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書籍『デジタルコンテンツをめぐる現状報告』より

このページは、書籍『デジタルコンテンツをめぐる現状報告(出版コンテンツ研究会 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・出版コンテンツ研究会(座長は高野明彦国立情報学研究所教授)を発足


・Googleは700万冊の本をデジタルデータ化し、それをインターネット上で公開しようとして、著作権者たちから集団訴訟を起こされました。


・今のところはパソコンかケータイかといえば、圧倒的にケータイのほうがマーケットが大きいんですよ。
佐々木隆一氏


・境 真良 氏
経済産業省商務情報政策局
情報経済課 課長補佐


・経産省文化情報関連産業課……経済産業省内の一部署。日本のコンテンツの国際取引の増加、海賊版対策強化など、日本のメディア・コンテンツ産業を活性化させることを目的としている。


・「誰もが知っている共通の話題」こそが、他人と会話を成立させるうえでは欠かせないもの
※経済産業省 境真良氏


・流通コストの問題

沢辺…インターネット上の課金の問題以外に、コンテンツ産業について、経産省が今後取り込もうと思っている課題はありますか?

境…まず一つめは新市場の開拓。これは日本国内だけでなく、インターネットや海外にもどんどん売っていくということです。そしてもう一つは、メディア産業とコンテンツ産業との関係性の整理です。これはコンテンツ課が立ち上がって以来ずっと抱えている課題でもありますが、要は「コンテンツを制作する人と、コンテンツを流通させる人、それぞれが得られる利益のバランスが取れていない状態」を是正することです。

 たとえば本の場合、著者印税はだいたい10%ですが、それだけで暮らしていくには、そうとう本が売れなければ難しい。実際、印税だけでは食っていけず、困っている著者はたくさんいます。でも、その本を出している大手出版社の社員は、年収1,000万とか平気でもらっているわけです。これはいったいどういうことか?と。(中略)

本当に儲かるべきはコンテンツを作っている人、つまり実際に絵を描いたり文字を書いたりしている人であるべきなのに、実際はそうなっていない。今までは、流通させる側の環境が安楽に作られすぎていて、コンテンツ制作者に渡る利益が少なすぎたと思うんです。コンテンツ課ではこの問題を解決するために、流通事業者の間に競争を起こすべきだと考えています。(中略)要は「作る人にもっときちんと利益を還元したい」ということです。
※経済産業省 境真良氏


・入省当時から僕のテーマは一貫していて、「マンガやアニメやアイドルの価値を世間に認めさせること」が目標でした。
※経済産業省 境真良氏


・文脈棚……共通のテーマや切り口のある本を、ジャンルを超えて並べて陳列し、購買意欲をそそる手法。東京千駄木にある往来堂書店の「文脈棚」が有名。


・『新世紀メディア論』の最初に「書籍は安泰」という話をしています。で、「新聞と雑誌はネットに取って代わられる」と。
※小林 弘人氏


・出版バリューマネジメント研究会……2005年に発足した研究会。日本の出版業界の活性化などを目的としている。


・現在最も使われているのはAmazonの書誌だろう。
Amazonの書誌データは複数の購入ソースを組み合わせて作られている。
BOOKデータベースの目次・帯情報データ
www.books.or.jp(日本書籍出版協会)のデータ
出版者が自発的にAmazonに登録するデータ
Amazonは。本のデータを仮想的に他のサイトから利用できるAPIを提供しているが、これは商業的条件付きなので公共的とはいえない。


・米国の出版社はセールスよりもマーケティングを重視するので、Googleと契約するところが多い。一方日本の出版社は、マーケティングよりもセールス(売上実績)を評価するのでAmazonとの契約が多い。


・Amazonの「本を売る」という枠組みは、日本の既存の出版流通の枠組みの中にあり、ある一線以上は踏み込まないという安心感がある。
一方Googleのサービスは、日本の出版流通の社会的慣行で縛れない(契約でのみ縛る)という不安があるのではないか。


●書籍『デジタルコンテンツをめぐる現状報告』より
出版コンテンツ研究会 著
岩本 敏 著
小林 弘人 著
佐々木 隆一 著
加茂 竜一 著
境 真良 著
柳 与志夫 著
ポット出版 (2009年7月初版)
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