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書籍『編集者になる!~編集者になるためのスピリッツ&実践ガイド』(CWS 編)より

このページは、書籍『編集者になる!~編集者になるためのスピリッツ&実践ガイド』(CWS 編)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・企画を考える三つの要素(中略)

「だれに対して伝えるのか」「何を伝えるのか」「どのように伝えるのか」ということです。この三つのアプローチから企画を考えます。


・三つの編集の技術を身につけるために必要な能力は、これも三つあります。ひとつは「取材力」です。もうひとつは「表現力」。それに「企画力」。(中略)


「企画力」は発想することです。「取材力」は発想を展開させていくこと。「表現力」は発想を定着させることですね。

※島本脩二氏


・売れる商品のネーミングの五カ条(中略)

一番目は「覚えやすいこと」。二番目は「個性的なこと」。三番目は「簡潔なこと」。四番目に「他ものと容易に区別できること」。(中略)五番目は「声に出して読んで音の響きのよいこと」。五感への働きを考えてネーミングする

※花田紀凱氏


・早川書房はミステリやSFマニア、純文学バカ、映画オタクの集団のような出版社という印象を与えますが、現在はいざ知らず、ぼくが五年ほど前に退社する時点では、実際そのとおりでした。

※風間賢二氏


・早川の編集部は三つの部署に分かれている。第一編集部はミステリと普通小説、雑誌『ミステリ・マガジン』、第二編集部はSFとファンタジー、雑誌『SFマガジン』、第三編集部はノンフィクションと演劇関係、雑誌『悲劇喜劇』といったぐあい。

※風間賢二氏


・早川書房は我が国でも有数の翻訳本ビジネスの出版社です。したがって、編集者の主な仕事は、作家に原稿を依頼することではなく、売れそうな未訳本を探すことからはじまります。この本探しには三つのルートがあります。


まず、<エージェンント>と呼ばれる著者権代理店から会社に送られてくる原書を検討する方法。(中略)


海外の書評誌・情報誌や各出版社の近刊カタログにまえに目を通し、売れ筋本をほかの出版社よりいち早くキャッチし、エージェントにその本をリクエストすることによってツバをつけるということです。これが第二の方法。


そして最後に、洋書店を足しげく通っておもしろうそうな新刊をチェックすること。

※風間賢二氏


・我が国のエージェント業界は、最大手のタトル・モリエージェンシーがシェアの六割を握り、第二位の日本ユニエージェンシーと第三位のイングリッシュ・エージェンシーが三割を争い、残り一割をフランス著作権事務所が占めています。

※風間賢二氏


・優秀な編集者とは(中略)なんといっても企画力の持ち主であることです。あるいはユニークな発想の持ち主といってもよい。同時に、アンテナをたえず張りめぐしている情報通であるということ。

※風間賢二氏


・本とコンピュータがどう関わるのか。ぼくは三つのレベルがあると考えています。

第一のレベルは「DTP」ですね。デスク・トップ・パブリッシング。卓上出版とは机上出版と訳されています。(中略)


第二のレベルはいわゆる「電子本」です。(中略)第三のレベルとして、最近、注目され始めている「ネットワーク出版」があります。デジタルデータ化された文字を、そのまま電話線や光ファイバーを利用して、めいめいがコンピュータにオンラインで呼び出して読むという方法ですね。

※津野海太郎氏


・原価率は、まず「製版代・印刷代・製本代・資材費・印税・稿画料・編集費」をたした合計を「定価×部数=生産高」で割ります。これに一〇〇をかけるとパーセントが出てきます。この出てきたパーセントに印税率を加えた数字が原価率です。著者に払う印税は、ふつうは一〇%です。

原価率=(直接原価÷生産高[定価×部数]×100)+印税率(10%)

※松田哲夫氏


・「広告宣伝費」があります。出版社によっていろいろですが、書籍の場合には生産高の六%くらいが基準ではないでしょうか。たとえば、五〇〇〇部で二〇〇〇円の本の場合、生産高は一〇〇〇万円ですね。この六%ですから、宣伝費は六〇万円までということになります。

※松田哲夫氏


・雑誌の編集者の条件について三つふれます。

ひとつ目の条件は「理念を持つ」ということです。もちろん好奇心が旺盛ということも大切ですが、もっと重要なことは理念ですね。(中略)自分が雑誌をつくることによって、「どういう読者」に「何を訴えるのか」。こういう理念なくして本や雑誌はつくれないんですね。(中略)


二番目は「表現力を持つ」ことです。(中略)どんな理念も、ページを通して読者に伝わらなければ意味がない。(中略)


三番目に大切なことは、「売れる雑誌をつくる」ということです。だれが買うかわからないものをつくってはいけない。

※島田始氏


・「アドバトリアル」という概念は、広告が入らなくては雑誌が成り立たない状況の中で、編集の主体性をどういう形で確立していくか。言い換えれば、どうやったら相手のお金を利用していい雑誌をつくるか。

※島田始氏

※参考:「アドバトリアル」とは、advertisement(広告) と editorial(記事)の合成語。記事体広告と訳される。はてなキーワードより


・写真の発明が公表されたのは、百五十年ほど前の一八三九年のことです。(中略)

フランスの画家、発明家、ルイ=ジャック=マンデ・ダゲールが一八三九年にダゲレオタイプの技術を公開。これが世界最初の実用的な写真技法であり、あっという間に世界中に広まっていった。

※飯沢耕太郎氏


・印刷業界には約三万社からなる業者がいますが、三十人未満の会社が圧倒的に多く、約二万九千社あります。中規模の三十人から九十九人までの会社が約千六百社、百人以上の大きな会社は四百社くらいしかありません。

※千葉雅哉氏


・書籍の性格上の特徴である「非代替性」は、「多品種少量生産」という方式をもたらした。再販制度による価格の安定が、このシステムを強固にし、委託販売制度と二大取次店の寡占状態は、もうひとつの書籍流通システム、「新刊配本」にも大きく影響を影響を与えている。

※田口久美子氏


・「ていばんシステム」

POS(Point of Sales=販売時点情報管理)レジの普及により把握可能となったジャンル別の売れ行き良好書を、日販から書店に対してその書店の規模・立地に合わせたセットとして案内するシステム。九五年六月に児童書のジャンルから開始した。


・「オーダーベスト」

トーハンの各種データとPOSレジのデータをもとに、ロングセラー商品を各ジャンルごとに定番商品として書店に案内、必備図書と商品が補充される。主旨は日販の「ていばんシステム」と同じ。九五年七月より七ジャンルで一斉に開始した。


・「校正」と「校閲」の違い(中略)

文字の「校正」は印字が原稿と合っているか間違っているかを照らし合わせる作業です。「校閲」は中身のチェック、事実関係の確認をすることです。

※松永真氏


●書籍『編集者になる!~編集者になるためのスピリッツ&実践ガイド』より
CWS 編
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