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岸 勇希 氏より(書籍『コミュニケーションをデザインするための本』より)

このページは、書籍『コミュニケーションをデザインするための本(岸 勇希 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・どんなに便利で魅力的なメディアやサービスが登場し続けても、絶対に変わらないことがひとつあります。それは全ての人が1日24時間という制約のなかで生きているということです。この当たり前のことが重要な意味を持っています。


・価格帯が低く、仮に購入が失敗であっても心理的・金銭的・社会的ダメージの少ない商品は、「AIDMAモデル」が適用なれる傾向にあります。

一般的には失敗したくないもの(リスクのあるもの)、例えば車や家電などの高価格帯の商材は「AISASモデル」を相性が良いといわれています。また個人により使用感の異なる、化粧品や映画などの商材も同様に「AISASモデル」が適用されるといわれています。


・「メディア・ニュートラル」とは、特定のメディアを使うことを前提に広告コミュニケーションを考えるのではなく、クライアントの課題解決のために、どのような必要になるかをニュートラルな視点で考えること


・クロスメディアは目的ではなく結果


・バズというのは、そもそもハチなどの羽の“ブーン”という音のことで、その“ブーン”という音のように、世の中を騒がしくしていく。つまり話題が人伝いに広がっていくという、クチコミを活用したプランニング手法のことをいいます。
 
 
●カップスープ&味噌汁
「『冷え知らず』さんの生姜シリーズ」
ミス冷え知らず
COLLECTION ’08


「タダコピ」というのは、コピー用紙の裏面を広告スペースにすることで、学生が無料でコピーできるようにした広告モデルで(株)オーシャナイズという学生ベンチャーが運営している大変ユニークなメディアです。
※参考:(株)オーシャナイズのサイトはコチラから


・ミスキャンパス13人を含む16大学の女子大生をモデルに起用しました。彼女たちを「ミス冷え知らず」としてモデルにした最大の理由は、「自分の大学のコピー機から、自分の大学のミスキャンパスが出てくれば、気になるに違いない」と考えたからです。


・「他の大学のミスキャンパスも見てみたい!」という、次の“気になる”を生じさせる。最終的には「WEBにアクセスすれば他のミスも見られる」ということが直感的にわかるようにする。こうしたWEBまで誘導できる“気持ち”をしっかりデザインしました。


・ポイント 演出の範囲であっても、データで嘘はつかない。


・「タダコピ」のグラフィックは、そもそもコレクター魂に火をつけ、「全部集めたい!」という人間が出てくることを狙ったバズの仕掛けでした。


・「タダコピ」のセットが、狙い通り「Yahoo!オークション」にかけられ、最終的にちゃんとした落札されたということです。
  
  
●高級機械式時計
「FRANCK MULLER」
求む、天才
  
  
●殺虫剤
「フマキラーAダブルジェット」
一発命中!
バイラル・キャンペーン


・このキャンペーンで肝となった施策は、「一発命虫シール」という直径7センチ程度のシールでした。


・日常で見つけた面白いアイデアと広告を結びつけるクセをつけておく。


・キャンペーンのプレスリリースは、商品プロモーションではなく、環境広告という切り口で展開しました。「一発命虫シール」によって、男性の飛散行為を減らし、トイレが汚れるのを防ぐという目的を中心に据えたのです。フマキラーは殺虫剤のメーカーですから、害虫駆除というのが企業としての社会的使命といえます。そういう意味では害虫を殺すのも駆除ですが、そもそも環境美化によって害虫の発生事体を防ぐという活動もある意味フマキラーらしい活動としてPRしたわけです。さらにこのコンテキストを強化するために細かい仕掛けもつくりました。それは、このキャンペーンの開始日を6月13日にしたということです。6月13日を選んだにはわけがあります。(中略)実は「小さな親切の日』なのです。そんなあまり知られていない日に照準を合わせたって意味がないのでは・・・と思ってしまうかもしれませんが、PR上ではとても大切なことで大切なことです。(中略)出来上がったコンテキストは

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         小さな親切に日にちなみ、
   フマキラーが環境美化を兼ねた広告キャンペーンを展開
        (プレスリリースより一部抜粋)
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・多くのメディアでも興味を持ってもらうために、各媒体社へキャラバンを行いました。そしてその際にプレゼンテーション・ツールとして「背負う(小)便器」というものをわざわざ作ったのです。


