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織田 正吉 氏 書籍『笑いとユーモア』(筑摩書房 刊)より

このページは、書籍『笑いとユーモア』(織田 正吉 著、筑摩書房 刊)から、良かったこと、共感したこと、気づいたことなどを取り上げ紹介しています。


・A 「秋が来た!」
大勢 「秋が来た!」
A  「美術の秋だ!」
大勢 「美術の秋だ!」
A  「読書の秋だ!」
大勢 「読書の秋だ!」
A  「食欲の秋だ!」
大勢 「食欲の秋だ!」
A  「納税の秋だ!」
大勢 「------」
A  「アラ。皆、黙っちゃった」


・ウィットでできた詩(中略)

世の中は澄むと濁るのちがいにて ふぐに毒あり福に徳あり
世の中は澄むと濁るのちがいにて 人は茶を飲み蛇は人を飲む


・はたらくは「ハタラク」でハタ(まわり)の者を楽させることだ。
------商いは「アキナイ」だから、飽きないでやることだ。
------人という字はたがいにもたれあっている。だから人はたがいに支えあわなければいけない。


・ギャグ(gag)というのは、もともと「口をふさぐ」という意味です。


・<おかしさ>と<笑い>を区別していく必要があります。おかしさというのは笑いを呼び起こす原因であり、笑いはそれに対する反応です。例をあげると、人がころぶのがおかしさであり、それを見て「アハハ」と声を出すのが笑いです。


・笑いには、苦笑、失笑、嘲笑、お世辞笑い、朗笑というような質的なちがいと、微笑、哄笑、爆笑というような量的な差による言葉の上での区別があります。微笑というのは、ほのかな笑いという、量のほかに好意的な笑いという質の面もふくんだ言葉です。


・音の類似

アメリカ旅行した一人の日本人客がニューヨークからボストン行きの切符を買おうと思い、窓口で、「ボストン行き」というつもりで、「ツゥ、ボストン」というと、窓口の係員が「ボストン二枚」といったものだと思い、切符を二枚出してきました。「~行き」というのは「ツゥ」ではなく「フォー」だっと思いだし、「フォー、ボストン」というと切符四枚出してきました。困った日本人客が、思わず「エート・エート・・・・・・」とつぶやいていると、切符を八枚出してきた


・矛盾

医師 「当分、絶食をしないといけません。それから薬はこれをのんでください」
患者 「先生、この薬はいつのむんですか?」
医師 「食後にのんでください」

絶食すれば食後というものはありません。こういう矛盾が笑いを起こします。


・完全は不完全(中略)

日光にある東照宮の陽明門の柱はその一本がわざとさかさまに立てられています。(中略)建造物は百パーセント完全なものは魔がさすといって、新築の住宅などに、わざと天井裏に打ちそこないの釘やハケを残しておいたりする習慣があります。法隆寺の金堂を解体したときには天井裏から大きな鼻の男の顔の落書きが出てきました。


・悲劇は喜劇である(中略)

悲劇も喜劇ももともとおなじものであり、視点をどこに向けさせるかによって観客が泣いたり笑ったりするものです。


・ユーモリストと呼ばれる人びとは、しばしば自分の失敗談を他人に披露し、聞き手にいっしょになって笑います。それは失敗する自分を第三者の目で客観的に眺めるもう一個の目を持っているからです。自分自身を第三者の目で見る能力、それがユーモアの感覚を構成する大きな能力の一つです。


・「江戸というところは住みにくい。水まで金を出して買わなければならない」

おなじように江戸に出て行ったBはこういいました。

「江戸は住みよいところだ。水を売ってでも生活できる」

おなじ状態が見る人の視線によって正反対の価値を持ちます。(中略)物の価値自体も見方によって正反対の性質を帯びてきます。


・日本の鉄道がはじめて急行を走らせたとき、「乗せる時間が短くなるのに、料金を高くするとのはべらぼうな話だ」という意見があったそうです。たしかに、おなじ乗物でもレンタカーや貸ボートは、乗っている時間が長くなると割増料金を請求され、料金は乗っている時間に比例して高くなります。


・あるアパートの表に、「貸室あり。ただし子供のある方おことわり」という張り紙がしてありました。このアパートの管理人室に小さな男の子を連れた婦人が部屋を借りに入ってきたので、管理人が、

「張り紙の文字を読まなかったんですか。子供のある人おことわりと書いてあるでしょう」

というと、婦人のつれている男の子が、

「ぼくには子供はありません。母親がいるだけです」

と答えました。母親が子供を連れているのではなく、子供に母親がついているという見方です。ジョークには、こういう見方をすることによって笑いを生む場合がよくあります。


●書籍『笑いとユーモア』より
織田 正吉 著
筑摩書房 (1986年5月初版)
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