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若桜木 虔 氏(書籍『プロ作家になるための四十カ条』より)

このページは、書籍『プロ作家になるための四十カ条(若桜木 虔 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・出版社が、焦って読者の購買意欲を煽るために、実質的には十万部前後しか売れていないのに「百万部突破!」などと臆面もなく広告に謳っている現象すら見受けられるほどです。


・いかに読者を楽しませるか。思想性などなくとも受賞している作品は、落語や漫才と同じで「いかに読者を楽しませるか」という娯楽に徹しています。


・(※新人賞の選考時における得点配分は)おおよそ次の配分になっている。
①新機軸・斬新さ・・・・・・三十五点(テーマのオリジナリティ)
②人物造形・・・・・・二十五点(キャラクター設定の巧拙)
※巧拙とは、じょうずとへたのこと。こうせつと読む。
③物語展開の面白さ・・・・・・二十五点
④動機のよさ・・・・・・十五点(主人公のモチベーション)


・給料を貰って働いている以上は、その道のプロフェッショナルであり、必ず何か他分野の人では知りえないような専門的知識や体験を持っているはずで、それをアピールすることが新人賞の選考では高得点になる。


・私が文化センターの講義で必ず口にするのは、「学校を舞台にする話は書くな」ということである。学校生活を体験していない人は皆無に近く、九十九パーセントの人が学校生活を(少なくても義務教育は)経験して成人になっている。となれば、学校関係の知識・蘊蓄で選考委員を感心させるのは、極めて困難である。


・往々にして、男性作家が書いた女性像は「こんな女性がいるわけありません」と女性編集者に言われるし、逆に、女性作家が書いた男性像はについても「こんな男性がいるわけがない」と感じることが多々ある。


・漫画の原作脚本の持ち込みは、割合好意的に編集部が扱ってくれるのというのは本当で、持ち込みは基本的にOKである。その理由は、絵の1ページを二百文字の原稿で書く、という漫画原作脚本の特殊性による。※要は長編小説に比べると目を通すのが早く済むから。


・持ち込みの場合は、郵送よりも、直接に編集部まで出向くことが必須か------という点に関しては、やはり足を運べるようであれば、それに越したことはない。


・視点の問題は、非常に厄介である。書き方を間違えると「小説作法がなっていない」と酷評されて大減点を食らい、公募の新人賞の選考では落選させられる可能性が高くなる。


・冒頭にショッキングなシーンを持ってくる構成はエンターテインメントでは鉄則なのが、だからといって、誰でも考えるようなシーンでは駄目である。


・①新機軸・斬新さ
②人物造形
③物語展開の面白さ
④動機のよさ
を挙げたが、実はこの四項目は、新人が出版社に作品を持ち込んで編集者に見てもらい採用してもらいうための基準(中略)ただし、十分条件ではない。


・手にした本を開けたとき、本文を見る前にまず見出しを見るはずである。その見出しに面白いそうなタイトルが並んでいるのと、単に「第*章」と羅列されてページ数が並んでいるのとでは、明らかに読者の購買意欲に差が出る。だから、タイトルのネーミングには冒頭や結末と同じくらい神経を注がなければならないのである。


・①平凡なシーンで始めない。
②物語が動き始めるまでは説明を挟まない。
③出し惜しみ構成で読者の興味を引っぱろうと考えない。
④予想のつくシーンは削り、予想のつきにくいシーンにウェートを置く。


・エピソードの出し惜しみ(あと出し)をするべからず


・正しい梗概の書き方(中略)

梗概は惹句やキャッチ・コピーではない。あくまでも選考委員に内容を知ってもらうための本文のダイジェスト版なのである。したがって、ひたすらストーリー展開をわかるやすく書くことが、梗概を作成する上でのポイントである。

※梗概(こうがい)とは、物語などのあらすじ。あらまし。
※惹句(じゃっく)とは、人の心をひきつける短い文句のこと。


●書籍『プロ作家になるための四十カ条』より
若桜木 虔 著
ベストセラーズ (2006年7月初版)
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