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茂木 健一郎 氏 書籍『世界一自由な脳のつくり方』より

このページは、書籍『世界一自由な脳のつくり方』(茂木 健一郎 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・日本人がイノベーションを起こせない理由(中略)

第一のポイントは、日本の文化が失敗を許さない点です。「失敗を許さない文化」は、イノベーションを起こしにくくします。iPadやiPhoneをつくったアップルは、今大きな成功を手にしていますが、実はこれまでに失敗もずいぶんしています。一九九三年に発表されたiPadの先がけともいえるハンドヘルド・デバイスの「ニュートン」は、成功には至りませんでした。


・ビジョンは、「何かをやる」ことだけで決まるのではなく、むしろ「やらないこと」で鮮明になる場合があるのです。(中略)選択と集中ができる人でなければ、ジョブズのようなイノベーターにはなれません。


・考えるだけで満足しない優れた実行力がある(中略)

残念なことに、それを商品化して世の中に受け入れられて社会を変えるというところまで強く願望している人は、それほど多くありません。研究していることで満足してる人がずいぶんいます。ジョブズは、出荷しなければ意味がないと考えます。


・そのときのプレゼンテーションです。まずジョブズは、「アップルはiTunes music storeで映画のレンタルを始める」と、格安の値段を告げます。一本の映画のレンタル料がほかに比べて驚くほど安い。「え!」と、みんなに思わせたところで、「このアップルのレンタル映画サービスに参加するスタジオはこれです」とスライドを見せる。


しかし、そこには聞いたことのないような映画会社の名前が並んでいる。みんなはそれを見てがっかりします。「やはりそうか。こういうスタジオしか集まらないのか」と。


そう思っていると、ジョブズが「ところで、次の映画スタジオも参加するんだけどね(And these studios by the way.)」と言う。


そこにはソニーピクチャーズやMGMなど、メジャー映画会社の名前がずらりと並んでいる。それで、みんな「おお~っ」と歓声を上げるのですが、そうした演出がじつにうまい。


・イギリスのケンブリッジ大学で研究を進めました。師事した教授はホラス・バーローという世界的に著名な研究者でした。(中略)


なぜ彼らがお互いのファーストネームで呼び合うのかと言えば、どんな偉い人でも、肩書きや組織のなかでの地位がどんなに高い人でも、科学のアイデアを交わすときには平等である、と考えているからです。それがイギリス人のマインドセットです。


・脳は慣れてしまったことを意識しない(中略)

日本人は発想では、大きな組織に所属していることが、その人の優秀さの証になりますが、アメリカでは逆で、組織から独立して自分の生計を成り立たせている人が一番偉い。発想が真逆なのです。


・マインドセットを自覚するには自己否定が求められる

今、日本人に一番求められているものは、自分自身からの「脱藩」です。(中略)


批判を受けたときに、「あなたはそう言うけど。こういういいこともある」などと言い返す。これではイノベーションは起こりません。自由な発想がもとになるイノベーションは、自分や現状を否定するところから始まるのですから。


・誰もが簡単にできるマインドセットの外し方を紹介しましょう。それは、マインドセットに「名前をつけること」です。


・マーベリックとは「はぐれ馬」と訳され、人と群れずに、一人で勝手に生きているような人を指して使います。アメリカではたいへんな褒め言葉で、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツなどを指して言います。


・イノベーションは、「ビジョン」と「実行力」の組み合わせから生まれます。遠くを見てビジョンを示す能力と、足元や手元をしっかり固める地道な実行力の両方をもっているのが、自由に発想してイノベーションを起こす脳と言えます。


ビジョンを示すためには、コンセプト(概要)を俯瞰できなければなりません。一方、地道な実行力を発揮するためには、物事のディテール(詳細)を把握できなければなりません。


・イノベーションを起こすのは、気宇壮大なビジョンをもちながら、コツコツと地道に実行できる人なのです。


・偶然を幸運に結びつけるための要素は、「行動する」「気づく」「受け入れる」の三つです。まず、具体的に行動することがポイントなのです。セレンディピティとの出会いも含めて、つねに手を動かしていることが、脳を鍛えてイノベーションを起こせるようになるためには非常に重要なのです。


・かつてないほどインプットの機会が増えていますが、アウトプットの機械はあまり変わっていません。インプットは無意識のうちになされますが、アウトプットは意識的に機会を設けなければできないので、どうしてもバランスがくずれてしまいます。


・ツイッター上でつぶやくのは、インプット・アウトプットの非常にいいやり方の一つです。(中略)とくに反対意見には価値があります。


・インプット、アウトプットのサイクルを回しつつ、小さな成功体験を重ねて日々回路の強化に取り組めば、その小さな積み重ねがやがて大きな成果につながります。みんなイノベーションを起こすために、大きな成功をしたいと願います。しかし大きな成功は、小さな部分からなっているのです。


・KJ法は、文化人類学者の川喜田二郎先生が考案したもので、データをカードに記述し、そのカードをグループごとにまとめ、図解して論文などにまとめるという手法です。(中略)思考の整理に非常に役立ちます。


・とくにビジネス書やノウハウ書を批判的に見る人がいますが、そのノウハウ自体が悪いわけではないのです。ノウハウを鵜呑みにして、それで全部うまくいくと思う人が悪いのです。


著者が一生懸命考えて、苦労して築き上げたメソッドなのですから参考になります。


・自分の考えていることを速いスピードでノートに書きつける行為には、とても大きな意味があります。脳は自分が何を考えているのか、出力してみないと理解できません。(中略)自分が何を考えているのかは、自分ではわからないのです。


・ひたすらノートに書くことで脳を鍛える(中略)

出力と入力のループをグルグル回すことで、脳がフローに入ると、思いもよらない発想が出てくる


●書籍『世界一自由な脳のつくり方』より
茂木 健一郎 著
かんき出版 (2010年12月初版)
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