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桑名 淳二 氏より (書籍「アメリカの雑誌ビジネス」より)

このページは、書籍「アメリカの雑誌ビジネス(桑名 淳二 著)」から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・現在、アメリカ雑誌業界では、いくつかの雑誌社が広告収入に頼るビジネスではなく、販売収入に頼った雑誌ビシネス目指している。


・アメリカ雑誌ビジネスのキーワードは「熱狂的な読者を掴まえる」


・アメリカの雑誌業界では、読者を主に習慣的読者と衝動買いの読者に分析している。習慣的読者は決まった雑誌を年間予約購読するか、店頭で毎回購入するかのどちらの方法で購入する。

それに対して、衝動買いの読者は特定の購入の雑誌がなく、店頭で、表紙やカバーラインなどを見て、雑誌を選んで購入する。

雑誌ビジネスにおける成功のポイントはまず衝動買いの読者を掴まえることである。


・販売部数のベスト100の雑誌を見ると、ランク上位の雑誌の多くは部数を前年から減少させたが、100誌のうち61誌が部数を伸ばした。伸ばした雑誌のカテゴリーを分析してみると、会員誌、健康・フィットネス誌、女性誌、リージョナル誌などであった。


・人々が雑誌の購入を決めるのは、表紙であり、記事である。編集による雑誌の中身である。ということは編集記事によって、人々を引きつけるのである。


・読者からの評価が高いコンテンツには、次のようなテーマであった。
1 おもしろ話(有名人のゴシップなど)
2 パーソナル情報(参考になる個人情報)
3 最新情報(環境など社会問題を先取り)
4 サービス記事(生活に役立つ情報)
5 感動記事
6 参加性(読者とコミュニケーションをとっている)
7 タイムリーな情報
8 調査報道(話題のテーマなデータで分析)であった。


・コミュニケーションには誘い文句が重要である
誘い文句とは、どのように、なぜ、秘密、告白、医者、豊富な、セックス、すばやく、今、簡単、やせる、勝つなどをいう言葉である。また、数字も誘い文句になり、特に、3や7のような奇数がよい。でも、10という数字が効果的である。


・雑誌づくりで重要なこと
1 雑誌は変化を続けなければならない
2 読まなくてはならないようにする
3 なぜ買ってくれたかを知る
4 お金を払いたいと思わせる
5 情報と娯楽を組み合わせる
6 雑誌の特性をアピールする
7 他のメディアの補完をする
(出典:サミール・フスニ『不況時における雑誌ビジネスで、成功をもたらし、失敗を避ける7つのヒント』


・『メンズ・ヘルス』という男性誌は同じ号で表紙が違うものを三種類も製作し、販売した。読者の心理に合わせて、中身は同じでも、写真や見出しが違う表紙を用意し、違う場所で売り出したのである。

ファッション誌の『ハーパーズ・バザー』は、内容は同じで、一つは家庭で読むもの。もう一つはハンドバックに入れて持ち運びが便利な小型版にした。


・アメリカ雑誌編集者の平均年収

1 ジャンル  平均
一般誌  87,800ドル
B-to-B  88,900ドル
会員誌  74,300ドル


2 性別  平均
男性  92,200ドル
女性  76,400ドル

・どのメディアの広告を信頼するか?
メディア   比率(%)
雑誌      20%
テレビ     13%
ラジオ     11%
インターネット 6%
出典:MPAのデータから作成(元データはMORI Research,2006)


・広告収入に頼らない読者優先のビジネスモデル
トーントン・プレス社は読者を単に雑誌のテーマに興味を持っている人々というとらえ方を越え、熱心なファン、マニア、そして、そのジャンルの耽溺者(たんできしゃ)と考えた。


・トーントン・プレス社の編集方針
成功のポイント
1 裏表紙も編集ページ
2 雑誌の内容に関係のない広告は載せない
3 少ないスタッフで一貫性のある編集作業
4 雑誌のデザインも社内で行う
5 セレブ編集長は不要
6 広告収入ではなく販売収入に基軸を置く
7 店頭販売の比率が高い
8 健全経営にこだわる


・現在、アメリカ雑誌ビジネスでは、雑誌ウェブサイトは無くてはならないものになっている。というのは、雑誌ウェブサイトにアクセスする人々が年々増えてきて、2008年には最高の数字となったからだ。


・インターネットを利用する人の41.9%が雑誌ウェブサイトにアクセスしたことを意味している。※2007年の第4四半期に雑誌ウェブサイトにアクセスした件数月6750万。2006年の同時期と比較して8.1%の伸び)


・すでに、雑誌のおいて、インターネットは確固たる地位を獲得している。しかも、雑誌が生き残るうえで、インターネットが雑誌のガイド役を果たすことができるかどうかが、最重要事項であると言われるようになった。


・『マキシム』は同じ号で4種類の違う表紙のものを作り、同じ場所で、お好きな表紙のものをどうぞと販売した。


・表紙作成のルール
次のようなことを留意すべきである。
1 読者アピール(どの読者を対象とするのか)
2 明確さ(5フィート離れた所で、瞬間に表紙の内容がわかるか)
3 発見内容(多くの雑誌のなかで、すぐに発見可能か)
4 緊急性(最近に起こった事件と関連しているか)
5 アクセス(特集記事のページにアクセスしやすいか)
6 深さと幅広さ(役立つ記事についての約束が十分か)
7 ユニークさ(雑誌の特性が表現されているか)
     
             
●書籍「アメリカの雑誌ビジネス」より
桑名 淳二 著
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