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石川 顕 氏 書籍『プロアナウンサーの「伝える技術」』より

このページは、書籍『プロアナウンサーの「伝える技術」』(石川 顕 著、PHP研究所)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・人間一人あたりの血管の総延長は、毛細血管をすべて足すと、なんと一〇万キロ、地球二周半にも及ぶそうです。その血管に血を送っているのが、小さな心臓。その心臓を鍛えるために、トレーナーからアドバイスされたのが「歩きなさい」ということでした。


・メジャーリーグで活躍する松井秀喜選手にインタビューした際、彼が「物事には計画、準備、実行、反省とあるけど、ぼくがいちばん重視しているのは準備です。(中略)いい準備をしたときは、ちゃんといい結果が出るんですよ」と言っていました


・アクセント一つで大きなミス(中略)

本社 「あのう、大きな亀でいいですか」
支局 「はい、大きな鐘です」
本社 「鶴亀の亀ですね」
支局 「はい、釣鐘の鐘です」
本社 「確認ですが、動物の亀ですね」
支局 「はい、大仏の鐘です」

ミスはこうして起き、「大きな鐘をご覧に」のはずが「大きな亀をご覧に」という見出しになってしまったのです。


・風邪をひかない(中略)秘訣はごく当たり前のことで、毎日のうがいを欠かさないこと。うがいは風邪予防だけでなく喉の鍛錬にも効果的で、喉の粘膜や筋肉、舌の筋肉を鍛えることができます。


コツは、コップの水でうがいするのではなく、洗面所で顔を洗うときのように、水道の蛇口から手のひらで水をすくって口にふくみ、顔を上げてブクブクブク・・・・・・と。冬場は乾燥しますから、とくに一日一〇回ほど入念にいがいをします。


このとき、手のひらに口を近づけていく体勢をとると、自然と腹式呼吸になるため、お腹の筋肉も鍛えられると教えられました。


・話のうまい人は、たいていゆったりとした話し方です。せかせかした話し方や早くしゃべろうとする人に、話の名手はまずいないと思っていいでしょう。


・学生時代に「この先生の授業は眠くなるなあ」という場合、たいてい“間”
をとらない、メリハリがない、ずっと同じ一本調子で話す先生だったのではないでしょうか。


・大胆な間合いと小声スタート(中略)

たとえばプレゼンテーションの際、「さて、みなさん、次にこれだけは聞いていただきたいことがございます」と言ったあと、大胆に五、六秒の“間”をとってみてください。そうすると「え?何だ?」と聞き手に驚き、次に何が来るかと身構えます。テクニックとしてはそのとき、むしろ小さな声で話し始めます。(中略)


ここぞというときは、いつもより小さな声で話しはじめたほうが相手の関心を惹くことができるのです。


・いまから大切なことを伝えたい。そんなときには五、六秒の間合いをとって、次に小さな小声でスタート。聞き手の意表を衝いて惹きつける上級テクニックです。


・落ち着いた低い声には安定感や説得力があり、相手に信頼を与えます。大切な話をじっくり聞いてほしい、そんなときにはとくに効果的です。


・人間は、「人に褒められたい、感謝されたい、役に立ちたい」もの。年をとると、これらの「三たい」がなおさら欲しくなるらしい


・「日韓問題 懇談会」(中略)プレゼンテーションでも、自分はこの単語が言いにくいと感じたら、思いきって単語を区切って“間”をとればいいのです。(中略)


言いにくい言葉は、思いきって単語を区切って“間”をとれば大丈夫。プレゼンテーションやスピーチなどの本番で、焦らず、とちらないためのテクニックです。


・聞き手の反応を観察せよ(中略)

ほんとうに話のうまい人は、聞き手の反応を敏感にとらえています。年じゅう同じ味つけではなく、今日の聞き手はどんな感じかなと探っているのです。たとえば、あるテーマについて話しつづけていて、お客さんがもうお腹いっぱいになったなと感じたら、次のテーマに展開する柔軟性も必要でしょう。


・ウチの奥さんとかけて、治りかけのインフルエンザと解く。その心は『熱は冷めたが、セキ(籍と咳)が抜けません』


・イチロー選手が試合前にいつもカレーを食べていたのをご存知ですか?(中略)奥さんのカレーを食べることで「あ、今日はもう少し食べたいな」「今日はあまりおいしく感じないな」と、試合前の自分のコンディションをチェックするのがねらいだったそうです。奥さんは(中略)料理の腕はプロ級。母親直伝のレシピでつくるカレーは、体調をチェックする最良のものさしだったのでしょう。


