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三島 邦弘 氏 書籍『計画と無計画のあいだ』(河出書房新社 刊)より

このページは、書籍『計画と無計画のあいだ』(三島 邦弘 著、河出書房新社 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・誰もが異句同音に出版不況と断言する業界で、年間六冊ほどの新刊だけで、六~八人の社員とともに、なんとか会社を維持しつづけていられるのははなぜか?(ちなみに金融機関から一度も一円たりとも借りたことがない)。もっといえば、事業計画すらつくっていない会社が・・・・・・なぜ?


・周りからは、ふつうの会社とは思われていない。その証拠に、二〇一〇年五月に入社したホシノは、「ミシマ社に入る前はどうしてたの?」と訊かれるためび、「前はふつうの会社にいました」と答えている。(中略)残念なことに、社員からもふつうの会社と思われていない


・「これまで」の出版の空気とは一線を画してやりたかったという気持ちがあった。だから、ほかに出版社がないということも、自由が丘を拠点にする魅力のひとつであった。


新しい出版活動をするために会社をつくるのだから、少しでも「これまで」の色がついていない地でやるほうがいい。場に「これまで」の色があるだけで、つい「そっち」に引っぱられそうな気がしたのだ。つまり、山の手の外側で、かつ、出版社のない場所であること。


・「つくる」「送る」「届ける」がいかに難しいか


・POPをつくりに来たはずなのに、なぜか裁縫道具一式をもって持参していた。(中略)色画用紙をハサミで切り取り、色鉛筆で、キャッチコピーを書く、もしくは描く。・・・・・・と思いきや。ぬ、縫ってる!なんと、色画用紙に糸を通し、なにやら縫い始めているのではないか!?


・POPひとつとっても、ちょっと“動き”があるだけで全然結果はちがうんです。それが立体になっていると、それだけでちゃんとその前を通り過ぎたお客さんに伝わって、売れるんです


・お客さんは人間なんだ。人間である以上、血の通ったものに反応する。それは自分が編集で心がけていることと同じじゃないか。


・二〇〇八年には、返品率がついに四割までになりました。(中略)出版社で発刊された本は、取次店を通して全国の本屋さんに送られる。しかし、悲しいことに、送られてきた本の約半分が最終的に出版社の倉庫へと戻ってきます。そして、大半は二度と日の目を見ぬまま、断裁・焼却の憂き目にあうのです。(中略)構造的問題


・有限会社発送企画さんという家族経営に近い倉庫会社


・紀伊國屋書店本町店の百々(どど)典孝氏(現在梅田本店勤務)。いろんなところでお名前を聞くことがあった


・ミシマ社では、「全員全チーム所属」かつ「全員リーダー」を基本に会社を運営していくことにしていた。これは、原点回帰の基本中の基本、「つくる」から「届ける」まで一直線につなぐために欠かすことのできない組織形態ととらえていた。


・この見開きページをコピーし、4つ折にすると「ミシマ社通信」が出来上がります!


・野生の感覚を磨くために、日常で工夫していることを少しだけ述べておく。

●パソコンオフタイム
●席替え
●企画会議の書類は一部のみ


パソコンオフタイムでは、午後すぐから三時ごろまで、パソコンを使わない。画面を閉じ、ノートパソコンの蓋を閉じる。そうしてその時間、打ち合わせや手作業に充てるようにする。(中略)はがきやお手紙を書く。手書きでファクスを打つ。POPやパネルをつくる。


・出版社にとっての目標を「規模」におくのではなく、「一冊一冊」におく。その一冊にどれだけの熱量をこめ、どれだけ愛情を注げるか。一冊にこめる熱量を拡散させないで、凝縮させる。


・ミシマ社の本は一見するとジャンルはバラバラですが、ちゃんと共通性があるんです(中略)既存のジャンル分けをあえてすれば、こんなふうになるだろう。

人文(中略)ビジネス(中略)スポーツ(中略)医学(中略)雑学(中略)自己啓発(中略)文章(中略)ノンフィクション(中略)評論(中略)料理(中略)コミックエッセイ(中略)絵本


・読者にとっての入口はどこだっていい。最終的に本が面白い。体感を通して、それが実感にまで深まるきっかけになるのであれば


・「どうしたら売れるか」ではなく、「どうしたら喜んでもらえるか」(中略)会社を回すために、「売る」ことが目的化してしまってはものづくりの原点から離れてしまう。ものづくりの原点はあくまでに、「喜び」を交換することにあるはずだ。


●書籍『計画と無計画のあいだ~「自由が丘のほがらかな出版社」の話』より
三島 邦弘 著
河出書房新社 (2011年10月初版)
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