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菅谷 昭 氏 書籍『子どもたちを放射能から守るために』より

このページは、書籍『子どもたちを放射能から守るために』(菅谷 昭 著)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・チェルノブイリ事故の被災地で、たとえば子どもの甲状腺がんが増加しはじめたのは、事故から5年後のことでした。


・「人体への放射線の影響」には、次のようなものがあります。

●すぐに影響が出るもの------急性影響
●数年、または数十年してから影響が出るもの------晩発影響(ばんぱつえいきょう)
●被ばく者の子孫への影響------遺伝的影響


・「晩発影響」は、がんや白内障、生殖器への影響があらわれます。がん発症までの期間は数年から数十年。ただそれだけ長く時間がすぎてしまうと、病気の原因を放射線によるものと特定するのは、なかなかむずかしくなります。


・「ベクレル」とは、放射性物質が出す放射線のパワーをあらわす単位です。1ベクレルとは、1秒間に1個の原子がこわれて、別の原子に変わっていくことを示します。300ベクレルという場合、1秒間に300個の原子がこわれ、変化するパワーを持っていることになります。


「シーベルト」とは、人が放射線を浴びた量をあらわす単位です。人はふつうに生活していても、宇宙や大地から自然界の放射線を浴びつづけています。自然界のものであろうと、人工的なものであろうと、受ける放射線の量はシーベルトであらわされます。


・人が1年間を通して自然界から受ける放射線量は、世界で平均すると2.4ミリシーベルトといわれています。一方、ふつうの人が1年間にさらされてもよい人口放射線量は限度は、1ミリシーベルト。


・放射線の種類には「アルファ線」「ベータ線」「X線」「中性子線」などがあります。アルファ線は破壊力が強いのですが、生体内では飛距離はとても短くて数十ミクロン。紙一枚あれば防げます。ベータ線の破壊力は中くらいで飛距離はミリ単位。アルファ板やプラスチックで防ぐことができます。ガンマ線はあまり破壊力は強くないのですが、非常に透過性が高く、分厚い鉛の板やコンクリートブロックがないとさえぎることができません。


・「内部被ばく」とは、食べものや呼吸を通して、体内に放射線物質が取り込まれ、放射線の影響を受けること。胃腸などから吸収され血液に入り込むと、体中をぐるぐる回って臓器や筋肉や骨などに蓄積され、そこから放射線を出すのです。


・チェルノブイリでいちばん被害が大きかった病気はなんですか?

小児甲状腺がんです。チェルノブイリ被災地では、事故後5年目に子どもの甲状腺がんが増えはじめ、10年後にピークを迎えました。家族で同じものを食べていても、子どもだけががんになったのです。


・福島の事故で、政府は「ただちに害が出るものではない」「基準値以内だから安全だ」と繰り返しました。しかしこれは外部被ばくを根拠にしてのことで、内部被ばくを考慮に入れたとは思えぬ発言でした。


・どんな食べものに気をつけたらいいですか?

チェルノブイリ事故の後、雑誌『ネイチャー』に発表された論文には、放射能で汚染した食品の摂取について次のように書かれていました。


ヨウ祖131による被ばくは、汚染した牧草や飼料を食べた乳業のミルクおよび、汚染した葉菜を人が摂取することによって起こる。


セシウム137が、成長しつつある植物の中に入っていくのは、葉に沈着することによるか、あるいは土壌から根を通じてとりこまれることによって起こる。それに加えてセシウム137の場合は、地衣類(苔)を餌にするために体内の濃度が特別高くなっている鹿、兎、とくにトナカイなど野生の狩猟動物の肉に注意しなければならない。


●書籍『子どもたちを放射能から守るために』より
菅谷 昭 著
亜紀書房 (2011年5月初版)
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