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小池 一夫 氏 書籍『キャラクターはこう活かす!』(小池書院 刊)より

このページは、書籍『キャラクターはこう活かす!』(小池 一夫 著、小池書院 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・キリストに続くナンバーツーのスーパー・キャラクターといえば、悪魔です。悪魔は初め、人間を試すために天から遣わされた天使でした。しかし、中世の教会によって、神の敵対する存在に仕立て上げられたのです。


・神の力を効果的に表現するには、悪魔のような対抗するキャラクターが必要なのです。これは、キャラクター原論からいえば、非常に見事なキャラクターの起て方といえます。


・スポーツ・キャラクターには3つの条件が必要です。ひとつ目は目的を持っていること。世界チャンピオンなどを目指すといったことです。ふたつ目は目的に向かう過程で、苦労や挫折など試練があること。3つ目は栄光があること。さらにもうひとつ重要な条件があります。それがライバルです。長嶋に王がいたように、対抗する存在が必要です。


・名曲を生み出した作曲家の故・吉田正先生から電話がかかってきたのです。吉田先生は『子連れ狼』の作曲を担当されていました。

先生に「できた?」と聞かれたのですが、まさか「まだです」とも言えませんから「できました」と答えてしまいました。その日の天気は雨で、私は窓の外を見ながら、とっさに「出だしは、"シトシトピッチャン、シトピッチャン"です」と答え、そのとは2、3行を思いつくままに伝えました。そうして、できたのが『子連れ狼』の歌詞です。(中略)


橋幸夫が歌ったこの歌は大に売れました。その結果レコードを買った人たちが『子連れ狼』を読むために「漫画アクション」を買い、「漫画アクション」の読者がレコードを買うという相乗効果が生まれたのです。


・漫画原作を書くときの重要なテクニック(中略)

それは「主人公から描く」ことです。1ページ目から主人公を登場させ、脇役に主人公を噂話をさせるなどして、周りからキャラクターを起てていくのです。反対に、最初から誰が主人公なのかわからず、だんだんわかってくるというパターンは映画ならかいませんが、漫画では通用しません。


・「大きなキャラクター」を起てる時に大切なのは、キャラクターのスケールに合わせた大きな背景を用意するというこです。これによってドラマに広がりや奥行きが生まれます。


・愛されるキャラクターを創るための注意点(中略)

ひとつ目は、見た目がかわいいこと。(中略)
ふたつ目は、グロテスクなキャラクターは描かないこと。(中略)
3つ目は、いかにキャラクターを目立たせるかということ。(中略)
4つ目は、自分が感情移入できるようなキャラクターであること。(中略)
5つめは、目が活きていること。


・受け手によって快・不快の基準が違う(中略)


30年ほど前、石ノ森章太郎に東映から「新しいヒーローを創ってください」と依頼がありました。(中略)


「子供のヒーローなんだから、子供に選ばせるのがいいのでは」と思いつき、数あるデザインを息子さんに見せたのです。そして、息子さんが「これがカッコイイ」と選んだのが、「バッタ」をモチーフにしたキャラクターでした。


それを再び東映に見せると「グロテスクだ」「怖い」と難色を示しましたが、なんとかドラマ化が決まりました。しかし、まったく期待されていなかったのです。(中略)それが、その『仮面ライダー』です。大人が不快に感じても、子供はカッコイイと思うかもしれません。


・「ゴルフ場にいるヘビがいる。面白いから写真を撮っておいで」と、同行した雑誌のカメラマンに頼みました。数日後、出来上がった写真を見て、私はがっかりました。カメラマンは様々なアングルからヘビの表情や動きを撮ってくれましたが、背景は草むらばかり。これではこの場所がどこなのか、全然わかりません。(中略)


グルーン上の旗やバンカーをいっしょに撮らなければ意味がありません。つまり、ただのヘビの写真では、「ゴルフ場にいるヘビ」という珍しくも面白いキャラクターが起ってこないのです。


・藤子不二雄A(中略)

漫画といのは、自己満足ではだめなのです。描き手と読者の気持ちが通じ合うことから始まります。


・たとえ3日がかりで、素晴らしい宇宙船を描いても、読者は読み飛ばしてしまう。ところが、その宇宙船の窓から近未来的な服を着た美女が泣きながら宇宙を見ている様子が描かれていたら・・・・・・。読み手は想像力を刺激され、宇宙船そのものにも興味を持ちだします。


●書籍『キャラクターはこう活かす!~スーパーキャラクターを創ろう』より
小池 一夫 著
小池書院 (2001年6月初版)
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