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渡邉 昌俊 氏(書籍『人材活用に大事なことはすべて少年野球から教わった』より)

このページは、書籍『人材活用に大事なことはすべて少年野球から教わった(渡邉 昌俊 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・キャッチボールはおろか、ルールも全く分からず、打っては三塁に走ってしまう子や、ランナーに「ゴー」と言うと打席に入っているバッターの子まで走ってしまう始末。(中略)

6年後には行川・大沢ファイターズでは市原大会優勝、勝浦ドリームズでは県大会ほか5つの大会で優勝するなど強豪チームに作りあげることができました。


・彼らに必要なのは、一人ひとりのモチベーションを上げ、主体的に課題に取り組ませ、個々の身の丈に合った成長ができるようにサポートすること。


・試合の勝敗の責任をもちろんのこと、たとえば試合中選手が失敗したときには、それが私が指導した練習方法に間違えがあると考えます。ここぞというときに打てなかったら、選手の心のコントロールの仕方を誤ったのだと考えるのです。

さらに、チーム内でいざこざがあれば、それは私の監督不行届ですし、怪我をするようなことがあれば、その選手に合ったトレーニング方法や準備体操をもう一度検討すべきだと考えるようにしました。


・外部営業マンというのは、社労士の仕事を理解して、自分の得意先で労務関係のニーズを見つけ私に紹介してくれる、保険代理店の方や銀行員の方のことをいいます。

たとえば、ある保険会社の営業のAさんと話したときのこと。なかなか契約率が上がらないとこぼすAさんに、私はある提案をしました。

「あの会社が受給できる助成金があります。私が企業さんにそのことをお話してみましょう。そして、もらった助成金を元に役員退職金制度を作り、保険での積み立てを提案してみてはいかがでしょうか?」(中略)

このようなコラボーレーションができるパートナーをできるだけ多く作ることによって、仕事の幅も顧客の層もぐっと増えていきました。自分が動かなくなくてもお客様を積極的に見つけて仕組みを作るのです。


・「はい」「いいえ」ではなく「5W1H」で答えさせろ(中略)

子どもたちは一生懸命に聞いているように見えます。「わかったか?」と確認すると、「はい!」と、元気な返事が返ってきます。(中略)

「監督がさっき言ったことをもう一度言ってみろ」と言うと、元気のいい返事をした選手も答えられません。(中略)

「最終回ノーアウトランナー二塁で、3点差があったとき、ボテボテのショートゴロが来た。二塁ランナーは三塁に走っている。この場面でどこに送球する?」
と聞きます。すると選手は考えて、
「一塁に送球します」と、答えを出したとします。そこで理由を聞くのです。


・選手の叱り方について4つのルールを決めていました。

①人格を否定しない
②選手のせいにしない
③納得するまで話し合う
④褒めるときはみんなの前で、叱るときは一対一で


・労働基準法の側面から言うと、人格否定はパワハラとして労務紛争につながる可能性があります。

「お前はなんでそんなに使えないんだ
と言うのは、それだけで法律違反につながる可能性があるのです。
また、正当な理由なく
「辞めちまえ!」と怒鳴るのは、不当解雇につながります。


・叱るときは一対一で(中略)

皆の前で、悪い部分を指摘しなければいけないこともあります。こんなとき、私はできるだけ匿名で叱るようにしていました。そして当事者には、後からフォローを必ず入れていました。

ある時、練習が終わって、ふとグランドを見ると二塁ベースが出しっぱなしになっていたことがありました。次の練習日、私はみんなを集めて言います。

「この前の練習の時、二塁ベースが片づけてなかった。道具を大切にしない選手は上手くならないんだぞ」

みんなが、その日の当番が誰か、ベースを片づける係が誰かを検索し始めると、私はそれをとどめて言います。

「誰が忘れたか、ということではない。ベースが出ていたのを気がついたら当番でなくても片づけるのが当たり前だ」

犯人探しは絶対にさせないようにします。


・できない理由を探させるな


・打順の法則(中略)

4番バッターを任されたら、チームの中でも打撃のお墨付きをもらったも同然と考えるのはごく自然な動きかもしれません。そのため私は、打順は順列ではなく特質だということを子どもたちにもはっきりと伝えるようにしていました。自分がどの打順にいてどんな仕事を期待されているかを自覚することで、納得して自分の仕事を果たせるようになるからです。

(中略)

打順をいじるときに大切なのは、必ず選手に理由と目的を説明することです。その際も決してマイナス要因は言わないこと。

「7番に代えたのは、君が打てないからだ」

などといういい方は、子どもを傷つけこそすれ、よい結果を生むことはありません。


・向上心を持て、限界を勝手に作るな(中略)

他人から勝手に限界を決めつけられることほど理不尽なことはありません。けれでも、指導者の中には平気でそれをしている人もいます。


・自分に合った目標設定を(中略)

チームの目標である「千葉県優勝」は良いとして、自主トレである個別練習の目標は差をつけるようにしていました。(中略)

設定する目標は、指導者がそれぞれの能力を把握しながら、少し頑張れば届くレベルに設定してやることが必要です。会社も同じです。


・意見を否定しない(中略)

