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書籍『ベネッセ発・小学生からの「考えて書く力」』(ベネッセ教育研究開発センター 著、有元 秀文 監修)より

このページは、書籍『ベネッセ発・小学生からの「考えて書く力」』(ベネッセ教育研究開発センター 著、有元 秀文 監修)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・自分では「考えて書いている」つもりだとしても、実は「考えずに書いている」、または「書きながら、考えている」ことの多いことが、日本人のコミュニケーションの「あいまいさ」や「なりゆきまかせ」につながっていると考えている


・PISA調査で明らかになった問題点の本質(中略)

2000年調査や2003年調査の結果(中略)

他の国のそれを比べて顕著だった問題点は、「自由記述問題の無答率が際立って高い」こと。特に、「自分の意見とその理由・根拠を求められるような問題を不得意としている」ということでした。


・ただ楽しかったでは、どう楽しかったのかわからない

ただ楽しかったではなく、何がどう楽しかったのか、そこのところがちゃんと言い表せるようになってほしい。


・なぜうれしいと思ったのか、そこが聞きたい


・報告は相手の知りたいことから言うのが鉄則

たとえば、会社でいえば上司は部下の起こしたミス・トラブルの対応策を、一刻も早く判断したいと思っているのに、言い訳や当人の憶測が織り交ざったような情報を聞かされては、すばやく適切な判断も下せなくなります。


・子どもの話の聞き方に大きな差がある欧米と日本(中略)

日本の親は子どもの話を「ほめてやるための聞く」、欧米の親は、子どもの話を「自分自身で話をまとめることができることを、促してやるために聞く」傾向が強いようです。


日本の親は、「へえ、よかったね。すごいね!」と聞く前からただ共感してやることだけを念頭においたり、ほめてやること自体を目的として子どもの話を聞こうとします。(中略)


一方、欧米の親は、(中略)「それは何のお話?」「それはどんな様子だったの?」「なぜそう思ったの?」「それで、あなたはどうするの?」といった具合


・型から入る欧米の作文指導(中略)

主張の型

1 「主張」
2 なぜなら、(理由①)
3 それに、(理由②)
4 また、(理由③)
5 さらに、(理由④)
6 結論 だから、「主張」


意見の型

1 「意見」
2 第一に、(事例①)
3 第二に、(事例②)
4 第三に、(事例③)
5 第四に、(事例④)
6 結論 このように、「意見」


比較の型

1 「主張」
2 たとえば、特殊例
3 それに対し、(比較となる一般例)
4 結論 このように、「主張」


説明の型

1 「主張」
2  (内容①)
3  (内容②)
4  (内容③)
5  (内容④)


・論理とは、「前提―結論」、「主張―根拠」、「原因―結果」といった関係のことをいいます。そして、「論理的である」とは、この関係性がはっきりしていうことた矛盾のないことを言います。


・適切な接続詞は論理性を高める(中略)

なぜなら、(中略)
たとえば、(中略)
しかし、(中略)
だから、(中略)

それに、(中略)
じっさいに、(中略)
いっぽう、(中略)
もちろん(中略)
このように、


・代表的な接続詞

順接  それで、そこで、すると、したがって、よって
逆接  しかし、だが、ところが
並列  そして、また、そうして
添加  それから、それに、しかも、さらに
選択  または、あるいは、それとも
転換  ところで、さて、では


・「問題」は共有化しただけでは解決されていかない

ビルの二階で火事があった

二階で 「火事だ!」
同フロアの他の人が 「火事だ!」
さらに同フロアの他の人が 「火事だ!」
三階の人が 「火事だ!」
さらに同フロアの他の人が 「火事だ!」
一階の人が 「火事だ!」
さらに同フロアの他の人が 「火事だ!」


火事だ!
火元は二階だ!
三階の人はそれを聞いて「非常階段で非難だ!」
一階の人は「消化器を持って消しに行こう!」
一階の別の人は「消防署に連絡だ!」


このように「問題」は、何もしなければ「問題」のままです。しかし、その問題を解決しようと思った瞬間に、それは「課題」に変わります。「解決しなければならない問題」に変わるのです。それは、「課題」とは「問題を解決することを、自らに課す」ことになるからです。


・「論理的に考えて表現する技術」を向上させる8つの観点・切り口

①何について、どのように書くことが要求されているか、わかって書いていること。〔課題認識〕

②どんな人に、どうなってもらうことを叶えるのか、わかって書いていること。〔相手意識・目的意識〕

③要するに自分の言いたいことが何なのか、はっきりさせていること。〔主題の明確性〕

④全体が一つの主題で首尾一貫していること。〔主題の首尾一貫性〕

⑤全体としても、部分部分でも、まとまりがついていること。〔内容の統括性〕

⑥語と語、文と文、段落と段落の結びつき・つながりがよいこと。〔文・文章の結束性〕

⑦読み手にわかりやすく伝える方法の選択・工夫を、適切に行っていること。〔構成・展開の妥当性〕

⑧話の内容を支える証拠が、読み手の疑問に適切に答えていること。〔証拠の明確性〕


・好き勝手に作文を書き、そのまま書きっぱなしではいけません。読み手の立場になって作文を読み直し、自分のいいたいことが本当に相手に伝わるかどうかを検証する、つまり推敲しなければならないのです。


・論理的に表現するためには、次の三つが大切です。

①「だれが聞いても納得するような根拠」を挙げて、意見を書くこと
②意見がふらふらと変わらないで、終始一貫していること
③意見が飛躍せずに、論理的につながりよく展開すること


・自尊心を高めるためには、親や教師が次の三つを励行しなければいけません、

①子どもの意見や感情をそのままに受け入れて、批判したり否定したりしない。

②興味や意欲を引き出す刺激を与え、やさしい課題を与えて成功体験をさせる。

③どんな小さな事でも努力していることを認め、具体的に心から褒める。


●書籍『ベネッセ発・小学生からの「考えて書く力」』より
ベネッセ教育研究開発センター 著
有元 秀文 監修
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