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小池 一夫 氏(書籍『人を惹きつける技術』より)

このページは、書籍『人を惹きつける技術(小池 一夫 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・ヒットクリエイターが学んだ「キャクター」の創り方とは------

主人公のキャラクターにはね、必ず《弱点》が必要なんですよ


・キャラが「立つ」ではなく「起つ」という漢字を使います


・人の心を動かすのは、人の心でしかない。


・キリストは世界一のキャラ(中略)

このキリストに敵対する悪魔もキャラクターです。悪魔は、キリストの伝道の邪魔をしますが、決してキリストには勝てない。永遠のナンバー2です。


・決して間違えてはいけないのは、最初に「どういうストーリーを描きたいか」を考えるのはなく、「どんなキャラクターを描きたいか」を考えるということです。


・一人のキャラクラーでは起たなくても、もう一人のキャラクターが紹介することによって、キャラを起てることができるわけです。
たとえば朝のワイドショーでも、たいてい男女の二人が司会を務めています。お互いがキャラクターを起てあっているわけです。


・「主人公」
「ライバル」
「引き回し役」
の三つのキャラクラーが作る三角関係が、キャラをいきいきと動かすのです。


・主人公には「弱点」を、ライバルには「欠点」を、引き回し役には何を……?(中略)

軽率な行動をして事件を巻き起こしたりといったトラブルメーカー的な役目や、主人公の前に失敗して主人公を引き立てる役目、あるいは、読者が知らないことを説明したり、逆に読者が聞きたいことを主人公に質問してくれたりする、読者と主人公をつなぐ役目などを担っています。いわゆる「狂言回し」や、「トリックスター」といわれるキャラクターですね。


・「弱点」と「欠点」とは、同じようなものですが、違うんです。「弱点」というのは勝負の上での「強い」「弱い」ということですが、「欠点」は人格上、性格上のことなのです。

たとえば、すぐキレるやつとか、とても残忍のやつ、あるいは人を人とも思わないようなやつがいたとして、それは人間的に「欠点」だけど、勝負の上では必ずしも「弱点」ではない。むしろ、カッとなりやすいとか、卑怯な手を使うことにためらいがないとか、相手をとことん痛めつけられるといった性質は、切った張ったの勝負の世界のおいては、有利なのかもしれないでしょう。

だから「欠点」なのです。「弱点」ではない。


・主人公には「オーラ」を、ライバルには「カリスマ性」を
(中略)

世界中の神話には、同じような神と悪魔の対立の話があります。神話も現代の物語も基本的には同じ構造で、キャラクターはたった一人で起たない。主人公には「ライバル」が必要だといいました。人を夢中にさせる物語の本質は、神話の昔から変わっていないのです。


・「北斗の拳」のケンシロウだって、最強の主人公ですが、子供をつれていますね。その子供を人質にとられたりしたら、とたんにピンチになる。これが弱点です。ケンシロウは心がやさしいから、子供たちを見殺しにできない。それは弱点だけど、同時に温かいオーラでもあるんです。だからこそ、主人公として感情移入できる。


・「しぐさ」で感情を表現する(中略)

怒りを抑えるために、父親の形見のペンダントか何かを握ったり、その父親は怒りを抑えられず、それが原因で死んだとかいう思い出があって、視覚的な表現のほうが、読者にはよく伝わるのです。

恋愛もそうです。セリフで「愛している」とか「世界で一番好きだ」と百回書くよりもそっと手をつないで、手を握り返すシーンを、印象的なしぐさで視覚的に見せるほうがわかりやすい。

拳で語る。目で語る。背中で語る。行動で語る。口以外で語らせるのです。いずれにせよ、キャラクターに合ったしぐさをさせることが大切なわけです。


・乗り物や動物でキャラを起てる
(中略)

たとえば、巨漢で強そうな男が、可愛い子犬を怖がるとか、小男が大きなドーベルマンのような猛犬を、一瞥しただけで撃退するといったように、意外性のある使い方をすると、印象に残りやすくなります。


・極限状態はキャラが起ちやすい

状況ということでいうと、戦争のような人の生き死にがかかった極限状態では、キャラクターが起ちやすいのです。基本的には、物語は争いとその解決を描くものです。


・読みたいと思うタイトルを(中略)

劇画村塾では、タイトルは誰でも知っている簡単な言葉と、難しい言葉をくっつけるといいと教えました。


・モノ作りの基本は集中力


・人間は、何もない風景には長時間耐えられない(中略)

これを応用して、どうしても集中できない人には、いいやり方があります。ひたすら川の流れを映しているビデオや、フィジーなどの海岸の風景を映しているビデオを見るのです。「環境ビデオ」というやつです。(中略)

ただひたすら川の流れを見ていると、
「お願いだから一匹の魚、鯉でもいいからぴょんと跳ねてほしい」
とか、
「釣り人がいて、長い竿で魚を釣ってくれないかな」
とか、
「川原を遊ぶ子供達がいてほしい」
と思うようになる。何もないところを見続けることによってキャラクターを呼び出すのです。「キャラクターがほしい」という、本能的な欲求なんでしょうね。


・案外、発想の原点は何気ない。つまらないことだということは多いのです。大事なのは、それにどうやって肉付けしていくかです。


・漫画には三大要素とよばれるものあります。「構成」「構図」「消去」------。
本当は四大要素として「キャラクター」を入れるようこともある


・漫画の場合、冒頭に七ページを読んで、キャラクターが起ってなかったり、登場人物がわかりにくかったりしたら、そもそも担当編集者がその先を読みません。


・ラストシーンの一、二ページは、「遊び」を持たせます。作品に余韻を漂わせることによって、安定感が生まれるのです。ここでキャラクターの心情を描き、印象深く物語を終わらせます。


・消去とは、コマとコマの時間の流れを省略すること。(中略)物語に関係ないことは描く必要はないのです。キャラが「何を」「どうしたいのか」というテーマに沿って消去するのです。


・短編作品を仕上げるコツ(中略)

短編では大きなテーマを追わないことです。


・物語に対する興味がないと、いいキャラクターは創れません。


●書籍『人を惹きつける技術~カリスマ劇画原作者が指南する売れる「キャラ」の創り方』より
小池 一夫 著
講談社 (2010年1月初版)
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