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山登 義明 氏(書籍『テレビ制作入門』より)

このページは、書籍『テレビ制作入門(山登 義明 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。

・「企画」「取材」「編集」


・一本の番組を作るためには、「企画」、「取材」、「編集」、「仕上げ」という過程を経ます。


・NHKスペシャルの企画書がA4の用紙一枚ときいて驚いた人がいます。


・要約や省略といった書き直しによって、企画の意図や表現の仕方がより鮮明になるということを何度も体験しました。


・(※NHKでは)今はA4サイズに統一されています。すべて同じ分量で企画内容を書くよう決まりがあることが重要なのです。


・おもしろい提案票、よく書けている企画書が必ずしも、よい番組になるとは限りません。しかし、下手な提案票はほとんどつまらない番組にしかならない、ということを肝に銘じておくことでしょう。


・ねらいを定める-----提案票の書き方

*番組名------タイトルを記入します(副題もあればすべて書きます)。
*提案者名------ディレクター・プロデューサーの名前。
*放送希望日------オン・エアーの時期。おおよその予定。
*放送時間------番組の時間の長さ。

次に本文です。

*ねらい------番組のねらいや伝えたいこと。
*内容・構成------番組の素材。
そして最下段に補足情報を加えます。
*取材期間
*完成予定------いつ頃、番組はでき上がるのか。

(中略)この中でももっとも重要でかつ難しいのが「ねらい」と「内容・構成」です。この2つを詳しく説明しましょう。
「ねらい」は、製作者の意図・メッセージです。(中略)
「内容・構成」は、番組のアウトラインを完結明瞭に説明します。


・私は企画を立てる時、「1にヒト、2ウゴキ、3ジダイ」という三つのアスペクト(見方、視点)から、アプローチしていきます。


・NHK放送研修センターで開かれる「ドキュメンタリー講座」


・企画はこうして生まれた
小さな新聞記事から


・ローカル紙の「三面の片隅」に小さな記事を見つけました。「原爆小頭症の男性が東京の病院で死去」と書かれていました。


・新聞・特に全国紙の記事から企画が生まれることはなかなかありません。むしろタウン誌、業界紙、同人誌のようなミニコミやミディコミのほうが情報は多いと思われます。新聞に書かれているということは、そのことがすでに広く世の中に知られていると考えるべきです。企画として、新聞記事をそのまま引用した提案票を見受けられますが、これはいただけません。


・立花隆さんは新聞をうまく活用しています。新聞に書かれていないことは何か、新聞と反対の事実はないか、という視点で取材すると書いています。


・企画は連鎖するものだということです。一回付き合って終わりではなく、一つの番組を取材していく中で手に入れた新しい情報、素材を次につなげていくこと。


・“趣味の世界”からの企画は要注意です。企画の内容が危うくなります。本人がおもしろいので、世の人々も興味を持つだろうと錯覚していまうのです。


・取材の流れ
①事前取材(リサーチ)
②ロケハンティング(ロケハン)
③本取材(ロケ撮影)


・本取材(ロケ撮影)をする前に、あらかじめ現地の下見をしておきます。これをロケハンティング=ロケハンと呼びます。


・「私にとって撮影とは、“何かを探す”作業である。自分の好きなもの(興味を持ったもの)をアップにする。この場合のアップとは、何かを画面に一杯にする一般的なアップではない。ロングの画でも、私の興味のある要素が沢山詰まっていればアップだと信じている。」※新沼隆朗カメラマン


・ディレクターが構成表を書くことができないうちは、プロデューサーである私はロケにクルーを現場に派遣しません。番組全体の見通しを持たないままの撮影というのはあり得ないからです。


・ドキュメンタリーは情報そのものに価値を認める「ニュース」ではありません。映像を通して「感動」や「発見」を伝えるものです。


・ニュースとは、『広辞苑』(第二版)によれば、珍奇なこと、新しい出来事、また、その報道とあります。


・ドキュメンタリーの演出というと、すぐ事実を曲げて大仰に伝えると受け取られかねません。たとえば、桜の撮影で木を揺すって故意に花びらを散らせるようなことです。


・私は「番組」とは生き物だと考えています。


・インタビューする際の聞き手の心構えについてポイントを列挙してみます。
①聞き手は、話し手についての基礎情報、資料を事前に得る。
②話し手の緊張を解くため、居丈高な態度や大げさな語り口をしない。
③だらだらと聞かない。一回のインタビューは、十五~二十分をめどとする。
④メモ・ノートを取る。
⑤聞き手はあせらない、あわてない。


・次に映像です。二十分のインタビューをまるごと使うことはありません。編集して一分ほどのものになるでしょう。


・口下手なディクレクターのほうがインタビューがうまいということがあります。


・カメラ目線を排し、取材者の姿を隠すことが取材のポイント


・カメラマンたちが後進の指導のために作った『撮影業務入門』(NHK制作技術センター編)という小冊子です。


・取材のしがらみをいったん捨てる------編集マンの役割


・君塚良一のシナリオの書き方 考え方


・“題材に託して、いかに「おのれ」を語ることができるか”が大切なことだと思う。
木村成忠(東北放送)


・君塚さんは「踊る-----」を企画するあたり、警察組織についてかなり取材しました。そして、シナリオを執筆する段になってそのすべてをいったん捨て去ったといいます。


・「最近のテレビ番組では、『現実』が大いに『売れ』ている。それは、生活がヴァーチャル化すればするほど、私たちはほんものをほしがり、もっとほしがるようになるからだ」(『ポストメディア論』、NTT出版)


●書籍『テレビ制作入門~企画・取材・編集』より
山登 義明 著
平凡社 (2000年8月初版)
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