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内田 和俊 氏 書籍『仕事耳を鍛える~「ビジネス傾聴」入門』より

このページは、書籍『仕事耳を鍛える~「ビジネス傾聴」入門』(内田 和俊 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・「聴く」と「聞く」(中略)両者の違いは以下の通りです。

「聴く」:相手の真の要求(ニーズ)を的確に捉えることができている状態。具体的には、「言外に含まれる隠れた感情まで読み取れている」「言葉には表れない相手の真意を理解している」ときに「聴く」という字を当てています。「聞く」:鼓膜は振動しているものの「聴く」には至っていない状態。


・「聴くこと」に関する第一ポイント(中略)

「聴いているのか」それとも「聴いていないのか」を決めるのは、聴き手である「あなた」ではなく、話し手である「相手」だということです。


・多くの人にとって、コミュニケーションは常に交換条件で成り立っています。つまり、あなたが私に本音で語るなら、私もあなたに本音で語ります。あなたが私の話を真剣に聴いてくれるなら、私もあなたの話を真剣に聴きます。(中略)これが人の世の常です。


・「聴くこと」に関する第二ポイントを紹介します。それは、「よく聴く」=「長く聴く」ではないということです。この思い込みを手放さない限り、私たちは聴くことに対して消極的になってしまいます。なぜなら、部下が多ければ多いほど、受け持っている顧客が多ければ多いほど、聴くことに膨大な時間とエネルギーを費やさなくてはならなくなってしまうからです。


・コミュニケーション能力とは、「聴く能力」+「話す能力(伝える能力)」という総合力なのですが、このように多くの人が「聴く能力」を無視または軽視しているという悲しい現実があります。


・まず先立つものは「聴く能力」つまり「相手の真意を理解する能力」です。それがあって初めて「伝える能力」が生きてきます。例えば、セールスパーソンがお客様からの質問を間違って解釈していれば、いくら上手に分かりやすく答えたとしても、そのレスポンスは完全なる的外れになってしまいます。


・コミュニケーション能力とは、「聴く能力」と「伝える能力」と言えます。ただ、大切なのはこの順番です。優先順位が高いのは、間違えなく「聴く能力」なのです。


・多くの言葉で少しを語るのではなく、少しの言葉で多くを語りなさい

※ピタゴラスの言葉


・「聞く能力」と「聴く能力」の違いを再確認します。

「聞く能力」=言葉から伝わる事実を理解する能力
「聴く能力」=相手の発言の真意を捉える能力


・代表的な四つの聞き方(中略)

レベルⅠ:聴く意思を持っていない
レベルⅡ:聴いているつもり
レベルⅢ:都合のいいように聞く
レベルⅣ:自分本位の目的で聞く
(中略)

Ⅰ~Ⅳのレベルで長く聞かれれば聞かれるほど、相手の中には、ちゃんと聴いてもらえなかったという不満が蓄積されていくことになるからです。


・ビジネスリーダーや優秀なビジネスパーソンに気をつけていただきたい「ながら聞き」があります。それは、パソコンの画面に集中しながら部下の報告を聞いていたり、話題とは関係のない資料や図面を見ながら後輩の相談にのっていたり、手帳や予定表に意識を向けながらお客様の話を聞いているといった「ながら聞き」です。


・SYP傾聴(中略)これは、Sympathize with Your Personalityという英語の大文字の部分を取って、SYP傾聴と名付けたものです。日本語に訳すと「あなたの個性に共感する」という聴き方です。具体的には、次のような聴き方になります。


相手の立場になり、相手の個性に共感しながら、話を聴く。相手を理解しようとして、耳と目と心を総動員して、隠れた感情、相手の真意、肯定的な意図をつかむ。


・心という「感性」、頭脳という「知性」、そして冷静さという「理性」、この三者のバランスを意識し、駆使した聴き方によって、初めて相手の真意を捉えることが可能になります。


・あなたは自分の考えや意見を挟まずに、一〇〇%共感しながら最後まで人の話を真剣に聴いたことがありますか。また、そんなふうに誰かに真剣に自分の話を聴いてもらったことはありますか。普段、私たちは、相手の話を聴いているつもりになっているだけです。


・共感して欲しいだけなのか、それともアドバイスしてほしいのか、そのときの相手の真意を聞き分けることが何よりも肝心です。例えば、後輩が帰り際に、先輩であるあなたに、こんなことを言ったとします。

「○○さん、ここ数日、クレームの処理で大変なんですよ」この場面では、おそらく相手(後輩)は、(中略)ただ共感しながら愚痴を聴いてほしいだけです。


・質問には、オープン型とクローズ型の二種類があります。その名の通り、オープン型は会話を展開していく質問であり、クローズ型は会話を閉じてしまう質問です。また、オープン型の質問は相手の心を開く効果があるのし対し、クローズ型の質問は相手の心を閉ざしてしまいます。


技術的な違いは簡単です。オープン型の質問は、「YES」「NO」で答えられない質問です。いわゆる5WIHで始まる質問になります。


一方、クローズ型の質問は、「YES」「NO」で答えられる質問になります。(中略)


相手の本音を引き出すためには、意識的にオープン型の質問を多用した方が効果的だと言えるでしょう。


・オープン型の質問の中でも、WHYで始まる質問には注意が必要です。なぜなら、このWHYで始まる質問は、ほとんどのケースでクローズ型の質問以上に、話の展開も相手の心もクローズしてしまう(閉ざしてしまう)からです。(中略)


●なぜ、それができないのですか。(中略)

印象として、よく挙げられるのは、以下の三点です。

●できないことを責められている感じがする。
●上から目線で威圧的、高圧的に感じる。
●能力不足を指摘されているような気がする。


●何が、その障害になっていますか。(中略)

印象として、よく挙げられるのは、以下の三点です。

●一緒に考えてもらえるような安心感がある。
●冷静かつ客観的な視点を持つことができる。
●具体的、前向き、建設的な解決策を見つけやすい。


・質問には、①純粋に答えを求めている、②要望・依頼・命令、③アドバイス等の主観的意見、④批判、⑤確認という五つの意図が存在します。相手の質問の意図はどこに該当するのかを瞬時に判断し、それに見合った対応がオープン型のレスポンスになります。


・質問返しをされると、場合によってはバカにされたような気分に陥ることさえあります。


・「聴いてほしい」という需要はあるのに、「聴きます」とう供給が大幅に不足しているのです。世の中は「聴いてくれる人」を求めています。みんな話したいことは山ほどあるはずです。ただ、話せる相手がいないのです。または、その環境がないだけなのです。


●書籍『仕事耳を鍛える~「ビジネス傾聴」入門』より
内田 和俊 著
筑摩書房 (2009年12月初版)
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