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宇野 隆史 氏 書籍『トマトが切れれば、メシ屋はできる 栓が抜ければ、飲み屋ができる』より

このページは、書籍『トマトが切れれば、メシ屋はできる 栓が抜ければ、飲み屋ができる』(宇野 隆史 著、日経BP社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・店に「遊び心」を出す余裕がなくなるような無理な投資はしちゃいけない。これが、オレたちの商売が成功する秘けつだと思うんだ。


・メニュー作りでも、プリンは皿に盛るとき失敗してロスを出すやすいから、大きなモーニングカップに入れて作って「カップリン」なんて名前付けてそのまま出して、評判を呼んでいた。


・豚足の煮込みがあってさ、あるお客さんがオーダーしたんだけど食べにかったらしく、「ハサミ貸してもらえる?」って言ったの。すると、その子はただ、「はい、どうぞ」ってハサミを渡したんだよ。(中略)


オレは、そんな接客はあり得ないって思った。こんなときには、「食べにくかったですか?こっちで切りますね」と言って、切ってあげなきゃダメ。ハサミを貸しただけなら、「あの豚足は食べにくかったなぁ」で終わってしまうけど、切って出してあげれば、「ここは親切の店だな」ってお客さんにアピールするチャンスになるでしょ。


・民家の庭先に、ボコボコのヤカンを植木鉢代わりにして植物を植えたものが置いてあるのが目に入ったんだ。(中略)これだ!と思うアイデアに行き当たったら、すぐ実行すること。


・視察というとやたらに店内で写真を撮る人がいる。だけど、あれはどうかな、と思うんだ。写真を撮ると、いつでも見返せるからって何もしないで放っておくことが多いでしょ。参考になるポイントぐらい覚えられなきゃダメだよね。


・お金のいらないアイデアの集め方(中略)

ここでアサリを頼むと、箸の代わりに「あるものが一緒に出てくる。何だと思う?なんと、洗濯バサミなんだよ。これで、貝の身を挟んで食べるという趣向。最初に見たときはすごいインパクトだったね。いいアイデアに出会えて得したな、と思った。


・まるで人通りのない場所にあるうちのあるお店では、名刺一枚を板に留めただけのものを「看板」にした。(中略)いかに「色気」を出すかって方が大事だからね。


・地元のお客さんの心を、しっかりつかむ方法(中略)

追加オーダーなどを受けたときに、さりげなく「ご近所ですか?」なんて聞けばいい。「そうだよ」って返してくれたら、「じゃ、お近づきのしるしにちょっとサービスしちゃいます!」なんて、冷やしトマトとかキュウリのおしんこなんか出してあげれば、喜ばれるわけじゃやない。リピートしてくれる可能性は、グンと高くなる。


ご近所だと分かったら、「ちょっと一杯飲みたいときには、寄ってくださいね!」って声もかけやすい。その上、「メニューにないものでも作りますよ」なんて言ってあげれば、お客さんだってうれしいはずだ。


・物件選びは焦っちゃいけない(中略)

制約が多い物件の代表格は、マンション内に出店するというケースだよね。これはやめた方がいい。店舗の上が住居だと、どうしても苦情が出やすく営業がしにくくなる。例えば、人の声は上の階に響くから、夜遅くまで営業できない。


・最初は生きていくために、(中略)自分の理想と違っても、1軒目はお客さんを呼び込める「手段の店」を考えなくちゃいけない。そうして、最初の五年は次のステップに進むための店を成功させる。


・「ご近所で買い物」が成功への第一歩(中略)

顔を覚えてもらうのは簡単だよ。ちょっとしたコツさえ知っておけばね。例えば、皿が二〇枚必要だったら、一気に必要な枚数を買わずに四回に分けて五枚ずつ買う。そうしたら、何度も店に行くことになって、店の人は絶対、声をかけてくれるようになる。


・当たり前のメニューを特別にする方法(中略)

