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書籍『出版産業、改革待ったなし』(本の学校 編集)より

このページは、書籍『出版産業、改革待ったなし』(本の学校 編集)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


●出版産業の課題解決に向けて
------これからの取引・流通・販売のあり方とは


・安西浩和氏(日本出版販売・常務取締役)

右肩上がりの成長に時代には、出版界における委託販売は非常に行き届いた制度だったと思います。しかし、現在のような市場が成熟した時代においては、委託制度は行きすぎた仕組みになってしまっているのではないかと思われます。


・田中淳一郎氏(NET21・取締役副社長)

「配本の制度を上げることによって委託制度は維持できる」と私は考えています。


・小城武彦氏(丸善・代表取締役社長)

商売の原則として、顧客接点にあるものが販売すべき商品を決めるのが原則だと強く思っています。ただ、今はすぐにはできません。「どうやったらそこに近づけるのかを議論すべきだ」というのが私の意見です。

やはりお客さんと触れ合っている現場の人間こそが、お客さんの顔を見ていて、したがってお客さんの何を求めているかということを一番わかっているはずなんですね。


●自由価格本(リメンダー)は書店に利益をもたらすか?

・バーゲンブック卸のパイオニア------八木書店

八木書店の八木唯貴です。今、星野さんからご紹介ありましたように、一つの会社で本に関わる四つの仕事をやらせていただいており、私自身も非常にユニークな形態だと思っております。

具体的にご説明すると、一つは学術出版です。(中略)

それに加え、八木書店では、神田神保町の神田村で新刊取次をやっております。(中略)

また、神田神保町の古本屋街で古書店もやっています。(中略)

最後に、本日のテーマであるバーゲンブックの事業ですが、このバーゲンブックの仕入れ・卸については、私ども創業時から伝統的に扱っている商品です。


・バーゲンブック・B本

再販制度による定価販売の枠を外して書店に供給する本のこと。「自由価格本」「リメインダー」とも呼ばれる。


・田村定良氏(田村書店・代表取締役社長)

失敗を繰り返してきて、何が売れ、何が売れないかが大体わかってきました。それでも先ほど言ったように、八五%ぐらいは売ることができます。売れ残りの本については、値付けを仕入れ値の一・三倍程度にすれば、おおよそ売れきります。それでも二~三%はどうしても残りますので、それはゴミ箱行きです。


●読者ニーズに合った仕入れのポイントは?(中略)

星野渉氏(文化通信社・取締役編集長)

よく自由価格本は「3J」と言われていますよね。3Jとは、児童書、実用書、辞書のことですが、それが売れ筋だと言われます。(中略)仕入れのポイントとか、どんな傾向があるかをお教えください。

・八木唯貴氏(八木書店・常務取締役)

委託商品で催事などをする場合は、やはり3Jが中心となります。ただ、買い切り商品を書店で常設する場合、3Jの商品だけでは飽きられてしまうことがあるんですね。最初は食いつきがいいですが、多少時間がたってくると、3Jだけでは飽きられてしまいます。書店に来るお客さんは、どうしても本を求めてくるので、そういったときは人文書や社会科学書、あるいは美術書などの、もう少し掘り下げた内容の本を揃えていただくと、より長続きしやすいのではないかと思っています。(中略)

品揃えは、「バーゲンだから必ずこの分野だ」ということではなくて、やはりそのお店の立地や客層に合わせて売れるものを仕入れていただくのが一番いいと思っています。


・八木唯貴氏(八木書店・常務取締役)

出版社からの仕入れにつきましてはすべて全量買いきりというのを基本にしています。


●リアル書店の役割と機能
------デジタル時代だからこそ求められるものとは

・元木忍氏(楽天ブックス)

実は楽天ブックスびユーザーには女性ユーザーが多いんです。ですから、ライフスタイル、子育て本、教育本が売れます。とにかくお母さん向けの「子どものために読ませるような本」のような特集は積極的に取り入れていますし、そういう商材を楽天は総合のトップページでPRをしたりしています。


●書籍『出版産業、改革待ったなし!』より
本の学校 編集
唯学書房 (2010年7月初版)
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