ぶ基準としては、やはり、そういう仕事をしている作家にお願いしてゆく傾向はある。


・「単行本を全文掲載されるのは、つらい」という出版社もある。自社の単行本の売れ行きに関わるからだという。

確かに、、雑誌に同じものが掲載されれば、単行本より手ごろな値段である雑誌を選ぶ読者が大勢いそうな気もするが、フタを開けてみれば雑誌に掲載されるほうが、単行本もよく売れるのである。


・副業で小説を書いているような人こそ、本業もたいへん充実していて、また、小説でも成功している例が多かった。


・新人賞というものは、荒削りでもいいから、読者の胸に衝撃を与えるものを、百枚くらいで書いてみせるものなんですよ


・男としてもてなかったのだろう。どうしたら女性を振り向かせることができるか。(中略)もしも彼が何もしなくても女性に振り向かせてもらえるような色男だったら、そもそも作家になることは叶わなかったのではないか。


・華やかなベストセラー小説に共通しているのは、色があるということ。色のあるタイトルは売れる。


・多くの作家がペンネームを用いているのは、親が付けた名前とは違う名前を名乗ることによって、自分ではない何ものかになり、存分に筆をふるうためなのだ。


・本来、小説とは、その時代に生きる人間心理の複雑なあやを繊細に書くもの。複雑、繊細とは、心の豊かさにつながる。


・まず十枚を読む。十一枚目を読みたい、という気持ちを起こせない小説を外す。


・芥川賞と直木賞は四人一チーム×五チーム編成である


・まじめに働いている編集者ほど、他の多くの本が読めない。自分が本にする作品を読むだけで手一杯なのだ。


・落ちる理由2
出し惜しみしている作品は弱い。


・不安にならない作家はいない。だからこそ不安は当然のこととして、最後の一行まで書き切ることである。


・一字一字に口にしながら書くのがいい。プロフェッショナルの間では「舌間にころがす」という古くからの言葉を使っている。


・書き終わるまでは「うぬぼれ」、読み返すときは「謙虚」に


・日常の中にある問題性、それもテレビや新聞などが取り上げている問題性ではなく、あなた自身が感じている、そしてあなた自身にしか気づいていない問題性に向き合って、それを書いてくださいと言っている。


・相手に好かれたいという気持ちが前へ、次へと進ませる。これは恋愛感情と紙一重と言っていいくらいの熱いものだ。そういうときの女性作家は本当に輝いて、美しくもなっていく。


・特別目立ったホームランではないが、こつこつと確実にヒットを積み重ねることで少しずつ読者の信頼を得て、少しずつ読者を増やしていった、そうして、いつの間にか国民的な作家になったのだ。(藤沢周平氏のこと)


・読者には、おおよそ次の三つのタイプがあると思う。

読者タイプ1、ベストセラーだから、皆が読むから読みたいという人。
読者タイプ2、ベストセラーではないから、もっと言えば、自分以外の誰も読んでいなそうだから読みたい人。
読者タイプ3、ベストセラーだろうがそうでなかろうが知ったことではない、とにかく自分の好きな本を読むという人。


・司馬遼太郎氏などは、入ってくる稿料や印税収入を専属の銀行に任せていた。信頼された担当者が、司馬家の預貯金の管理にあたっていたという。


・年に二百本もの新人賞原稿を読む中、そういう原石に出会える確立は、不動産やダイレクトメールでの商法でよくいう「千三つ」、つまり千に三つ当たるかどうかのそれより少ない。二千本に一本。十年に一度なのだ。

 
   
※高橋 一清(たかはし かずきよ)氏

昭和19年(1944)島根県益田市に生まれる。早稲田大学第一文学部国文学卒業後、(株)文藝春秋に入社。「文學界」「文藝春秋」「オール讀物」「週刊文春」の各編集部、出版部に配属し、多くの作家デビューに立ち合った。
     
     
             
●書籍「あなたも作家になれる」より
高橋 一清 著
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