「なぜ、君はそう思うんだ?」と聞いて、理由を述べたらいったん受け入れます。
「なるほど。でも、その場合は監督の経験から言って、○○という結果になるかもしれない。それでも君はそのやり方をやりたいか?」
こう聞けば、彼は再び考えます。自分の意見を真っ向から否定されずに選択の余地を与えられたことで、反発心を持つことなく、よりよい方法を選ぶことができるのです。


・否定をするなら、代替論を用意する


・目立たない良いところをその場で褒めること。地味なファインプレーをみんなに知らしめる、三塁手のカバーリングが勝利のポイントになることもあるという共通認識を植え付けること。そこまでするのが監督の仕事なのです。


・負けて大泣きする子をキャプテンにする(中略)

負けたとき、本気で悔しがる子どもは、これから先ずっと伸びていきます。全員が泣いて悔しがるようなチームは、必ず強くなります。勝利への執着心は、こんなところに現われているのです。その執着心が、最後の局面で試合を左右します。だから、試合に負けたら大いに悔しがるべきです。


・答えを急がさず、出てきた答えは受け入れます。そして、自信を持って次に進めるように少し方向づけてやれば、あとは自分で積極的に取り組んでいくはずです。


・失敗を恐れされるな

ほとんどの子どもたちは失敗をしたら「しまった」という顔をします。そんなときに彼らの気持ちを前向きに持って行かせるのが監督の役目です。
「ナイスチャレンジ!」
「ナイストライ!」
と声かけをしてあげることで、彼らの気持ちを前に向けるのです。

失敗したという結果に対して怒ることは絶対にしません。なぜなら、結果を恐れて次から彼らはチャレンジをしなくなるからです。


・失敗に至った行動について、なぜあのときにその行動を取ったのかを、きちんと聞いておきます。これは叱るのではなく、失敗に至った過程を自分の中できちんと落し込み、経験のひとつとして次からの糧にさせるためです。


・失敗にも二通りあって、積極的な失敗と消極的な失敗があります。三振の場合、一般的には見逃しの三振は怒られ、思い切りスイングした空振りの三振は褒められたりすることもあります。でも、本当はそこから先の分析が大事なのです。(中略)

見逃し方にもまた、良い悪いはあるのです。それぞれの理由に対して、どうしたらよかったのか、選手と一緒に探っていきます。そこまで落とし込んでいかないと、ひとつの失敗をいつまでも引きずってしまうのです。


・「試合を具体的に想定し、正しい方法で行った練習は嘘をつかない」試合をイメージして練習をしっかりやっていれば、結果が必ず出る。


・苦難は人を成長させます。でもそれは、正しい方向を向いた苦難に限ります。


・練習には3つの方法がある。それは見る練習、聞く練習、やる練習だ。それを繰り返すことによってうまくなるんだよ


・バッティングには「正論」はあっても「正解」がなく、あまりに色々な人の言う事をすべて聞いてしまうと、かえってバッティングを崩してしまう可能性がある(中略)

答えはひとつしかないという教え方は、指導者にとってはある意味楽かもしれません。極端ないい方をすれば、自分がよしとする方法を提示して、それに合わせられない子どもは、徹底的に矯正するか排除すればいいからです。(中略)

発想は、制約された中ではなく、自由に考えさせることにより想像力は増していきます。


・初対面の情報戦略(中略)

試合前での練習では、酒井コーチの発案で、とにかく目立つところで練習をしろと指示していました。そして、どんどん声を出して、なるべく早い動くをを意識して練習をしろと言いました。キビキビした動きをすることで、どのチームが見ても「ああ、このチームは強いな」と思わせるように意識しました。

そういった試合前練習を続けていましたので、試合前の練習では、うちのチームは他チームの選手や監督から注目を浴びていました。


・空振りは失敗じゃないんだぞ。次に打てるようになるためのいい経験だと思え(中略)

過去は変えられなくても、過去の起きたことに対する自身の解釈を変えることはできます。


・「人の為」と書いて「偽り(いつわり)」と読みます。だから、人の為ばかりに何かをし、それに対して見返りを期待していると、どうも腹を立てる要因になってしまうようです。
だから、人の為にした行為は、本当は自分の為にした事なんだって思うことが、腹を立てずに済む方法なのかもしれません。

・「ソフトボールをやめたいんです。僕はソフトボールが下手でみんなについていけないから」
と言いました。確かに、彼は少し伸び悩んでいて、この前の試合でも数少ない出番でエラーをして、ひどくしょげかえっていたのです。

「かずおはソフトボールが嫌いになったの?」
私の問いに、彼は泣きそうな顔でかぶりを横に振りました。

こんなときは、下手に励ましたり元気づけたりせずに、自分で答えを見つけるまで待つしかないことを、私は経験上知っています。(中略)

ただ「お前を信じている。立ち直るのを待っているから、いつでも戻って来い」というメッセージはしっかり伝えておかなければなりません。


・「認める」という言葉の語源は、相手の良いところを「見て、心にとめる」ことです。


●書籍『人材活用に大事なことはすべて少年野球から教わった』より
渡邉 昌俊 著
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