・親友(中略)私はこのシンユウという言葉には、五つのシンユウがいるといつも思っていました。それが新しい友、親しい友、信じられる友、真実の友、そして、彼こそ心の友。


・俺たちの商売は、勝つか負けるか、○か×だ。でも、×のときのほうが勉強すること多いんだなあ。×も首を傾けて見る角度を変えれば+(プラス)になるんだよね、絶対

※長嶋茂雄さん談


・あがり症を克服する呼吸法(中略)

まず目をつぶって、足の裏から空気を吸い込む気持ちで大きく息を吸ってください。その吸った吸気を、膝からお腹に、そして胸から頭のてっぺんまで(あくまでそういうイメージで)もっていく。そこで一回止めて、今度はゆっくり、小さく息をフーッと吐き出す。これを二、三回くりかえすと、たいへん落ち着きます。息を吸うときは自然に、吐き出すときは最後の最後まで思いっきりが肝心です。


・スピーチの基本として、①主題、②なぜ(その理由)、③具体例、④結論の四段階に分けると聞き手にわかりやすくなります。


・「ユーモア」でつかむ(中略)

私も七十近くになりまして、最近、年をとったなと自覚することが三つほどございます。この三つのというのは、一つ目が、最近ちょっと物忘れが激しくなってきた。二つ目ですが、えー・・・・・・。

と、ここで“間”を十分にとってから続けます。

えー・・・・・・ことほどさように忘れちゃいました。


・スピーチでは、聞き手を惹きつけ、想像力を喚起させるためには、話しすぎず、余計な情報を削ぎ落とすのも重要なテクニックです。ロックバンドが、演奏中に一瞬、すべての音も声も止めて静粛の時間をつくったのちに一気に音を爆発させる、あの手法も大いに参考になると思います。


・「驚かせて」つかむ

ある結婚披露宴のスピーチの冒頭で、新郎の友人がこう始めました。

今日ほど不愉快な日はありません。

(中略)

ほんとうに不愉快です。私と彼はつねにライバルでした。そんな私が自慢できるものは唯一、家内の美貌でした。でも今日はみごとに負けました!悔しいです。聞けば性格もいいらしい。先ほどからじっと見ていたのですが、こんなすばらしい女性をお嫁さんにもらうなんて、私は悔しいです。でも、、じゃあ、私の妻も彼のお嫁さんみたいにきれいになるようにするには、私はどうしたらいいか。そうだ、もっと愛さなきゃいけなかったんだ・・・・・・なんてことを思って、今日はいちばん勉強できた日でもありました。


・「意外な話」でつかむ(中略)

張本勲さん(中略)

私は三〇八五本のヒットを打っています。「張本勲はヒットを打ったあと、一塁のキャンパスの上で偉そうに両腕を組んでいる。どうだ、俺すごいだろうっていう、あの態度はちょっと気に入らなかったな」とおっしゃる方がいました。みなさん、私があのとき、いったいどんなことを考えていたとお思いですか?(中略)


一人の張本勲は「ナイスバッティング!」と拍手喝采。もう一人の張本勲は「バカ野郎。いまのボールはホームランにできただろう。そうすりゃ、お客さんは喜ぶ、チームには点が入る、給料は上がる、家族にもっといい生活をさせてやれるのに、バカ!」。(中略)


心の中では、いつも二人の張本勲が闘っているんですよ。だからこそ、いまこうしてみなさんにちやほやしていただけるんでしょうかね。


・謙譲語は次の二つに分けられますが、この使い分けがよく混同されます。


①自分からの動作で相手を立てる言い方
「うかがう」「申し上げる」「お目にかかる」「差し上げる」「ご説明する」など


②自分の行為をへりくだることで相手を立てる言い方
「参る」「申す」「いたす」「存じる」など(中略)


「拝見させていただく」(二重敬語)(中略)

「拝見する」だけで「見せていただく」という意味で、すでに謙譲語ですから、さらに謙譲語「させていただく」をつけると二重敬語になってしまいます。「拝見します」で十分なのです。


「お休みになられる」
これも「お」と「なられる」の二重敬語です。「お休みになる」あるいは「休まれる」でよいのです。


「お見えになられました」
聞き覚えのあるフレーズですが、これも「お見えに」という「来る」の尊敬語と「なられる」の二重敬語。「お年をお召しになられる」は三重敬語になっていますね。


