FaxDMトップ > 会社案内 > 成功者の知恵 > 池上 彰 氏 書籍『わかりやすく〈伝える〉技術』より

池上 彰 氏 書籍『わかりやすく〈伝える〉技術』より

このページは、書籍『わかりやすく〈伝える〉技術』(池上 彰 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・聞き手の時間を無駄遣いさせる発表とは(中略)

「資料は見ればかわるだろう。ここは朗読会ではないんだから、資料を補足する説明をしてくれよ」


・放送や新聞では、「記事は逆三角形に書け」と言われます。逆三角形とは、分量ではなく、ニュースバリューが大きなものから書けということです。

1 こういうことがありました。(リード)
2 詳しくは、こういうことでした。(本記)
3 それはこういう理由でした。(理由・原因)
4 警察などが調べています。(見通し)
5 ちなみにこんなこともありました。(エピソード)


・キャスター時代に学んだことは、二つあります。一つは、「自分が最初の視聴者になって考える」観点を持ったことです。もう一つは、「なんでも図解にしてみる」ということです。


・テレビのニュースやワイドショーで、キャスターが、説明文や地図を描いた長方形の板を手に持って説明しますね。あの板のことを、NHKでは「パターン」、民放では「フリップ」と呼びます。


・「無知の知」が大切(中略)

「無知の知」とは、「自分が知らないということを知る」という意味です。(中略)わからない説明の準備は、相手が何を知らないか、それを知ることから始める。


・どれだけ「ノイズ」をカットできるか(中略)

わかりやすい説明をするうえでは、「絶対に必要な情報」と、「あってもなくてもいい情報」を峻別(しゅんべつ)し、「絶対に必要な情報」だけを伝えること。「ノイズ」をカットした、クリアな情報だけが必要なのです。


・わかりやすい説明のルール

パワーポイントはキーワードだけに


・メモの長さは、三〇分までならA4一枚で十分です。私の場合、一時間半の講演になるとA4二枚半程度です。


・矢印の使い方もピンからキリまで(中略)

商品やお金などの「移動」を示す矢印もあります。因果関係の矢印と時間の流れの矢印、それに物の流れを、ごっちゃにして使うと、わかりにくくなります。図が論理的でなくなるのです。


・みのさんの場合、「つまり・・・・・・」と間をとって一瞬ためます。そのあいだ、見ている側は、ある種じらされている状態におかれます。「何なの?」と、視線や関心が集中するのです。わずかな間をとることで、注目してもらえる。


・みのさんは、私の持ち味が、自分の意見をいうことではなく、解説することのほうにあると、見てくれていたのですね。(中略)「しゃべり上手な人」の特徴を観察するようにしました。


・個性派で、思いもよらない話でみんなを驚かせて自分のペースに持っていける人もいます。経済アナリストの森永卓郎さんは、そんなひとりです。


・「三の魔術」を活用しよう(中略)

すべてを三つに分けて整理していくと、聞き手にもわかりやすくなりますし、話もしやすくなります。

物事の分析ですと、過去、現在、将来という三段階の時間経過に分けることもできますし、現状、反省、改善点という提案の方法もあります。


・わかりやすい説明とは、常に具体的でなければいけない。これが大原則です。


・安易な接続詞の使用は、論理的な文章作りの敵になります。「そして」「だから」を多用しますと、とりあえずは文章を書き綴ることが可能になります。話がつながっているようにみえるのです。


・文章の論理的なつながりを考えて話したり、書いたりする場合は、「が」は逆説の意味だけに使いましょう。


・マジックワードは、相手に自分の話を面白く、興味深く聞いてもらいたいときに効果のある言葉のことです。まずは、「大変なんです」あるいは、「大変大変、聞いてよ」という言葉です。


・「言い換えれば」も有効な言葉です。この言葉には二種類の使い方があります。


一つは、「自分はこう言っているけれども、こういう見方もできますよ」という意味での使い方です。


たとえば、「A社はにとってこのようなメリットがあります。言い換えれば、B社にとってはリスクを生じます。」という文は、A社からの視点に加えて、B社の視点も想像させることができます。物事を一方から見るのではなく、他方からも光を当てる。つまり、「複眼思考」ができるのです。


A社にとっての利点ばかり並び立てれると、「そんなにうまい話ばかりなのか」と、相手はかえって疑心暗鬼になりますが、B社の観点からのマイナス面も提示することで、物事の見方が立体的になりますし、公正な立場で話をしているという信頼感も獲得できます。


もう一つの使われ方は、たとえば、「反対者は三四パーセントです。言い換えれば三人に一人です」という表現です。ある数字を、別の視点からも表現するもの。こちらの「言い換えれば」は、実際には削除することも可能です。


・かつては新書といえば御三家(岩波新書、中公新書、講談社現代新書)でした。専門分野の学者が、広く一般の読者に専門知識をわかりやすく解説するという性格のものでした。


・ある事柄を学ぶうえで、新書は入門書の役割を果たします。新書は、「ワンテーマ」が原則。ある一つのテーマについてわかりやすく解説していますから、そのテーマについて勉強するのに手っ取り早く役に立ちます。


・「わかる」とは、自分が持っているバラバラな知識が一つにつながるということなのだいうことでした。


●書籍『わかりやすく〈伝える〉技術』より
池上 彰 著
講談社 (2009年7月初版)
※amazonで詳細を見る