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書籍『出版デジタル化の本質を見極める』(本の学校 編)より

このページは、書籍『出版デジタル化の本質を見極める』(本の学校 編)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・ブッキッシュ

英語のbookishのことで、書物の上だけで、実際的でないということだが、転じて「本好きの。書物に凝った。堅苦しい。学者臭い。机上の。非実際的な」などの意味でも使われる言葉。

仲俣暁生氏(編集者・文芸評論家)


・丸善の御茶の水店の場合、売場が二〇〇坪しかないのですが、その二〇〇坪の売場にどのくらいの蔵書があるかとうと、約八万タイトルです。ですから、一年間に出る日本の出版物と同じ点数しか収まらないというのが現実なんですね。

草彅主税氏(丸善)


・御茶の水というと学生の街だということで、「学生さんが多いですね」とよく言われるんですが、現実に本を買っている人たちは四〇~五〇代の男性がメインになっていいます。二番目に同じ四〇~五〇代の女性が買っているという数字が出ています。二〇代はその後で、男性の場合ですと、三〇代よりも実は六〇代の方たちのほうが買っているといったデータが出ております。


・いいものを読もうと思ったら、どう考えてもとりあえず古典の棚にいけばいいはずです。なのに、やはり今月の新刊、今日出た新刊は何だろうと思ってしまう。ここにすごい魔力がある気がするんです。

太田克史氏(講談社/星海社)


・デジタルファースト&ペーパーレイター

「星海社」の記者会見で公表された新しい電子事業のコンセプトで「デジタルが先で、紙が後」の意。新作の小説や漫画を無料で公開しており、作品のコピー&ペーストも自由で、気に入った小説のフレーズをツイッターの画面に貼り付けることもできる。当面は、紙の書籍の刊行で利益を出し、将来的には紙以外からの利益と半々を目指すという。

仲俣暁生氏(編集者・文芸評論家)


・POPの代わりにツイッターがPOPみたいな形で機能している面もある

仲俣暁生氏(編集者・文芸評論家)


・専門誌の目次を見て著者をチェックするか特集をチェックすれば、大概その中に一年後ぐらいには単行本になって流行るものがありますよ

橋元博樹氏(東京大学出版会)


・アマゾンに「これを買っている人はこれも買っています」(中略)

いろいろな読者がいて読者のプロもいればそうではない方もいるのに、一律にこれを買っている人はこれも、というのもどうかと思う。

後藤佳行氏(トーハン)


・先日ある印刷会社で、アイトラッカーという面白い機械を見せてもらいました。これは例えば書店の棚の前にお客さんが立っているとして、その視線の動きをスクリーンに映し出すものなんです。


それで分かったのは、多くの人は棚の真ん中を見たら次に左上を見るということでした。書店の店頭は結構ビジュアルが派手なので右脳が反応する。すると左上を見るらしいんですね。そして真ん中から下はほとんど見ていなかった。通常の反応だと見ないと。ただし絶対に見ないわけではなく、何らかの目の引くものがあればちゃんと見るんです。

後藤佳行氏(トーハン)


・ブックスタマさんは、(中略)他社とのアライアンスで、自社店舗の中にほかの古書店さんを入れていらっしゃるというユニークなやり方をとっています。

星野渉氏(文化通信社)


・業界の都合で新刊書店と古書店に線を引いているけれども、お客さんからすれば境がない。

加藤勤氏(ブックスタマ)


・私どもの新店ができた三ヶ月後にブックオフが出た(中略)実際に蓋を開けてみると、悲しいことですがブックオフができたことでお客さんの認知度が高まった。東大和店はそれからずっと売上も伸びまして、いま非常にいい形になっております。(中略)

そうした経験から古本屋さんが隣にできたからといって、新刊本の売上が下がるということは、いまはないのではなないかと。それで福生店にブックセンターいとうさんをお招きしたのです。

加藤勤氏(ブックスタマ)


・いま古書の市場規模は一三〇〇億円ぐらいという調査数字が出ていますが、新刊市場が一兆九三〇〇億円ぐらいです。そうすると、市場規模ヒカクで古書は六・七%ぐらいしかない。

長崎深志氏(平安堂)


・新刊と古書はまったく違うスタイルの商売です。仕入れも違いますし、販売に対しての考え方も違います。同じ本を扱っているといいうだけでひとくくりにはできません。

加藤勤氏(ブックスタマ)


・FUD(ファッド)といい、要は不安や不信感を与えることによって、自分たちがより優位であると見せるような手法で、これが非常に横行しています。

落合早苗氏(hon.jp)


・★FUD

F=Fear=恐怖
U=Uncertainty=不安
D=Doubt=不信

落合早苗氏(hon.jp)


・永嶺重敏さんが書かれた『雑誌と読者の近代』の中にありますが、日本人の読書空間は、電車が育てました。「大衆小説とかスポーツ新聞は電車空間、通勤電車が育てた」とも言われています。

植村八潮氏(東京電気大学出版局)


●書籍『出版デジタル化の本質を見極める~本の学校・出版産業シンポジウム2010記録集』より
本の学校 編
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