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本明 寛 氏(書籍『なぜ電車の席は両端が人気なのか』より)

このページは、書籍『なぜ電車の席は両端が人気なのか(本明 寛 著)』から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・人間には「パーソナル・スペース」と呼ばれるナワバリみたいなものがあり、そこに親しくない人に入りこまれると、落ち着かない気持ちになるのである。


・自分の中には三人の「私」が存在する。(中略)

アメリカの精神科医E・バーン(中略)が考えた自我の三つの状態というのは、「親の心」「大人の心」「子供の心」と呼ばれているもので、誰もがこの三つの心を持っているというものだ。いわば、自分の中に三人の「私」がいるようなものである。そして、状況によって三人の「私」のうち、どれかが表出するという考え方である。


・「親の心」というのは、父親が子供に対するような厳しい心をいう。


・「大人の心」は、合理的、論理的、現実的にものごとを判断しようという心の状態で、まずくなった対人関係を仲裁したいときなど、もっとも好ましく、頼りになるといわれている。


・「子供の心」は「親の心」に対応するもので、子供っぽく未熟な心の状態である。


・人間の性格というのは、このような多面性をもっているものであり、行動や表情から性格を判断するときには、画一的に決めつけてしまわないことが大切なのである。


・人が激しく非難するという行動の陰に、「投射」の心理が隠されていることは、よくあることである。(中略)

人のことをやたらに「あいつはケチだ」といいたがる人が、じつは当人がケチだとか、「あいつはミスが多い」という人が、じつは自分のミスを気にしている。(中略)

このように、やたらに他人を非難するという行動には、投射や劣等感が隠されていることが多いのだが、劣等感も投射もそれ自体は、けっして悪いものではない。それどころか取り組みようによっては、成長の糧になる。

劣等感は、自分よりすぐれた人を見て自分を向上させようという努力に向かえば、その人を大きく成長させるステップになる。

たとえば、劣等感を持つ相手が仕事に打ち込んで出世した同僚だとすれば、その人に負けないよう、自分の熱意をもって仕事に取り組んでみようと考えを改めれば、ステップアップの転記となるであろう。


・満員電車で人に触れられてがまんできるのはなぜか(中略)

まず、一つには、満員電車のような場所では、無意識的に周囲の人間を人間としてみなさないようになる。つまり、「非人格的な存在」とみなすのである。(中略)

また、もう一つには、体や視線の方向が関係している。(中略)すぐそばに立っている人と視線が合わないように顔を背けたり、その人と体の正面同士が記向き合いそうになったら、体の向きを変えようとするのではなかろうか。


・ガールハントの達人がどう女性を口説き落とすのか(中略)

女性のほうは、男性に関心があっても、初対面の男性に対しては警戒するのがふつうである。そこで彼は、女性が身を守るように腕を組んでいれば自分の両腕を広げるとか、相手が緊張しているようなら自分はリラックスした態度をとるなど、相手と逆のしぐさをすることによって、その女性の意識に自分をすべりこませていく。

その後彼は、女性が気詰まりになるぐらい相手のパーソナル・スペースに入り込んでいく。だが、反感をもたれるほどは近づかない。そして、話をしながら、女性をずうずうしいほど見つめ、舌で唇をなめたり、目を細めたりする。


・言行不一致は誰にでもある


・親のこんな行動が子供の自信を奪っている(中略)

「おまえの兄はいつも一〇〇点ばかりとっているのに、どうしておまえはそんなに成績が悪いんだ」とか、「隣の××はちゃんとしっかりしているのに、おまえはどうしてそんなにとろいのだ」など、口ぐせのように叱りつけていないだろうか。(中略)

もしも自分の子供に、こういった「おまえはダメだ」式の叱り方をしているのなら、そういう態度は改めたほうがいい。(中略)

けなされて伸びる子供よりも、けなされて自信をなくしてしまい何事にも消極的になってしまう子供のほうがはるかに多いはずだ。よく「子供はけなして育てるより、長所を見つけてほめたほうが伸びる」といわれるが、一般的にそれは正しい。


・「ごもっとも」と「なるほど」の心理術

つぎに子供に何かをいい聞かせるときの言葉について考えてみよう。(中略)

この両者の違いについて、心理学者の戸川行男氏が、「ごもっとも」と「なるほど」の違いとしてあげている。

まず、「木に昇ったらいけないといってあったのだから、いいつけを守りなさい」「勉強しないと立派な人になれませんよ」というのは、いわれれば「ごもっとも」と思うが、感情としては反感を感じ、あまり心に響かない。だから説得力を待たず、聞いた人は右から左へと聞き流したり、反論したくなったりする。

これに対し「心臓が止まるかと思った」は、木登りを直接的に禁止している言葉ではないが、「たいへん危険なことをした」という実感が子供に湧き、木登りをしていけないということに納得がいく。「ママも勉強嫌いだったけど、もっと勉強していれば、大学の先生になって・・・・・・」も、子供のいい分への直接的な答えにはなっていないが、自分も勉強嫌いだったことを正直に告げたことにより、子供の共感を呼び、「ママに食ってかかって悪かったかな」という気持ちにさせる。これらは、「なるほど」と納得させる言葉といえる。


・理屈も大切だが、理屈だけでは人の心は動かない。気持ちが伝わり、納得することができてはじめて人の心は動くものだ。


・恋を育てるジャットコースター(中略)

好きな異性ともっと親密になりたければ、恐い体験や運動をともにするというのは、なかなか効果がありそうだ。


・「読んではいけないとされている本だからこそ読みたい」といった心理もあった


・相手の趣味や好きなことをたずねるのは、相手と心を通わせるいいきっかけになる。


・心理学の用語で「ビリーフ」といって、人間はさまざまな信念や思いこみをもっている。


・ストレスの対処法がさまざまであり、ラザルスはこれを八つのタイプに分類している。

まず第一は「対決型」といって、ストレスの原因となった問題と、困難や失敗を承知の上で対決し、解決しようと努力する方法である。(中略)

第二は「距離をおく型」。困難や問題をを自分とは無関係のもののように遠ざけてしまう方法である。(中略)

第三は「自己コントロール型」。自分の感情を表に出さないように、自分をコントールしてやり過ごす方法だ。(中略)

第四は「社会的支援模索方」といって、他人や相談所などの援助を求める方法だ。(中略)

第五は「責任受容型」といい、その問題の責任が自分にあることを受け入れ、反省してあやまるという対処法である。(中略)

第六は「逃避型」、やっかいな問題から逃げ、それを忘れるために、酒を飲んだり、その、その感情を相手にぶつける。(中略)

第七の対処法は「計画型」。解決法をいろいろ検討するなど、計画的に問題の解決にあたる対処法である。(中略)

第八の対処法は「肯定評価型」というものだ。困難のあと、「勉強になった」「これを教訓にしよう」など、それまでの行動を変えていことする自分を肯定的に評価する対処法である。


・ソラクテスの「無知の知」は、名言の真意を伝えるものとしてよくとりあげられてきた。すなわち「自分は何も知らないとうことを知っている」ということである。だから、お互いに自分自身をもっとよく知る努力をしようというのである。多く人は、自分は何でも知っていると思い込んでいるものである。そのことが、人生のさまざまな失敗、不幸を招いていることを体験している人もいるのでないか。


●書籍『なぜ電車の席は両端が人気なのか~行動の心理学』より
本明 寛 著
双葉社 (2001年1月初版)
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