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出口 一雄 氏より (書籍「良書の選びかた」より)

このページは、書籍「良書の選びかた(出口 一雄 著)」から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・現在世界に存在する図書の数は、推定三百億冊以上といわれている。


・「良書を読むには悪書を読まぬことだ」(ショーペン・ハウエル)


・書物を選択するには、まずその欲求、目的をはっきりさせることが肝要である。


・読書欲求すなわち書物を読む動機を、その目的に照らし合わせて分けてみると、次の三つに大別することができよう。

第一に、教養、修養のための読書。魂の糧としての書、いわゆるインスピレーションの書。

第二に、知識を得るための読書。学問的研究のための書。いわゆるインフォメーションの書。

第三に、慰安・娯楽のための読書。感情充足のための書。いわゆるレクリエーションの書。


・「古典」という意味はつぎの三つになる。

一、厳密な意味における「古典」、即ち語源的な意味においては、古代ギリシャ・ローマの代位一流の作家及び作品をさす。

二、第二義的には、右の如き古典に準じ得る後代の作品・作家・即ち各時代の最高の作家・作品をさす。従って新書の中にも古典は在し、新人の中にも立派なクラシックは在するわけである。

三、中国古典の聖賢の書をさす。従って、「古典的」という形容詞風に使用する場合は、典拠的書籍、規範的書籍を意味する場合がある。


・良書を選択するための一般的要素は、書誌学的要素、形態的要素、内容的要素の三つに大別されるが、ここでいう書誌学的要素とは、いわゆる「図書の出版事項」のことを指し、(1)著名、(2)書名、(3)発行所、(4)発行年、(5)版次、(6)発行地、(7)価格、(8)奥付、に分けて考察される。


・年間百点以上の新刊を発行する出版社を参考までにあげてみよう。(昭和三十年度)
 【発行所】  【点数】
 岩波書店    2,215
 河出書房    1,042
 新潮社     989
 角川書店    921
 講談社     460
 共立出版    404
 偕成者     353
 ポプラ社    320
 東方社     272
 有斐閣     211 ※以下省略


・昭和三十一年度版『出版年鑑』によって全国発行所を、地域別にみてみると一九三八社のうち八三%の一六一〇社が東京に存在し、ついでに大阪の九十七社、京都の七十五社、愛知の二十社がこれについでいる。


・ベストセラーは次の機関によって産み出される。
 一、書評家(厳正批評家から、なれあい書評家に至るまでの数十名の評論家家郡)

 二、大新聞(朝日、毎日、読売等)の学芸欄、書評欄

 三、「日本読書新聞」、「図書新聞」、 「読書タイムズ」などの“今週のベストセラー”

 四、週刊誌(週刊朝日、サンデー毎日、週刊サンケイ、週刊読売等)の書評欄

 五、「出版ニュース」(旬刊)の“全国ベストセラー調査”

 六、「日販通信」、「新刊月報」、「新刊ニュース」、「日教販通信」等、取次店のP・R機関誌。

 七、「図書館雑誌」(日本図書館協会の機関誌)、「学校図書館」(全国学校図書館協議会の機関誌)、「私の本棚」(NHK読書委員会による企画放送)。

いずれもそれぞれの立場において新刊書の選定、推薦を行っている。


・書評ジャーナリズムを形成するものの実態

○日刊新聞-----
 特に「朝日新聞」、「毎日新聞」、「読売新聞」、「東京新聞」等の読書欄(週一回)

○週刊新聞-----
 「日本読書新聞」(日本出版会)、
 「図書新聞」(図書新聞社)、
 「読書タイムズ」(全国出版協会)

○週刊誌-----
 「週刊朝日」=“週刊図書館”欄、
 「サンデー毎日」=“読書室”欄、
 「週刊読売」=“図書室”欄、
 「週刊サンケイ」=“週刊図書室”欄

○旬刊-----
 「出版ニュース」=“いかに本を読むべきか”、“はがき書評”欄その他

○月刊-----
 「読書相談」(日本図書館協会)、
 「読書春秋」(国会図書館)、
 「学校図書館」(全国学校図書館協議会)、
 「図書館界」(日本図書館研究会)、
 「図書館雑誌」(日本図書館協会)、
 「季刊図書館学」(東京大学図書館協学会)、
 「読書文化」(読書文化の会)、
 「びぶろす 」(国会図書館。官庁図書館研究会)

○取次店関係-----
 日販=「日販通信」(半月刊)同「新刊月報」、
 東販=「新刊ニュース」(書店版半月刊・目録版月刊)、
 日教販=「日教販通信」(半月刊)、
 栗田=「栗田雑誌通信」(旬刊)、同「栗田書籍速報」、
 共同書籍他七社=「連合月報」(月刊)

○版元関係-----
 「理工図書ニュース」(工学書協会)、
 「出版ダイジェスト」(梓会)、
 月刊「図書」(丸善)、
 「書斎の窓」)有斐閣)

○小売店関係-----
 月刊「机」(紀伊國屋書店)

○その他-----
「新読書」、「出版新報」、「出版通信」、「帆刈出版通信」、「科学図書新聞」、「博報堂月報」、「読書通信」(旬刊、日本古書通信社)

なお、日刊新聞中、地方有力紙は大体において新刊書紹介を随時掲載している。


・識者による良書推薦は、これを二つに分けることができる。
 1、個人による良書推薦
 2、各種団体による良書推薦
 日本図書館協会
 全国学校図書館協議会
 日本放送協会
 児童文学者協会
 中央児童福祉審議会


・図書に関する各種文化賞、文学賞
1、文化賞
芸術院賞、日本学士院賞、文化勲章、文化功労賞、芸術選奨・文部大臣賞、朝日文化賞、毎日出版文化賞、良書ベストテン(毎日新聞社)、産経児童出版文化賞

2、文学賞
読売文学賞、芥川賞、直木賞、菊池寛賞、野間文芸賞、新潮社賞、小説新潮賞、同人雑誌賞、女流文学賞、岸田演劇賞、日本エッセイイスト・クラブ賞、探偵作家クラブ賞、江戸川乱歩賞、現代詩人会H賞、児童文学賞、少年文学者賞、小学館児童文化賞、全国小・中学作品コンクール賞、現代俳句賞、全国小・中学校綴方コンクール賞、全国児童生徒作品コンクール賞、全国児童文集コンクール賞、
     
             
●書籍「良書の選びかた」より
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