二重敬語は無意識でよく使われていて、たとえば「ご婦人」にしても「婦人」のみで敬語ですし、「ご新婦」も「新婦」で十分に敬語になっているので「ご」は不要です。


・相手に失礼なフレーズ(中略)

「ぜひ~していただけませんか」

これはとても丁寧な申し出の表現になりますが、「ぜひ」は、もともと「是が非でも」という強い願望を表す言葉であって、使い方によっては相手に強制し、押しつけがましいと感じさせることがあります。とくに親しくない人には使わないほうがよく、控えるのが礼儀です。


「ご都合がよろしければ」「お差し支えなければ」、もしくは「もしお時間がおありでしたら、会っていただけまんでしょうか」というような言い方がいいでしょう。


・「アポイントはお取りですか?」

日本語としては正しい表現でも、相手を不愉快にさせてしまう言い方があります。(中略)自分が疑われているような印象さえ受けます。相手の気持ちに対する配慮に欠けるのです。「恐れ入りますが、お約束をいただいておりますでしょうか?」というような言いまわしを使うべきでしょう。


・目上の方への言葉のマナー(中略)

「あなた」「こんにちは」という言葉も、正式なビジネスの場では、目上の人に対してたいへん失礼な言葉であることを覚えておいてください。(中略)


「こんにちは」は、(中略)これだけではフレンドリーになりすぎの場合があります。たとえば「こんにちは、ご無沙汰しています。お久しぶりです」と「こんにちは」に続くフレーズが入れたほうがいいですね。


・日本語の間違えと重複後(中略)

「とんでもありません」「とんでもございません」
これらは「とんでも」「ない」の合成語ではなくて、「とんでもない」で一つの形容詞なのです。したがって「ない」という一部だけを「とんでもありません」「とんでもございません」と、ほかの言葉に置き換えることができません。


丁寧語にしたければ、「とんでもないことです」とか「とんでもないことでございます」と言わなくてはいけません。


・日本語の間違えと重複後(中略)

「およそ三十分ほど前に参りました」(中略)

これは「およそ」と「ほど」が重複しています。「毎週土曜日ごとに」の「毎」と「ごと」も同じ意味の反復。「犯罪を犯す」は典型的な例ですね。


野球中継ならば、「ライト、イチロー、前に前進、前に前進」「うしろにバック、うしろにバック」。「一塁ベース」と平気で使っているアナウンサーもいますが、「塁」とは「ベース」のことですから、正しくは「フェーストベース」です。


ほかにも「平均アベレージ」「家庭の主婦」「時速一二〇キロのスピード」「被害をこうむる」など、日常でもけっこう耳にします。


・結婚式では使ってはいけない言葉

終わる、重ねて、ふたたび、切る、破れる、別れる、離れる、出る、戻る、去る、去年、帰る、返る、飽きる、滅びる、苦しい、壊れる、とんだこと


●言い換える例

ケーキをナイフで切る → ケーキにナイフを入れる
新婦が会場を出る → 新婦が中座する
披露宴が終わる → 披露宴をお開きにする
席に戻る → 席に進む


・桜は「散る」、椿は「落ちる」、萩は「こぼれる」と言いますね。牡丹は、あの強烈な匂いを残して散っていくことからの連想でしょう、「くずれる」という言葉を使うのです。牡丹をみごとに形容した表現ですよね。日本人の繊細な感覚をじつによく表していると思います。


・当時のJALの社長、松尾静麿さんがその機長についてこう話しました。

「(着陸許可も下りていましたし)ベテランの彼ならば、『自信があるから降りよう』と思えば、できたと思うのです。しかし、あえて彼は安全第一を重視し、福岡に行ってくれました。おかげ様で事故にはいたりませんでした。私は彼こそ『臆病者と呼ばれる勇気』をもっていた、すばらしいパイロットだと思って感謝しています」


・人間の心は幸せになる自由をもっています。同時に、一本棒を取って辛い、不幸だと思う自由ももっています。感謝するかしないかは勝手ですが、感謝して心が幸せになるのなら、みすみすそれを逃す手はないでしょう。


・最後までお読みくださって、ほんとうにありがとうございます。「ました」ではご縁がなくなりますから、心から「ありがとうございます。」


●書籍『プロアナウンサーの「伝える技術」』より
石川 顕 著
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