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北島 康介 氏 書籍『前に進むチカラ』より

このページは、書籍『前に進むチカラ』(北島 康介 著、文藝春秋 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・両親ともスポーツは苦手だ。子供の頃、特別な選手ではなかった。体が大きいわけではないし、ずば抜けた運動神経があったわけでもない。(中略)自分の力を信じて、もがき、あがいてきたからこそ、今の僕がある。


・人生には重大な決断をしなければならない時がある。そんな時に一番やってはならないのは、周りの意見に流されてしまうことだ。もちろん信頼できる人たちにアドバイスを求めるのは、悪いことではない。しかし何よりも大切にしなければいけないのは、まずはしっかりと自分の気持ちと向き合うことだ。


・自分が思い描いていた通りのレース展開で勝利。思わず出た「チョー気持ちいい」という言葉は、勝利したことと、自分にかけ続けていたプレッシャーからの解放という二つの喜びから出た本音だった。


・答えを出すのは自分だ(中略)

「ロンドンでも金メダル取ってください」
そう言われると、「またあんなにつらい練習をやれってこと?」と言い返したくなった。(中略)

反発する気持ちが生まれた。結局、答えは自分で見つけるしかなかった。どんな選択をしようと、それならば誰のせいでもなく、自分で責任を負える。自分で決めた道なら、後悔はしない。


・人生にはいろいろな選択肢がある。その選択に責任を持てるのは、結局自分自身でしかない。「あの人がこう言ったから」、(中略)そこに言い訳があるとすれば、その選択が間違っていたと思った時に後悔することになるのではないだろうか。そうならならないための方法が「とことん素の自分と向き合う」ことだと僕は信じている。


・進化に変化は付き物だ。当然リスクもある。むしろそのリスクを乗り越えるからこそ、進化することができるのではないだろうか。


・再出発にあたって、僕は二つの目標を掲げた。まず一つ目は、「新しい平泳ぎの完成」だ。最も速い平泳ぎのための体を作り上げ、フォームを決める。それは、かつての自分の泳ぎへの挑戦でもあった。(中略)


しっかりと泳ぎ込んでいけば、いずれ体も元通りになるだろうとし、フォームの感覚も思い出せる。だが、そこを目指していても、一年前の自分に戻るだけで、それを超えることはできない。水泳の世界は、日々進化を続けている。


・もし僕が北京の泳ぎを取り戻せたとしても、もう世界一になることはできない。自分を超え、そして再び世界のトップレベルで泳ぐためには、新しい泳ぎを身につけるしかないのだ。


・人は何かを成し遂げようとする時、どうしても自分の成功体験を頼りにしがちだ。「あの時はこうした」、「こうすればうまくいくはず」。(中略)


でもそれは結局、自分の過去をなぞっているだけで、これまでの延長線上に過ぎない。過去の成功体験は、経験値として参考にはなるが、同じことをしたからといって、同じ結果を得られるとは限らない。


・自分で限界を決めるのはまったく意味がない。自分を信じる力がある限り、一度や二度の負けはまったく気にならなかった。僕はまだ進化の過程の入り口に立っただけに過ぎないのだ。


・自分を知り、好不調の波を知れば、勝負すべき時も見える、そこが「勝負強い」自分になるための第一歩といえるだろう。どんな人でも三百六十五日二十四時間、百パーセントの力を発揮することができない。大切なのは、絶対に負けられないここ一番という場面で、自分の持てる力をすべて出し切れるということだ。


・コンディションは、波形を描くように変動していて、一旦ピークに持っていった体は、一回しっかりと休ませて疲労を抜かないと、次に向かえない。高い波を作ろうとすれば、それだけ長い準備期間が必要だ。


・練習をする時は、二ヶ月後や半年後にその成果がきちんと表れている自分をイメージする。試合の前になるとスタートからゴールまで完璧な泳ぎをして、勝ってガッツボーズをしている自分までを思い浮かべ、その通りになるように自分自身を焚き付けていく。


・ネガティブな気分の正体は、「失敗したら(負けたら)どうしよう」という不安だろう。しかし自分のベストさえ尽くしていれば、敗北や失敗は必ず糧になる。(中略)「負けたらどうしよう」ではなく、「負けたら、次はどうしよう」と考えればいいのだ。


・僕の泳ぎを支えてくれているのは、間違えなく強い気持ちだ。自分なりのその中身を考えると、「強い自信」と「ほどよい集中力」、そして「プレッシャーとの上手な付き合いかた」の三つで構成されている。この三つが揃って初めて、僕は自分らしく強く泳げることができるのだ。


・同じような実力の選手が二人いるとして、かたや「普段通りに泳げるように頑張ろう」と思い、かたや「普段以上の力を出す」ことを目指しているとしたら、後者が勝つのではないだろうか。(中略)「こんなに厳しい練習をしているから、試合でも大丈夫なはず」と、どこか満足してしまっているのではないだろうか。


・周りからの声は、期待であり応援。それをプレッシャーという言葉に変えて、ネガティブな要素にする必要はないと思ったのだ。


・休みは、前に進むための活力源。マイナスではなく、プラスの行為だ。ウサギは無駄に休みすぎたから失敗しただけ。カメに追いつかれる前に再スタートを切れば良かったのに、油断しサボったから負けたのだ。


・気持ちの入らない一万メートルより、気持ちがしっかり乗った五千メートルの方が自分を伸ばしてくれるはずだ。


・サボることと、休むことは違う。サボるとは、自分がやるべきことを怠る行為。休むとは、心身を楽にして、次に向かう力を蓄える行為だ。きちんと意味を考えながら休めば、モチベーションが上がり、毎日を前向きに過ごすことができる。


・小さな島国から来た、小さな男が勝つ。そこに僕はロマンを感じているし、それを見て多くの人に勇気を与えることができるのではないかと信じている。


・もし僕にゴールがあるとしたら、それは理想の泳ぎは完成した時だろう。しかしそれはきっと泳いでも泳いでも手が届かない永遠の夢。だからこそ追いかけたくなるし、その夢を追い続ける限り、僕は泳いでいける気がする。


●書籍『前に進むチカラ』より
北島 康介 著
文藝春秋 (2011年7月初版)
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