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財津 正人 氏 書籍『本のある生活~本活のすすめ』より

このページは、書籍『本のある生活~本活のすすめ』(財津 正人 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・僕、書店経営をしたことがあるから分かるんだけど、書店は大手出版社偏重主義なんですよ。しかも本当に大手がいいと思っている人が多い。だけどそれは非常に危ないですよね。

北尾トロ談


・ブッククロッシングって何?

ブッククロッシング(BookCrossing)は、本を愛する人たちによる「本を世界中に旅させる」活動だ。

※参考:http://www.bookcrossing.jp/


・「この本はおとしものではありません。ブッククロッシングと呼ばれる、本を旅させるプロジェクトです。自由にお持ち帰りください」と書いた紙に目が行く仕掛けをしていた


・「本で遊ぶ」行動は、広島で開催させるブックイベント、「ブックひろしま」であり、「不忍ブックストリート」(東京・上野)、「ブックマート名古屋」、「福岡ブックオカ」などに続く地域の「本のお祭り」


・ある経済研究所がデータを出していて、二〇一四年の出版販売額は〇九年度比二三%減の一兆四九〇〇億円に。電子書籍は二〇一四年までに一五一〇億円、ネット書店が二〇一二年までに一六五〇億円の売上をあげるだろうと推測している。そして三〇〇の出版社がこの二年間で広告収入が平均三五%落ち込むだろうとも。


・電子書籍の時代が来たといって一番騒いでいるのが紙の本だったり、週刊誌だったり。


・小売業で書店業の収入が二番目に低いんですね。一番低いのがパン屋さんらしいんですよ。


・岡崎武志氏:新聞の出版広告なんかの推薦文とか、書評の書き手に、書店員がすごく増えたよね。

財津正人氏:あれは無料だからですよね。


・岡崎武志氏:責任販売制って、返品については総送品に対して、何パーセントまでは取りましょうってタイオウもあるみたいです。


・再販制度とは、定価が一〇〇〇円の本は、新品であれば必ず一〇〇〇円で売りなさいという定価販売の制度。出版社がつけた価格を書店は守らなければならず、再販の対象外となった絶版本などでない限り、安売りはできない。


・書店は仕入れた本の代金を当月またが翌月に、原則としてすべて取次会社に支払わなくてはいけない。そして、その後返品した本の代金が返金させる。要はその後の仕入れ金額から相殺させるのである。


・よく出版社の人は、新刊委託された本の仕入れ代金を書店が支払うのは入荷から四カ月後、それも売れた分だけだと思っている。(中略)


一〇五日は返品を受け付ける期限にしぎない。委託といえども書店は一度当月か翌月に、全額を取次に支払わなければならないのだ。


出版社の人がこのように書店の支払い日を誤解するのには、もうひとつ理由がある。大多数の出版社では、取次から新刊委託の本の支払いを受けるのが、出荷から六~八カ月後だからだ。その際、出荷分から返品分が相殺されて清算させる。


・大手や古くからある出版社の場合には、委託した金額の一定割合(全額とか半額とか四割とか)のお金が、出荷の翌月に取次から支払われる制度があるのだ。つまり本をつくれば、実際に売れても売れなくても、ある程度のお金が翌月に入ってくる。

となれば、そういう条件の出版社は、資金繰りに困ったら自転車操業的に本をつくりまくるのは必然である。


・書籍の返品率はいまや約四〇%(金額ベースの統計。数ベースでもそう変わらないだろう)。この数字の分母(書店への送品金額)には、お客様の注文品など買い切り本の出荷分を含んでいるから、新刊委託についてだけ見れば、実は六〇%くらいが返品になっていると考えられる。


・新刊書籍の書店への配本は、出版社の「指定」と取次の「パターン配本」によって行われる。大手の出版社などは、書店に専用の棚を確保していることも多く、どこの書店に何部配本するかを出版社側で「指定」して、取次はそれに従って本を仕入れて書店に届ける。


・書店からの注文が来ているのをいいことに、五〇万部印刷して出荷したら、実際に売れたのは二〇万部で三〇万部は返品。返品の山を抱えて大赤字、といったことが実際に起こるのが出版の世界なのだ。


・書店営業代行業者の報酬は、書店からの受注金額によって、歩合で決まることが多い。例えば、書店から一〇万円の注文をもらったら、その三%の三〇〇〇円が報酬というように。


・書店は、ほとんどの場合一社の取次と取引して本を仕入れている。一方、出版社は複数の取次と取引して、注文があれば日本中のほぼすべての書店に本を届けられる状態にしている。


・取次を通さない出版社の出現(中略)

個別取引ができるのは、ある程度売れる本を継続的に出すことのできる出版社に限られる。


・書店の万引きは本当に深刻なのだ(中略)

大きな書店では一年の予算を組む際に、売上予想に対して約三%の損金計上するという。それは万引き被害の予想額だ。


・南陀楼 綾繁 氏:みんな読書率の低下みたいに言うけど、実際のところ読書率は低下していないんですよね。新刊書店で本を買うルート以外の過程。たとえば図書館、古本屋、もしくは友達から借りる。そういった読書するときにいろんなルートがあるのを考えていない、もしくは無視しているかですよね。


・「活字離れ」の実態は、本を買って読む人の数が減っているという意味です。「活字離れ」と言うんだったら、そもそも活字づいていた「活字離れ」していない層が、今までどれくらいいたのかをまず検証すべきですよ。


・ミシマ社も情報をオープンにしているから、サイトに本を置かせてもらっている書店のリストがあるじゃないですか。そのリストを見れば、他の会社はその書店に直接営業かけたり出来ますよね。ミシマ社が築いたところに便乗する出版社が結構あるのではないかと思うんですよ。


・電子書籍になると出版社や書店はいらなくなるのか(中略)

「出版社や編集者は必要なくなる」というのは明らかにウソだ。僕は、むしろ玉石混合の電子書籍だらけになったら、質を保証する出版社や編集者の役割はより重要になると思う。


・電子書籍の長所

●端末を携帯していれば、いつでもどこでも「本」が読める
●本の置き場所に困らない(大量の本を携帯できる)
●紙代や印刷代がいらないので、「本」を安く入手できる
●絶版になりにくい
●検索できたり、音や動画を入れられるといった便利さがある
●ソーシャルメディアと連携するなど、新たな「本」の可能性がある
●従来の流通の枠外にあるので、古い流通に縛られない


・電子書籍の欠点(紙の本の優位性)

●読みにくい、疲れる
●端末が壊れたり電池切れで使えなくなる可能性がある(安心感がない)
●アナログ的な直感性がない
●「本」が消えてしまうことがある
●複数の規格が存在することやコピー問題などによりアイテム数が増えない
●質感がない(装幀、手触り、本のある空間など)


・いま、「あなたの本をつくりましょう」と言う出版社はかなりあるが、このように、「あなたの本を売って本業を発展させましょう」と言ってくれる出版社はほとんどないだろう。


・僕が昨年関わった本も、アマゾンキャンペーンで四〇〇〇部を売った。


・本って読むのに結構な時間をとるから。勧められても次にその人に会ったときに『あの本読んだ?』って聞かれるのがつらいんだよね、僕は。


・二極論ではないけれど、本には毒もあれば良薬もある、本に書いてあることなんか、うそも多いし間違えもある、新聞や雑誌もそうだけど、うのみにするのが一番良くない。


・簡単に読書癖をつける三つのコツ(中略)

1.おもしろくなければ、途中で本を閉じる。
2.飛ばし読み上等。
3.アウトプットしよう。


●書籍『本のある生活~本活のすすめ』より
財津 正人 著
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