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佃 由美子 氏(書籍『日本でいちばん小さな出版社』より)

このページは、書籍『日本でいちばん小さな出版社(佃 由美子 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・取次口座の開設(中略)たどり着いたところは、書籍仕入部という部署だった。(中略)なおかつ、私が電話したのは取次大手のひとつであるトーハンだった。ただの偶然なんだが、無知だったわりには王道を行ったわけである。


・返品率には出版社も取次も非常に敏感だ。一種の成績表みたいに、出版社について回る。成績が悪いと、契約を見直されて条件が悪くなるってこともある。


・図書・書誌学というジャンルがあって、出版社や古本屋や著者権や自費出版などに関する本が、いっぱい並んでいる。


・本の広告は売れてきたときにもっと売るために出すということが多いらしい。評判になっていることを知らしめて、買ってみようと思わせるんだそうだ。増刷出来とか五万部突破とかいうのは、客を煽っていたわけだ。


・出版社同士で、(最近広告出しているから)儲かっているらしいとか、(最近広告を出していないから)危ないのもかもしれないとか、無言のうちに近況を伺いながら近況探りをしているという。新聞という公器を使った業界掲示板だ。


・本屋さんでは、取次から入荷した雑誌や本を棚に並べるという大きな仕事がある。これが朝なのだ。(中略)さすがに何ヶ所かかに行くうちに、朝一はダメだということに気づいて午前中はやめた。※書店訪問のこと


・印刷博物館。飯田橋のトーハン近くにある、印刷業界大手の凸版印刷という会社にくっついていた・というか、凸版印刷のメセナ施設なのか。


・精神的ダメージは、半端じゃなく大きかった。本になったのに、誰にも読まれずに切り刻まれて消えていく。せっかく生まれてきたのに誰にも愛されずに死んでいく子どものようで、めちゃくちゃ悲しい。それに、もったいないし恥ずかしくもある。しばらくは気分が滅入った。※本が断裁処分されて


・名の通った印刷製本会社からの納品だと、そういう会社と取引できる出版社として信頼されるんだと、後になって知った。


・紹介されている本の発刊日が、二週間から二ヶ月ほど先だと気づいた。(中略)日販に電話した。「うちの新刊も日販速報に載せていただきたいのですが、どうしたらいいでしょう?」あっさりと、新刊情報の送り先を教えてくれた。エクセルのファイルに書名や価格などを書き込んで、メールで送るだけとのこと。


・新刊について雑誌などで取り上げられた場合、雑誌の発売日頃にちゃんと書店に並んでいないと読書を取り逃がしてしまうらしい。そう、どこかで読んだ。


・出版業界では、一ヶ所ですべての本を網羅するデータベースはない。よく考えたら、他の業界にもないんじゃなかろうか。


・最近では、日本出版インフラセンター(日本書籍出版協会の関連団体)が中心になって、信頼に足りるデータベースの構築を進めるという動きが出てきた。日本出版インフラセンターはデータを集めるのに一点あたり五百円を徴収している。


・出版業界の人は自分の会社を弊社ではなく小社と呼ぶことが多い。(中略)広辞苑で調べてみた。すると、弊社は「自分の属する会社の謙称」、小社は「自分の会社の謙称」とあった。


・トーハン・日販の大手二社で取引を始められれば、その他の取次も数珠つなぎでOKになるらしい


・「2ちゃんねる」の中の、出版業界人が集まる掲示板を見ていた


・返本をきれいにしてカバーを巻き直して、再度の出荷に備える。業界用語では改装というと後で知った。親切な人に、消しゴムじゃなくて紙やすりを使ったほうがいいということも教わった。


・出版営業について教えてくれる人はみんな、取次(仕入部を含む本社)には頻繁に顔を見せなさいと言う。


・ある人から恐ろしいことを聞いた。新刊を出すときに取次に提出する見本が、返本として返ってくるというのだ。(中略)それも、だたブツが返ってくるだけじゃなくて、返本伝票にその数がきちんと含まれていて、当然計算書にもマイナス数字で入ってくるらしい。仕入れてもらっていないのに、引かれるのは頭に来る。(中略)

自分のところに出版社には「献本された見本は後日返品される」という覚書があったと、教えてくれた人もいた。


・新人向けなので春先によく売れる。※ビジネスマナー本のこと


・朝日の書評に出たってもうあまり売れないとか、注文は来るけどその後はいっぱい返品されてしまうと言われている。


・なんと書店からの注文は、掲載日の一週間後以降、だんだん増えていった。これは知らなかった。巷の読者は、新聞を見てその日に本を買うわけでなかったのだ。※新聞掲載されて


・新聞掲載をきっかけに、またまたどういう本を出していくべきか考えることになった。(中略)ひとりでやっているので、スピードでは勝負できない。本は紙媒体で、なおかつ雑誌のように消えていかないというところに、答えがありそうだ。


・晶文社の『月刊営業の友』に私のことを書いてくださった営業の高橋さま、「その『月刊営業の友』を読んで本書の企画を進め、本書でお世話になるだけでなく大変貴重な勉強をさせてくださった」編集の島崎さまに、心よりお礼申し上げます。


●書籍『日本でいちばん小さな出版社』より
佃 由美子 著
晶文社 (2007年5月初版)
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