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高橋 文夫 氏より(書籍『雑誌よ、甦れ』より)

このページは、書籍『雑誌よ、甦れ(高橋 文夫 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・ジャーナリズムの編集活動における三つのポイントは、いかに「①早く、②正確に、③深く」、事実の世の中に伝えるかだ。(中略)ところが雑誌は異なる。
三つのポイントそのものは同じなのだが、重要度の順は①「深く」、②「正確に=的確に」、③「早く」とまるで逆である。


・講談社系『日刊ゲンダイ』はいわゆる夕刊の「新聞」でありながら、「ディリー・マガジン(日刊雑誌)」を旗印にかかげる。


・「事実を公にする」の中身には実は二種類ある。一つは事実そのものの「ニュース(news)」。新しく生じた事実をそのまま伝える。新聞一面の全段通しの見出しが立つようなスクープや雑誌巻頭を飾る特報もあれば、短信欄にしか載らない小さなニュースやベタ記事もある。

もう一つは、ニュースそのものはすでに世間に知られているが、実はこれまでの世の解釈とを異にし、ほんとうはこうなのですよ、実はこういう隠れた意味があるのですよ、という「解説、評価、位置付け(view)」である。それまで伝えられてきたこととは異なる解釈、位置づけをすることで、既知の事実に違う角度から光をあて、新しい情報価値を加える。


・雑誌づくりは三つのプロセスから成り立つ。
「企画」「取材」「執筆」である。


・花田(紀凱)氏はタイトルをつける際に、マーケティングの本に載っていた「売れる商品のネーミング」を踏まえ、「①覚えやすいこと、②個性的なこと、③簡潔なこと、④他のものと容易に区別できること、⑤声に出して読んで音の響きがよいこと」-----に気をつけていたという。


・よしとする編集長象を七項目にまとめたという。
塩沢実信氏の『雑誌をつくった編集者たち』によると、次の通りである。

一、民主的な人はダメ。編集プランを多数決で決めるタイプの編集長だ。

二、ワンマンもほどによりけりだが好ましくない。蕎麦ではないが、兼ね合いには二:八がいい。下からのプランが八で、上からが二という感じ。

三、たまには、編集長のわがままを通せ。

四、全五段新聞広告のバランスを考えた誌面づくりを心がける。

五、やらねばならぬもの、やらなくてもいいものの編集長としての基準をつくっておく。

六、締め切り前後のギリギリの日でも、やるべきものはやる。

七、週刊誌の長は野球監督のようなもの。二五~三〇人の選手をひきいて戦い、勝たなければ意味がない。勝つとは、売れて部数が伸びることだ。


・「教育」「妊娠・出産・子育て」「語学」「暮らし」「介護」-----これら五分野の雑誌・ウェブ・通信・教育・通信販売などをネットで総合的に案内するのは、ベネッセ。


・「知識の遠近感がわからなくなってきている」と表現するのは東京大学教授の吉見俊哉氏。


・総務省の情報通信政策局が〇七年にまとめた「情報流通センサス(平成一七年度=二〇〇五年度)」によると、消費者が自由に利用できる形で提供された総情報量は〇五年、一〇年前に比べ四一〇倍に達した。


・バイト B
キロバイト KB 10×3乗
メガバイト MB 10×6乗
ギガバイト GB 10×9乗
テラバイト TB 10×12乗
ペタバイト PB 10×15乗
エクサバイト EB 10×18乗
ゼッタバイト ZB 10×21乗
ヨッタバイト YB 10×24乗


・一ゼッタバイトは一兆GB、つまり「地球上の全砂浜の砂粒の数に相当する」(調査会社EMCジャパン)量である。


・経済産業省は次世代代の検索・解析技術の開発やその事業化の研究を目的とする「情報大航海」プロジェクト(http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/daikoukai/index.html)を推進している。


・全世界で七億七二〇〇万人がインターネットなどのオンライン情報を活用しており、そのおよそ七〇%にあたる五億人以上が『グーグル(Google)』のサイトを利用している


・面白いのは、「ハガキでもらうほうがうれしい」の比率が最も高いのは二〇代であり、「メールがよい」はほとんどゼロ。これに対して「メールのほうがうれしい」の比率がいちばん高かったのは五〇代であった。若い世代によってメールはごく日常茶飯の「褻(け)」だが、「晴れ」の正月にはふだんの通信手段とは異なるハガキこそふさわしい、と受け止めているのだろうか。


・「情報の記録・伝達手段としてデジタルメディアがここまで入り込んだ今でも、紙のメリットにはまだ目を見張るものがある」と強調するのは、ウェブジン「ITpro」の「紙は死んでいない」(高下義弘記者)


・かつての最大・単一の読書層だった「日本的中産階級」がいまや空洞化し力を失いつつあることをあらためて認識し、読み手の細分化や専門化に対応した雑誌づくりへの工夫をこらすことが欠かせない。


・雑誌づくりの基本となる「3KG」、つまり
K=仮説や切り口
G=現場
3=書き出しの3行


・気鋭の出版プロデューサーであるインキュベータ・ジャパン社長の小林里佳氏


●書籍『雑誌よ、甦れ』より
高橋 文夫 著
晶文社 (2009年2月初版)
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