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佐々木 俊尚 氏(書籍『2011年新聞・テレビ消滅』より)

このページは、書籍『2011年新聞・テレビ消滅(佐々木 俊尚 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・日本の新聞やテレビは、マスを否定されることに極度に敏感に反応するのだ。


・テレビはバカになりたいときに見る


・「ユーチューブは著作権侵害だ!」と怒るいっぽうで、ユーチューブに歩み寄ろうとしているコンテンツ企業がどんどん増えているという事実がある。


・グラムメディアという広告会社がアメリカにある。この会社が運営している「グラムメディアネットワーク)が凄い。(中略)さまざまな女性向けウェブサイトをネットワーク化し、それらのサイトに広告を配信するアドネットワークビジネスへ転換した。(中略)ブログの数は、なんと六百五十以上!


・中野晴行さんというまんが評論家の『まんが王国の興亡―――なぜ大手まんが誌は休刊し続けるのか』という書籍がある。


・実はハコモノの需要予測ははじめから「黒字ありき」で計算されているのだという。※中野晴行さん


・中野さんは子供の読者の購買力については独自に調査し、それも含めてデータの分析を行って書籍にまとめたのだという。


・故手塚治虫氏の大ヒット作品として有名な『ブラック・ジャック』。まんがを読む人でこの作品を知らない人はいないだろう。ところがこの連載が一九七三年に「週刊少年チャンピオン」で始まった時、読者アンケートはがきでの反響はほとんどなかった。だからチャンピオン編集部からは不人気作品だと思われていたのだという。あるときどうしても避けられない用事で手塚氏が連載を一回休んだことがあった。(中略)編集部に抗議の電話がジャンジャンかかってきたのである。


・「オレが面白いと思うものを作る」ことの限界


・デモグラフィックというのは性別や住所地、職業、学歴、家族構成などの属性データのこと


・特売チラシをインターネットで
Shufoo!(しゅふー)
※参考http://www.shufoo.net/


・「今日はこれを食べよう」と決めておいても、その料理に必要な食材がスーパーに安く売っているとは限らない。だったら、今日安い食材と、そのレシピを的確にマッチできる検索エンジンを作ればよいのではないだろうか?※Shufoo!(しゅふー)


・リクルートはShufoo!と同じような折り込み広告をインターネットで閲覧できる「タウンマーケット」というサービスをもともと提供していた。そしてこのサービスをさらに進化させて、折り込みちらしの宅配サービスを始めたのだ。
一週間分のテレビ番組表と地域のスーパーや家電量販店などのチラシを毎週金曜日、無料で自宅までクロネコメール便で配達してくれるのである。


・有料の電子新聞には、いくつか問題がある。

①無料のコンテンツがあふれかえっているネットの世界で、お金を払う価値のあるような良質な記事をちゃんと提供できるかどうか。

②ネット上で有料の電子新聞をスタートさせてもし成功したら、紙の新聞の読者を奪ってしまうことになる。電信新聞は価格が安いから全体の売り上げは減ってしまう可能性があるし、それ以上に読書を奪われた新聞販売店にどうやって説明するんだ?

(中略)実のところ日本の新聞業界でこの二つも問題をクリアできているのが、日経新聞だ。
まず日経新聞は専売店をあまり抱えておらず、他紙の専売店に配布してもらっているケースが多い。(中略)そして第二に、日経は経済紙という専門的な新聞で、記事に対する読書のニーズも一般紙に比べれば高い。(中略)

③紙の媒体と比べると、電信新聞は広告収益が少ない。(中略)

④有料の電子新聞は、部数がそんなに期待できない。(中略)

⑤部数が少なく閉鎖的な電子新聞は、世論形成への影響力が少なくなってしまう。


・日本のテレビ局を支える三要素

①番組コンテンツ
②電波事業
③マスメディアとしての広告効果


・テレビ局員である彼らにとっては、いちばん重要なのはコンテンツじゃなくて、実はコンテナ部分を握れるかどうかということなのだ。


・ロケフリベースステーション


・ユーチューブやニコニコ動画のようなインターネットの新しい動画サイトは、番組を断片的に楽しみ、それらを他の人々と共有するといった楽しみ方は得意だ。しかし「長い映画やドキュメンタリーをじっくり見る」「ダラダラとながら視聴する」といった用途にはあまり向いていない。その意味ではまだテレビの世界は完全にインターネットに取り込まれていないし、テレビ業界が参戦してネットと戦う余地は十分にある。


・iTunesと違ってすべて無料だ。※スポティファイのこと


・アメリカでは、音楽を聴くというプラットフォームとしてiTunesと肩を並べるほどにSNSが急成長してきている


・テレビを見る機器も、多様化していく。


・この法律が(※「情報通信法」)どのようなものかといえば、これまで「テレビは放送法」「電話やネットは電気通信事業法」とメディアによって分かれていた法律を一本化してしまうというものだ。


・セットトップボックス(STB)


・アグリエーター(集約)サイトというのは、グーグルニュースのように新聞各紙のサイトから見出しと短い要約を集めてきて、一覧表示するサイトのことだ。


・新聞社の「グーグルは敵」論に反論しよう。(中略)
第二に、いやなら止めればいいのだ。(中略)実際、グーグルニュースは見出しと要約しか基本的に表示されないので、全文を読もうと思ったらクリックして新聞社のサイトに移動しなければならない。そうやって自社のサイトに読者がきてくれれば、広告収益も上がるし、良い記事を書いていれば人気も出てくる。なんてことはない。グーグルニュースと新聞社は、
「ウィウィンの関係」
だったのだ。


・さらにフェースブックやマイスペースなどのSNSでニュースを拾う人も増えている。


・残された選択肢は二つ
道は二つだ。プラットフォームになるか、それともコンテンツ提供者と割り切るか。前者は茨の道だが、果実は大きい。後者は果実は小さいけれども、より堅実な道のりだ。


●書籍『2011年新聞・テレビ消滅』より
佐々木 俊尚 著
文藝春秋 (2009年7月初版)
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