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永江 朗 氏(書籍『ブックショップはワンダーランド』より)

このページは、書籍『ブックショップはワンダーランド(永江 朗 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・本を読むとき、それが新刊書か古本かということは、読者にとってあまり関係がないことだと思う。もっといえば、本という形をしていなくても、ある時間を楽しむための道具だったり、ある情報を得るための道具だったりする。


◆クレヨンハウス

・ここ数年、絵本を買う人に変化があると落合さんは言う。ひとつは若い男性客が増えたこと。それもガールフレンドにプレゼントするためではなくて、自分で読むために絵本を買う男性が増えた。もうひとつはお年寄り。

クレヨンハウス 社長 落合恵子さん談


◆南洋堂書店

・南洋堂は建築書の専門店。首都圏の大学で建築を勉強していて、この店を知らない学生はいない。もしいたとしたら、それはよほど勉強していない学生だ。


◆デザインブックス

・東京デザインセンター直営の専門書店である。建築・デザインを中心に、服飾文化や食文化、音楽などの本もある。また、デザインのよいグッズも扱っている。


◆ときわ書房

・深夜プラス1

正式名称はブックサカイ・深夜プラス。普通の書店だったブックサカイが、1986年、茶木さんを店長に迎えて東京初のミステリー専門書店に。


・深夜プラスで培ったものは、ときわ書房でもすごく役に立ちました。まず何をそろえるかではなく、何を切るかから始めた。(中略)半端になった児童書を切る、学参を切る、人文書を切る。どんどん切っていって、絶対に負けない分野をまずつくろうと考えた

店長 茶木則雄さん談


◆青山ブックセンター 本店

・青山ブックセンターはプロの客が多い。購買客の半数に領収書を発行する。宛名はデザイン事務所や設計事務所、そして出版社だ。ひとりあたりの購買客も一般の書店の3倍ぐらいである。


◆ブックファースト渋谷店

・私のイチオシは2階の文芸書だ。この売場に来ると、日本の文芸の「いま」が一望できる。どんな作家がいて、どんな本が出ているのか。まるでパノラマのようにわかる。本棚の前に立っているだけで楽しい。


・書店員の世界というのは不思議で、同業他社の店員とも仲がいい。「うちではこういう本が売れている」とか「あの本はこうやって陳列するとよく売れる」なんていう情報交換をしょっちゅうやっている。


・ブックファーストのスタッフの特徴は、とにかくよく本を読んでいること。読んでいるから、この作家の作風はどうかとか、この作品を読んで「よかった」と言う人には、次にどんな本をすすめればいいか、ということもわかる。


◆東京堂書店

・書店の「実力」は電話一本でわかる。在庫の有無を問い合わせたとき、ちゃんと答えられる書店とそうではない店がある。東京堂書店の対応は抜群だ。ほとんど客を待たせず、的確な答えが返ってくる。ときには何階のどの棚の上から何段目にあるかまで答えてくれることもある。


・東京堂書店は玄人受けする書店だ。場所柄、出版社に勤める人がよく利用するし、打ち合わせなどで出版社を訪ねた作家やライターも利用する。


・神田神保町は170店もの古本屋が集まる本の街だから(新刊書店は30店)、古本探しを目的で来た人も東京堂書店に立ち寄る。


・1階の、すずらん通りから入ってすぐのところに大きな平台がある。書店の平台としてはちょっと変わっている。まず高いし中央が盛り上がっている。出版業界では「軍艦」と呼ぶ。


◆紀伊國屋書店 新宿本店

・本はひとつのメディアだが、それを詰めた書店の本棚もメディアである。さらに言うなら、書店という空間もまたメディアである。紀伊國屋書店新宿本店5階のコーナー「じんぶんや」は、書店空間がもつメディア性をよく発揮している。


・「本」のメルマガ

人文書を中心に、出版情報などを提供するメールマガジン。1999年創刊。出版社員や書店員らで組織される「[本]のメルマガ発行委員会が月3回発行している。


◆教文館

・特徴は雑誌のバックナンバーがあること。ふつう、雑誌というのは新しい号が出ると前の号は返品する。しかし教文館ではバックナンバーをストックしてある。出版社に問い合わせすると「もう手に入りません」と言われるようなものでも、教文館なら見つかることが少なくない。もちろん、全タイトルというわけにはいかないけれども。


・本当はあまり教えたくないのだが、4階に「CAFE きょうぶんかん」という喫茶店がある。落ち着いた内装でコーヒーがおいしい。そして那須の修道院がつくっているガレットが絶品だ。しかも安い。あまり知られていないので、平日は空いている。まさに穴場だ。


◆書肆アクセス

・本が良く売れる地域は「(東京の人が)移住した場所」なのではないか、と畠中さんは言う。

「長野でも軽井沢とか。北海道も移住体験の本や雑誌はよく売れます。住む方法じゃなくて住んだ人の話や地元の声の本が求められていると思う。産業遺跡の本も売れますね」


●書籍『ブックショップはワンダーランド』より
永江 朗 著
六耀社 (2006年6月初版)
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