例えば夏に出すおでんや鍋物、ただ、メニューに「おでん」って書いたらつまらないけど、「不思議なんです。夏なのに人気のおでん」なんてメニューに書く。こんなふうにすると、遊び心があってお客さんは「あれ?」と思ってくれる。夏鍋をするときだって、最初から席にコンロを置いておく。そうすれば、お客さんは「これ何に使うだろう?」って思うでしょ。


・ノウハウをしりたくて先輩が持っていた料理本を貸してもらおうと考えた。すると、「本は自分で買わないと身に付かない」。先輩はこう言って、貸してくれなかったんだ。今思えばいいことを教えてくれたと思うよ。


・「小六ッケ」(小さい6つのコロッケの意味)は、オレが考えた「定番料理」の一つ。


・強い「店の顔」があれば、息の長い店ができる(中略)

残ったカツを、キャベツとからしソースと一緒にお客さんに持ち帰ってもらうんだ。そうすれば、翌日もお店のことを思い出してもらえるでしょ。もちろん、この程度であれば既にやっている店もあるだろう。でも、オレは、これに薄いパンを二枚サービスで付けてあげるの。そうしておけば、これだけで次の日の朝食やお弁当にできるでしょ。


・お客さんが喜ぶ、客単価を上げるメニューを作る(中略)

デザートに「サービス」と言って、アイスクリームを付け合わせることにしたの。(中略)アイスクリームを、キッチンの中でデザートにただ盛り合わせていてはダメ。(中略)そうじゃなくてさ。アイスクリームのカートンを席まで持っていって、「サービスしときます!」って、その場で盛り付ける。そうすれば、お客さんの感動は俄然、大きくなる。同じ内容でも、絶対、すごく得した気分になるはずだ。


・お客さんに語りかける品書きを作れ!(中略)

例えば、「関サバさようなら!これからは松輪サバです」と書いてアピールする。そもそも「松輪って何?」なんてお客さんが多いはずなんだから、それを品書きで教えてあげられれば親切だよね。


・クレームを減らすお客さんとのいい関係(中略)

金曜や土曜など店が忙しくて料理を出すのが遅れがちな日には、一つのテーブルに料理を出したら、必ず両隣に「出ていないものありますか?」と聞くようにするということ。クレームが出る前にできるだけ予防線を張るわけだ。


・チラシを配ってもお客さんは来ない(中略)

たとえ来てくれても、チラシを店員に見せて割り引いてもらうだけだったら、店の人とのコミュニケーションなんて生まれない。そんなものに手間をかけるより、店に来てくれたお客さんのコップが空いたら、「オレ、この芋焼酎好きなんですよね。サービスするんで飲んでみて!」なんて注いでごらんよ。


・年末に向けた「対策」を練るなら、販促じゃなくて、むしろお客さんを待たせないような工夫に力を注ぐべきだよね。例えば、メニューは当然、早く出せるものに変更する必要があるだろう。


・お客さんの名前を覚えたい。ある店に初めて行ったときに、そこの店主に名前を聞かれて、(中略)その次に行ったらアルバイトの子も「宇野さん、おしぼりです」って言って出してくれたんだよ。すごいことだよね。


・カウンターに小型の水槽みたいないけすを置いて、車エビを入れているんだ。これだけで、ほかの刺身もみんなものすごく新鮮に見える。


・店は、いかにお客さんに来てもらうかが大事なんじゃなくて、いかに帰ってもらうかが大事なんだって分かってきたんだ。お客さんに来てもらっても、また来てくれないのならば、永遠に新規のお客さんを開拓しなければらならない。そうではなくて、お客さんを喜ばせ、楽しい気持ちで帰ってもらえば、また店に来たいと思ってもらえる。


●書籍『トマトが切れれば、メシ屋はできる 栓が抜ければ、飲み屋ができる~居酒屋の神様が教える繁盛店の作り方』より
宇野 隆史 著
日経レストラン 編集
日経BP社 (2011年4月初版)
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