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守屋 洋 氏 書籍『韓非子~強者の人間学』より

このページは、書籍『韓非子~強者の人間学』(守屋 洋 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・『韓非子』は、戦国時代の思想家韓非(かんぴ)の著作である。その特徴を一言でいえば、人間不信の哲学のうえに立って、権力のあり方を追及している点にある。


・人間不信の哲学(中略)

人間を動かしている動機は、何か。愛情でもない。思いやりでもない。義理でも人情でもない、ただひとつ利益だけである。人間は利益によって動く動物である、というのが『韓非子』の認識であった。


・賞を与えるときは、なるべく手厚くして確実に与え、人民にとって十分な魅力のあるものにしなければならない。罰を科すときには、なるべく重くして確実に罰し、人民に恐れの気持を植え付けなければならない。法をつくるときには、できるだけまぎれのない確固としたものをつくり、人民に周知徹底させておかなければならない。


・トップが部下を使いこなし、思いどおりに組織を動かすには、どうすればよいか。(中略)二つの柄(ハンドル)をしっかりとわが手に握って放さないことだと『韓非子』は言う。二つの柄とは、賞と罰の権限である。


・臣下を使いこなすコツ(中略)

すぐれた君主は、二つの柄を握っているだけで、臣下を使いこなす。二つの柄とは、刑と徳である。では、刑徳とは、何か。刑とは罰を加えること、徳とは賞を与えることだ。


・『韓非子』の根底にあるのは、人間不信の哲学である。


・トップは七つの「術」を心得よ

君主は七つの「術」を身につけ、六つの「微」を警戒しなければならない。では、七つの「術」とは、何か。

1 臣下の言い分を互いに照合して事実を確かめること
2 法を犯した者は必ず罰して威信を確立すること
3 功績を立てた者には必ず賞を与えて、やる気を起こさせること
4 臣下のことばに注意し、発言に責任をもたせること
5 わざと疑わしい命令を出し、思いもよらぬことをたずねてみること
6 知っているのに知らないふりをしてたずねてみること
7 白と黒と言い、ないことをあったことにして相手を試してみること


・六つの「微」とは何か

君主が警戒すべき六つの「微」とは、次のようなことである。

1 権限を臣下に貸し与えること
2 臣下が外部の力を借りること
3 臣下がトリックを使うこと
4 臣下が利害の対立につけこむこと
5 内部が勢力争いが起こること
6 敵の謀略に乗せられること


・トップが身を滅ぼす十の過ち

1 小さな忠義にこだわると、大きな忠義を見失う。
2 小さな利益にとらわれると、大きな利益をそこなう。
3 気ままにでたらめをし、外国に無礼をはたらくと、わが身を滅ぼす。
4 政治をそっちのけにして音楽に熱中すると、自分を苦境に追いこむ。
5 欲に目がくらんで利益ばかり追求すると、国も自分の身もともに滅びてしまう。
6 女の歌舞に熱中して国政を顧みないと、国を滅ぼす。
7 国を留守にして遠方に遊び、臣下の諫言に耳をかさないと、身を危うくする。
8 過ちを犯しながら忠臣の意見を聞き入れず、あくまでも意地を通そうとすれば、せっかくの名声を失い、世間のもの笑いになる。
9 自分の力をわきまえず、外国の力をアテにすれば、国を削られてしまう。
10 小国のくせに、他国に無礼をはたらき、臣下の諫言に耳をかさなければ、地位をもちこたえることができない。


・小さな利益にとらわれると、大きな利益をそこなう。(中略)トップに望まれる自戒としては、次のことが指摘できるかもしれない。

一、大局的な判断を失わないこと。
一、常に目標管理を怠らないこと


・人間であるからには、過ちは誰にもある。問題は、それにどう対処するかだ。過ちを犯した場合、もっとも困るのは次の二つのケースである。

一、過ちを犯しても、それに気がつかない。
一、気づいても、それを改めようとしない。


・相手の気持に逆らうな。

君主を説得するための心得とは、何か。相手が誇りにしていることは褒め、恥としていることは忘れさせてやる。


・説得の極意をまとめると、次のようになるだろう。

一、相手の心を読み取ること
一、相手の信頼をかちとること
一、相手の気持に逆らわないこと
一、自分の立場や情況を考えること


●書籍『韓非子~強者の人間学』より
守屋 洋 著
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