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長沢 規矩也 氏 書籍『理想的な著者・出版社・印刷所・書店』より

このページは、書籍『理想的な著者・出版社・印刷所・書店』(長沢 規矩也 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・理想的な著者(中略)

校正は再校でとめるのが理想で、せいぜい三校まで、四校を要求するのは、著者として恥ずべきもの、原稿か初校かが完全でなかったことをみずから印刷所にさらけ出すこととなるというのである。


・江戸時代の著者は、大体、印税方式をも、原稿料方式をも取られず、出版者のあてがいぶちの金品を受けていたようである。酒何升とかいう例も少なくない。(中略)印税方式が確定したのは、欧米文化が輸入された明治以来のことであった。


・妥当な印税率と支払い時期(中略)

辞書は、編者一人で作れるものではなく、協力者が何人かいる。それらの協力者の受領額を含めて六分というのが妥当であり、協力者の中には、印税方式ではなく、初刷の出版までに支払いを完了すべきものもあるはず。


・理想的な出版社(中略)

原則としては、どんな内容の本を、どういう著者に執筆させて、どんな書名をつけ、どういう体裁の本に仕立てて、どれくらいの部数を造り上げ、どれくらいの定価にして、いつごろ出版し、どんなルートで配本し、どの紙上を借りて、どういう体裁で、いつごろ広告するかということになろう


・書物によっては、定価を高くしたからとて売れ行きが落ちそうにもなく、低くしてからとて沢山売れそうもないというものがある。一方、逆に、高いと売れず、安いとよく売れそうな本もある。その判断がつくようなら、出版者としてもう優等生である。


●書籍『理想的な著者・出版社・印刷所・書店』より
長沢 規矩也 著
発行:汲古書院(1977年10月初版)
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