・キャンペーンが始まったら終わりではなく、キャンペーン開始後の利用者の声に耳を傾け、必要な工夫や修正を行う。


・(※「一発命虫シール」で)最も大変だったのは、インクの温度調整でした。男性のオシッコの平均温度、掲載される便器の表面温度、トイレの環境温度、そして洗浄水の水温などなど、繰り返し検証され最終的には1度単位での微調整が繰り返されました。こうして最終的に鮮やかにグラフィックが変わる、感度の優れたものが出来上がりました。
  
  
●ニンテンドーDS用ソフト「漢検DS」
「漢検DS」
プロモーション・
キャンペーン


・誰もがなんとなく感じているコトを“可視化”する


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      ・『漢字が書けなくなった』大人85%
   ・大人の4人に1人が『こどもに聞かれても答えられない』
         (プレスリリースより抜粋)
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・メディアに取り上げてもらいやすくするために、「漢字の日」を選んでプレスリリースを行った。


・疑似体験の徹底------出し惜しみしない

配信期間の設定はあるものの、1曲まるまる聴けるようにすると、結局本当に気に入った人は、ちゃんとその楽曲やアルバムを購入してくれるのです。
  
  
●結婚式場「マリエール」
40人40色の恋愛模様


・定番といえる、テレビCMとWEBを組み合わせたクロスメディア・キャンペーンについて紹介します。定番といっても単にテレビCMとWEBを使えば効果的に機能するわけではなく、それぞれのメディアに合った役割、表現を設計することが重要になります。


・「マリエール」のキャンペーンでは、テレビCMの接触者中約40%がWEBを訪れていることが事後調査で明らかになっています。15%以上なら大成功といわれているテレビCMからWEBへの誘導率で、40%はとても高い数字だと自負しています。(中略)ではなぜここまで多く人がわざわざWEBサイトまで訪れたのでしょうか?先ほど触れた「疑問を残す」デザインをきっちりと行っていたことが、その答えです。


・大切なのは、「○○と検索」といった誘導の“仕組み”をデザインすることではなく、「WEBを訪れてみたい」という“気持ち”をしっかりデザインすることです。


・ひとつのCMを見て投票しただけで、他の結果が急に気になるような仕組みになっているのです。さらに「他の結果も知りたい」というユーザー心理にも応えるため、40人の写真が並んでいるトップページには「共感率ランキング順に表示」のボタンを設置し、共感率の高い純にランキング形式でCMが並び替わるインストラクションになっています。


●「メ~テレ」テレビ番組の視聴促進
「ウルフィ・タッカー」
配布キャンペーン


・「使ってみれば便利さがわかる」と言いたいところですが、使ってもらうまでが一番大変・・・といったところでしょうか。(中略)便利なだけでは使ってもらえない。


・駅構内の巨大ポスターにCD-ROMを貼り付けて、そこから剥がして自由に持ち帰れるようにしたり、雑誌「Tokai Walker」内にCD-ROMを挟み込んで配る展開をしたり、少しでも話題になるよう東海エリアでは“初めて”の手法にこだわった展開を行いました。
 
 
●メディア開発
「新聞ブログ」
開発プロジェクト


・古いから、低迷しているからというだけの理由でトラディショナル・メディアを排他するのではなく、改めてそれらの価値を見直すことで、オンライン・メディアでは実現できていない優れた機能や価値を再発見することができます。


※参考:「新聞ブログ」のプロジェクトの概要はこちらから


・手を洗うのが楽しくなるハンドソープ
※参考サイトhttp://www.squidsoap.com/


・プランニングをする際に私が一番気をつけていることは、“思い込まない”ということです。(中略)“思い込まず、自分の肌感覚を疑っていく”。この視点が今、極めて重要なのです。(中略)女子高生といえばケータイ!=ケータイ依存症に違いないと思い込んでいた私は、当たり前にようにほとんどの回答は「家に携帯電話を取りに帰る」だろうと考えていました。ところが、過半数の女子高生が「取りに帰らない」と答えたのです。(中略)逆に家に帰ってまでも携帯電話を必要としているは誰かというと、私たちビジネスマンであったということが別の調査で明らかになっています。


・仕組みではなく気持ちをデザインする


・電通の名刺は実は100色存在します(冠婚葬祭で用いられる白も含めると合計101色)。(中略)クリエイティブのスタッフにはピンク系が多いなど、部署や職種による特色などもあるようです。


・圧倒的に“お得な”モノ(情報)
圧倒的に“面白い”モノ(情報)


●書籍『コミュニケーションをデザインするための本』より
岸 勇希 著
電通 (2008年9月初版)
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